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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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前回(といっても20日も前ですが・・・)の記事で触れた東京大学名誉教授・高橋裕先生のインタビュー記事第2回(サイエンスポータルより).

前回は洪水被害を軽減するにはハード対策だけではいけないという治水に関する話題が主たるものでしたが,今回は土木教育に関する話題.

日本の成長期に土木工学の教育に携わった人々について様々なお話が展開されており,理論偏重にならず,実学をめざすことが国土を守る土木技術者を育てることにつながるという強い信念のもと,軋轢が生じることを恐れず,その実現に努力した姿が紹介されています.

さらに今日のあるいは今後の土木教育についても展望が述べられており,今そしてこれからの教育に携わる身としてはしっかりと考えなければいけないと感じました.

今日の大学教育はややもすると上から示された方針の中で,それに沿うように進めていこうという形になりがちのように思いますが,本来は個々の教育者がどのような人を育てるのかを考え,実践していくべきであり,そうでなければ教える側の熱意も沸きあがってこないと思います.やれといわれているからやっている,ではなく,こうするのだ,という想いを持ち続けなければと感じました.

一方で,教育に関して十分考え,実践することが,今日の大学教員にとって評価されないというシステムにも問題があると感じます.研究予算と論文により評価され,その成果を出すことに躍起になるだけでは教育における理想を思い描くことは二の次になってしまうかもしれません.
とはいえ,それが現状である以上,その中でやるしかないわけです.言い訳なしに,がんばりましょう.
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センター試験に代わって「達成度テスト」というのが導入されるという話題.Yomiuri Onlineより.
大学入試改革を検討している政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は21日、大学入試センター試験を廃止し、新たに「達成度テスト(仮称)」の創設を提言する方針を固めた。(Yomiuri Online
具体的にどんな内容なのか知りませんが,今までのセンター試験に問題があったということなんですかねえ.個人的にはそんなふうには感じないのですが.

で,何が変わるかですが,複数回の挑戦が可能で,結果は点数刻みでないというのがポイントなんですかね(「発展レベル」というものに関してです).
複数回挑戦できるとはいっても,ある程度学習内容を終えてから受験しなければならないでしょうから,実質そう何度も受けられないんじゃないかと思うんですが,どうでしょう.
点数刻みでないというのもメリットがあるのかないのか.少なくとも,合否判定をする際に差が生じにくくなるとすれば,大学入試には使いづらいのではないかと思いますが.現行の国立大学法人のように,各大学が個別試験を課すというのであれば,そちらのウエイトが大きくなって,一発勝負の要素が大きくなるような気もするので,受験生にとってはプレッシャーが大きくなったりするようにも思います.

今までセンター試験を入学試験に代えていたような私立大学も,受験者の差が生じにくいと悩みそうですよねぇ.もっとも,何段階のレベルわけがされるかによりますが.

5年程度先となると,あっという間でしょうから,大学に勤める我々も何かしら考える必要が出てくるんでしょうね.
様々な教育現場でブロックの活用が注目されているという話題.MSN産経ニュースより.

プラスチック製組み立て玩具の「ブロック」。幼少時、夢中になって車や家を作った記憶を持つ人は少なくないだろうが、今、このブロックが「働くうえで求められる力の育成」の観点で、幼児教育から大学・企業まで広く注目を集めている。「集団における協調性」などを評価するため、宇宙飛行士候補者の選抜試験でも採用されたというブロック、その効果とは-。(MSN産経ニュース

ということで,宇宙飛行士の選抜にまで使われているなんて,所詮おもちゃとはあなどれませんなぁ.
ブロックで遊ぶということは,ものづくりにもつながるでしょうし,工学的な側面があるんでしょうな.
土木構造物についても力のかかり方とかは学べるのかもしれませんねぇ.でも,様々な材料ごとの挙動の違いまで再現できるわけではないので,限界があると思いますが.

私もブロック好きな方なので,仕事で使う機会があったら楽しいだろうなと思いますが,まぁないでしょうな.残念.
日本から海外への留学生を増やそうと,政府による奨学金枠が拡大されるそうです.毎日新聞より.

世界で活躍する人材づくりにつなげようと文部科学省は来年度、5000人超の大学生と高校生を海外留学させることを目指し、奨学金枠の拡大などに取り組むことを決めた。従来の5倍以上の人数で、5年後には大学・高校生各約1万人に増やす目標も掲げる。自身も高校卒業後、米国のジョージタウン大に留学した中川正春文科相は「若者は海外に飛躍し、元気な日本をつくってほしい」と呼びかけている。(毎日jpより)

記事によれば大学生は4倍(3000人),高校生に至っては40倍(2000人)に増えるとのこと.学生が留学したいかというと,留学の意向の無い学生の方が多いようですが,それは責められないことですよねぇ.ただ,海外で様々な経験を積むことは良いことだろうなとは思います.なんて言っている私が留学経験が無いわけですが.

私の場合は関心が無かったというのが一番大きいように思いますが,日本の多くの学生もそうなのではないかと思います.海外に留学して何をするのか,どんなことができるのかということを知る機会が全ての学生に与えられるわけではないと思いますし,知っていたら留学したいと思ったかも,という人も少なからずいるのかもしれません.

そういう意味では,留学したいと思う学生を増やすには資金援助に加えて,海外に行ってどんなことができるのかを知る機会を与えることも大切なのではないかと.働き始めてから「留学しとけばなぁ」と思うこともあるでしょう.私のまわりには働き始めてから海外に行く機会を得ている友人もいるにはいますが,制約の少ない学生のうちの方が行きやすいですよねぇ.

記事の中で専門誌の編集者の「これからは語学力を磨き,異文化に対応できる力が重要」という言葉が紹介されていましたが,実際は目的なんてしっかりなくても,海外での経験で様々に成長できるでしょうし,なんだかんだ言わずとにかく行ってみるというので良いのかも.結局.
BLOGOSを訪れたところ,私の通っていた高校がタイトルに入った記事がありまして,しかも「○○高等学校の悲劇」なんてタイトルなものですから,愛校心がないわけでもない私としては,なんじゃなんじゃ何が起こった,と気になったわけです.

で,記事を読んでみると,がんばって高校で勉強してきた学生が大学に進学した後に,提供される講義内容に不満を抱き,母校に愚痴りに来ているとのことでした.
悲劇なんて書かれているから,学校の存続に関わったりするようなことかと思っていたのですが,そこまで深刻ではないようでちょっと安心しました.

しかし,せっかく希望を抱いて大学に進学したにもかかわらず,そこでの教育にがっかりしてしてしまうというのは大学で働く私としては他人事ではありません.記事では中堅私大に進学した学生にその傾向が強く,国立大学に進学した学生からはそうした声は少ないと書かれていました.これでまたちょっとほっとしたわけですが,それでも大学ごとに差はあるはずですから,手放しでは喜べません.我が母校に限らず,希望を抱いて大学進学を果たした学生のモチベーションを維持するために,我々教員も精進せねばなりません.

学生の間ではどう評価されているのかわかりませんが,金沢大学はけっこうがんばっている方ではないかと思います.東京にある我が母校からはちょっと遠いですが,興味があればぜひぜひ進学して頂きたいものです.
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