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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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先日紹介した吉川弘之氏のサイエンスポータルの記事で「開発の時代から持続性の時代へ」という表現があります.「持続可能な社会」というのはちょっと前から言われていることかと思いますが,個人的には,このことは資源を枯渇しないようにうまく使ったり,環境への負荷を軽減するような社会のことを指している,と捉えています.

資源とか環境というイメージが連想されると,そこからはなんとなく科学技術的な雰囲気が出てきたりしますが,本当に社会が変わるには科学技術だけでは足りないのではないかと思います.

いま日本は様々な変化が必要とされている状況にあり,「持続可能な社会」に向けて大きく舵を切るかどうかということが問われていることと思います.しかし,実際にその岐路に立たされ,それは単に技術的な課題だけでなく,人々がどう生きるかということも考えなくてはならないのではないかと感じます.

あるいは,課題の解決は技術によってしか成し得ないとしても,その技術が確立するまでどのように対峙するかについては,不便さに耐えたり,可能な範囲で工夫するといったことが求められるかもしれません.いま現在,一人一人にその力があるのかわかりませんし,必要であれば身に付けていかねばならないのかもしれません.技術的な向上に加え,人あるいは社会の成長,成熟によって課題に対峙することができるのではないかと思います.

科学技術の発展に加えて,人々と社会の成長を実現していく,両者を合わせて成熟した社会をつくっていくことがこれからの方向性ではないかと思います.開発の時代から成熟の時代へ,ということでしょうか.
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東日本大震災を受けて,科学者が,科学コミュニティが社会とどのように関わり,貢献していくべきかに関する科学技術振興機構 吉川弘之氏の記事が2回にわたったサイエンスポータルに公開中(こちら).

一回目の記事においては,今回のような危機に際して科学コミュニティから情報や提案を発信する際の確たる体制を整えることが重要であることが述べられています.個々の科学者による意見の相違があることは止むをえませんが,それによって社会に混乱をきたすことは誰しも望まないところです.しかし,今回の震災における科学的知見の収集とまとめはうまくいっているとはいえないことは,一般の人々も感じていることではないかと思います.

これに対して,「科学と社会の関係な未熟な状況が原因」としています.昨年の事業仕分けの際にも研究者による情報発信不足が指摘されましたが,その後も情報発信が重要視されたかというと,そうはいえないかもしれません.結局,自分たちの研究を社会に位置付けるという活動については怠っているといわれても仕方ないのかもしれません.

二回目の記事では,研究テーマの選定についても社会との関わりを重視するべきと主張されています.このことに関しては様々な意見があると思いますが,今回の震災を通して科学のあり方,研究者としての生き方を考えることは,結論はどうあれ自分たちの活動の意味を問い直し,位置付ける良いきっかけになるのではないかと思います.

中部電力が原子力発電所の停止を決定し,新たなエネルギー開発や,限られた電力で成り立つ社会を考える必要が生まれつつあります.こうした大きな社会の転換点において,科学の位置付けや役割にも転換が求められているかもしれないと問い直すことが必要ではないかと思います.
北極圏での衛星リモートセンシングに関する研究会のため東大まで.

震災後,初めて東京に行きましたが,報道等されているとおり駅構内や電車内は節電のため以前に比べて暗かったです.
暗いということはすぐにわかるのですが,その影響というのは意識しないとわからないと感じたのは,様々な案内板です.駅の出口や乗り換え案内など,中に蛍光灯が仕込まれているものも多いと思いますが,普段は何気なく認識し理解しているのが,電気が消えていると視認性が低く,すぐには目に入ってこないものなんですねぇ.無意識のうちに頼りにしていたことを実感しました.

研究会では,マイクロ波放射計による積雪と雲水の推定に関する報告と議論がなされまして.非常に面白かったです.その反面,自分が議論に入っていけないのが残念で仕方ありませんでした.早く勉強せねば,と思いを新たにしました.

帰りの新幹線で何気なく車内アナウンスを聴いていたのですが,英語のアナウンスが以前に比べて英語らしくなったような感じがしました.何というか,汚い感じ.日本人にとっては聞きづらいと思いますが,より自然な感じがしました.が,気のせいかもしれません.
今回の原発事故が起きた背景には,個々あるいは部分部分の技術は最高のレベルのものにも関わらず全体を見通すことができないがために避けられなかったのではないかという考察がサイエンスポータルにて紹介されています(こちら).

個別の改善・改良を進める部分最適化が進行しすぎると,全体として非効率になり得ることがある,ということから上記のような考察に至っているわけですが,日本では部分最適化を進める傾向があるようで,社会としての非効率にもそうしたことが影響していると指摘しています.

一部分だけが成果を出しても,共同すべき他との歩調が合わなければ無駄がでるので,早く進んでいるところはさぼったりすれば全体として最適化が図られるということがあるようです.と考えると,日本人の勤勉さや真面目さといったものも関係しているのかなぁとも思ったりします.

部分最適が進められる日本に対して,全体最適化が図られている地域として北欧が触れられており,大和総研の高橋正明氏のコラムも紹介されていて,こちらもなかなか面白いです.

もちろん努力は必要なわけですが,時として無駄な努力はしないほうが全体としてはうまくいくということがあることを知る,あるいは考えるということも必要なのかもしれません.少なくとも,何事かにおいて全体を統括する立場にある人には,そうした考え方があることを知っておく必要があるのではないかと思いました.
JAXAの地球観測衛星「だいち」(=ALOS)が地上からの制御不能になったとのこと.産経新聞にて.
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、国内外の大規模災害で被災状況把握などに大きく貢献してきた世界最大級の地球観測衛星「だいち」に電力系統のトラブルが起こり、地上から制御不能になったと発表した。平成18年1月に打ち上げられただいちは、設計寿命3年、目標寿命5年とされ、現在は運用6年目だった。(MSN産経ニュースより)
設計寿命を超え,目標寿命より長くその役割を果たしたということで,お疲れ様というところでしょうか.

私も衛星観測データを使って研究に取り組んでいますが,ALOSのデータは使ったことがなく,関連研究なども詳しくないのですが,様々な成果が得られたのではないかと思います.

その一方で,ALOSによる観測情報がどのくらい社会に貢献したのかということが気になります.科学の発展に貢献したという見方もあるかもしれませんが,災害監視というのがひとつの目的であった衛星がリアルタイムでどう役立てられたのか,ということも大切だと思います.

そう考えると,自分の研究も「いずれ役に立つ」という視点ばかりでなく,少しでも早く実用に生かされるように,ということを考えて進めるべきではないかとも思います.今まではあまり意識しなかったことですが,そういう気持ちを少しでも持っていると,何か変わるのではないかという気もします.
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