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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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事業仕分け第2弾が開始され,昨日はJAXAの広報活動費が廃止という結果になりました.年1億円はちょっと大きすぎたかなと思いますが,日本の宇宙開発に関する活動をアピールする場が減ったことは残念です.

関連して,先日スペースシャトルでの活動が注目されたのを機に,もっと日本の宇宙開発をアピールする必要があったのではと書きましたが,さらにサイエンスポータルで関連の記事が公開されました(こちら).

先日は,シャトル打ち上げの裏側でどのようなミッションが動いていたのかわからないと書きましたが,上記記事の中ではやや詳しめの情報があり,材料に関する研究と,医学分野の研究ということでした.琴の演奏とか俳句の披露とかでは伝わりませんよ.残念ながら.

それはさておき,こうした研究は報道が少ないがために一般の方々に伝わらないというわけではなく,研究成果も必ずしも華々しい結果が得られておらず,広くアピールするような雑誌(Natureなど)に掲載されるものも少ないようです.となれば,関連分野の方々はさておき,大部分の人たちからは「何のための活動かわからない」と思われても仕方ないと思います.
先日はアピール不足ではないかと書いたわけですが,もしかするとそもそもアピールする内容も十分ではないということなのかもしれません.

とはいえ、科学技術を伝えるということは常に成果だけを伝えるということではないとも思います.まだまだ研究途上のことも,将来どう実現され,何ができるようになるのかを伝えることも,人々からの支援や応援を得るためには欠かせないはずです.
なかなかすぐには成果につながらなくても,取り組んでいることに自信をもって,熱意を込めて語ることも必要なのではと思うわけです.
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地球温暖化がいわれるようになって久しく,現在では環境問題から社会問題になりつつありますが,その解決のために欧米ではジオ・エンジニアリングという発想で研究などが進んでいるらしいです.サイエンスポータルでの山本良一・東京大学生産技術研究所教授の講演より.

温暖化問題の解決には大きく2つの道があり,ひとつは低炭素経済を実現すること,そしてもうひとつが非常事態には地球を短期的に冷却する=ジオ・エンジニアリングです.

地球の気候を人の力によって変えてしまおうということで,これまではタブー視されてきたところもあるようですが,英国王立協会の報告書では軽減策,適応策と同じテーブルの上で議論すべきと結論付けられたとのこと.米国下院,英議会では公聴会が開かれ,米国科学振興協会総会でもジオ・エンジニアリングに関する特別セッションが設けられたそうです.

人間活動の結果として今日の地球環境の変化があるというのに,さらにそれを進めるような方向で良いのか?と思わずにはいられませんが,低炭素社会の実現には世界全体で年1兆ドル必要で,一方のジオ・エンジニアリングによる手法では40億ドルで済むとの報告があるらしく,経済的な観点からいうと圧倒的に有利と言わざるを得ないのかもしれません.

具体的には亜硫酸ガスを成層圏に注入するそうですが,そうすると温暖化は緩和できるようですが,青空が見えなくなり,血のように赤い夕焼け空が広がり,夜は星もあまり見えないそうです.自然にとっては悪影響としか思えませんが,アメリカでは青空が無くなり,真っ赤な夕焼け空となったときの人の心理への影響研究まで始っているそうです.正直信じ難いですが,それも現実なのでしょう.

他にも色々な動きがあるようですが,なんだか悲しくなります.自然共生型なんて言葉もちょいちょい目にするようになってきたかなぁなんて思っていたのに,結局最後は力まかせかもしれないとは.
良かれと思って技術発展を続けてきた結果が今日の問題を招いているわけです.規模の大きいジオ・エンジニアリングではもし問題が生じた場合には,その規模もこれまでの比ではないことを考えて検討しなければ,それこそ致命傷を負いかねないのではなと思います.
H26年度開業予定の北陸新幹線の所要時間が明らかにされたとのこと.信濃毎日新聞より.
国土交通省鉄道局は22日、建設中の北陸新幹線・長野-金沢間開業後の金沢-東京間の所要時間について、長野を含む主要駅だけ停車する「速達型」で2時間25分程度になると明らかにした。国側から詳細な所要時間が示されたのは初めて。(信濃毎日新聞より)
実際は長野-東京間が最速で1時間23分,長野-金沢間の所要時間は明らかにされず,およそ最速1時間ほどらしいので,金沢-東京間が2時間25分くらいになるそうです.

今は4時間前後かかるので,1時間半も短縮されるのは大きいです.往復だと3時間短縮ですから.一日の8分の1ですよ.ただ,「最速」ということなので,各駅停車(?)だとどのくらいかかるんでしょうね.

