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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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ダムによらない治水対策を,ということで各地のダム事業の見直しが決定されましたが,本日国交省からダム事業に係る検討状況に関するお知らせがありました.各ダムにおける検討活動の詳細はこちら

24もの事業に関する資料が公開されていて,到底すべてを読むことはできませんでしたが,ちらっとみたところ,ダム事業を凍結して他の手法の組み合わせで河川事業を行うというのは,なかなか大変そうだなと思いました.

というのも,(少なくとも私がみたいくつかの事業では)既にかなりの段階まで事業が進んだりしていて,関係自治体・地方公共団体や住民も,ダム建設で行こうということで合意し,一刻も早い事業の進展を望む声が意外に多かったからです.

これは単に,公共事業で地域にお金を落とそうというわけではなく,むしろ新たな方針転換による工期延長に伴う負担増加や,地方などがこれまでに支払ってきた負担金が無駄になってしまう可能性などを懸念してのことのようです.また,ダムを受け入れ,それを生かした地域振興を考えている人たちにとっても,ようやく決まった方針がまた変わってしまうというのは,必ずしも望ましくないようです.いずれのダム事業においても,八ツ場ダムに関係してみられたような問題点がを抱えているように思えました.

中には,世界で問題となっている水不足に触れ,そうした中で水資源の豊かな日本の強みを伸ばすためにもダム事業は重要ではないかという意見もありました.また,最近話題のTPPとも絡めて,農業用水の確保の重要性も挙げられていました.地域の治水・利水にとどまらず世界の中での地域のあり方を考えるうえでも,河川行政をしっかりと議論することは不可欠なようです.

ダムによらない治水は,決して悪いものではないと思います.様々な手法を組み合わせて河川事業を行うことでリスクを分散化させることもできると思いますし,小さな経済的負担で治水・利水を実現できる可能性もあると思います.ただ,現在行われているような,進行形のダム事業を見直すというのは簡単ではないようです.

とはいえ,様々な手法を組み合わせて河川事業を実現できないかと考える姿勢を身に着けるには非常に重要な機会だと思います.仮に現在の見直しで,大きな変換に至らなかったとしても,今後新たな河川事業を計画するに当たっては,様々な選択肢の中から最適な組み合わせを探り,小さな負担で大きな効果を得られるよう深い議論がされるようになるのではないかと思います.

読んだ資料では,関係自治体・地方公共団体の長による集まりのものが多く,どちらかというと事業を進める側に立った意見が多かったように思いますが,そういった方々も完全にダムを使わなければどうなるのかということを試しに考えてみて頂ければと思います.解が出なかったとしても,多様な考え方があることの再認識にはつながると思います.
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