軽井沢や黒部などにも停まるらしく,観光利用も多いのかなぁなんて気もします.となるとなかなか席もとれないのかな.「はくたか」はほとんど問題ないんですが.

とりあえず開業に向けて進んでいるということで,東京出張もちょくちょくある身としては待ち遠しいです.
比較的短い時間での気象予測を「ナウキャスト」と言ったりしますが,気象庁が竜巻・雷のナウキャスト運用を始めるとのこと.MSN産経ニュースより.
気象庁は21日、竜巻や雷の発生情報を以前よりきめ細かく知らせるシステムの運用を、5月27日から始めると発表した。日本地図を細かく区切った格子ごとに、発生状況や可能性を10分刻みで1時間先まで予測し、色分けで表示する仕組み。竜巻や雷の被害は多く、同庁はホームページなどで公表し、被害防止につなげたい考えだ。(MSN産経ニュースより)
記事によると,突風被害はH3~20の18年で508回も起きているそうで,中には人的被害が生じることもあるそうです.どのくらいの精度を持つものなのかわかりませんが,防災のために必要な情報が入手できるようになるというのは一歩前進といえるでしょう.それをどのように生かすのか,ということが課題ですが,この点は気象庁まかせにするのではなく,情報利用者の工夫も必要ではないかと思います.

関連する話題が,同じくMSN産経ニュースの「日本の議論」という記事にありました(こちら).2月に起きたチリ地震の時の津波警報による予測が,実際とは大きな差があったことから始まり,そうした情報をいかに利用するのか,最終的には自らの命は自らの命で守らなければいけないということ,「当たった」「外れた」ではなくより本質的な議論が必要とまとめられています.情報の入手が容易になったいま,その活用は使う側での議論も必要ということだと思います.


話は変わりますが,3月の選挙で5選を決めた石川県の谷本県知事ですが,その退職金が件の委員会で話題になったとのこと.朝日新聞(こちら)と読売新聞(こちら)に詳しいですが,4期分の退職金の総額は1億7472万円だそうです(!).委員の方から苦言が呈されたそうですが,不況と言われる時期ですからとうぜんですよね.知事はどうするのでしょう.どうもしないのかな.

昨夜,ISSでの任務を終えた宇宙飛行士の山崎直子さんが帰還されましたが,関連報道に対するあり方についての話題がサイエンスポータルにて公開されています(こちら).

記事の中では,宇宙開発に関わる人からの「これまでの報道と違って,山崎さん夫妻の私的部分に偏っている感がする」という声が紹介されています.
それほど多くの関連報道をみたわけではありませんが,私も同じように感じていました.宇宙飛行士に採用されてから,事故の影響で計画に遅れが出たのを耐えてきたとか,家族の支えがあっての夢の実現であるとか.確かにそうかもしれませんが,世の中の多くの人も,人生の中で耐え忍ぶこともあるでしょうし,家族の支えもあるわけで,あまりに美談,美談とアピールされすぎのように思います.

その反面,今回のミッションの意味はさらっと紹介されている程度に感じます.私の頭に残っているのは「ISS建設に必要な資材を運ぶ」ということだけです(きちんと報道を追えていないだけなのかもしれませんが).でも,そのさきにはきっと多くのミッションがあったり,科学的目的があるように思います.そうした将来的なビジョンも紹介されても良いのではないかと思います.

だからといって,マスコミの報道の仕方を問題視するつもりはなく,むしろ今回のスペースシャトル打ち上げが大きな話題になっただけでも,マスコミの果たした役割は大きいと思います.宇宙開発に関わる人たち(要はJAXAの人達ですが)がそうした動きを利用し,便乗してもっと宇宙開発に関する情報を提供し,国民の理解を得ようとしていないことが残念でなりません.

もしかすると,マスコミに情報は提供しているけど使ってもらえていないのかもしれません.しかし,マスコミは得てしてそういうものですから,もっとうまく使ってやろうといういやらしさがあって良いと思います.
私もJAXAに知り合いはいますが,皆さん良い人です.おそらく,マスコミを利用してやろうなんて夢にも思わない人達だと思いますし,思ってもできないのではないかと思います.しかし,科学技術のあり方が問われるようになりつつある昨今ですから,うまく広報活動を行っていくことは不可欠です.今後,今回のような流れがあったときには,うまいことやって宇宙開発の地位を高めるよう努力してはと思います.

その他の科学技術も,チャンスがあれば売り込もうとする姿勢が必要なのかもしれません.
研究者にとっては得意なことでありませんが「研究費1千万円→市民講座を年1回 研究者に義務化?案」なんて記事が出る世の中ですから,社会への情報発信スキルを高めないと.
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