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新政権下での新たな産業分野への投資と,今回の規制とが相乗効果を生む可能性に期待したいです.米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は18日、米環境保護局(EPA)が二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの規制を始める方針だと報じた。オバマ政権が旧ブッシュ政権の環境政策を転換するもので、運輸、建設、電力といった産業に大きな影響が出るとみられる。(asahi.comより)
上記の記事によって,どのくらいの法的拘束力が生じるのかわかりませんが,厳しい環境基準の設定とその順守が義務化されれば,当然技術革新が必要でしょうし,開発のための研究活動や新しい機器の生産などによって雇用が創出されれば,それがひとつの理想形として世界にも広がるかもしれません.
そうしたことはこれまでも言われてきたのかもしれませんが,わざわざ環境分野の産業に転職しなくとも他の仕事があったときには真剣に考えられなかったのではないかと思います.これまでの産業が弱体化している現在,国家が環境技術であれば予算を出すとなれば,産業も自然とそちらに向かうのではないかと思います.経済危機で苦しんでいる方々からすれば,そんな余裕のある話ではないのかもしれませんが,この苦境の中でこそ生まれ得る良いものがあれば,その可能性を開くべきだと思います.
石川県では,現在の不況に対して,これまで慢性的に人手不足だった林業からの求人を出しているといったニュースが何度かありましたが,それが成功し,今後森林保全がきちんとなされるようになればと思います.
この米国の方針転換が他の国々に果たして影響を与えるのかどうかわかりませんが,仮に経済的に有利だという理由からであっても,環境技術の分野に投資がなされ,開発が進むことは悪いことではないと思います.
大国の持つ影響は望むと望まないとに関わらず大きいのは止むを得ません.であれば,良い影響を及ぼしてくれることを期待したいです.
このごろ,東京の空撮画像をみたりすると改めて東京は広い街だと感じるようになりました.東京というか,関東平野といった方が良いのかもしれませんが.どこまでいっても絶えない街の様子をみていると圧倒されます.
金沢での私の住まいのすぐ南が山で,車で北へ少し行けば海まで簡単に着いてしまうという現在の地理的状況が,関東平野の広さを余計に感じさせるのかもしれません.
一昨夜も,テレビで東京の空撮画像をみました.ご覧になった方もいるかもしれませんが,NHK「沸騰都市」の最終回です.
相変わらず建物が続いているなぁなんて考えながらぼーっとみていましたが,番組の要旨は東京の開発はまだまだ続くということのようでした.
隙間なく開発された東京は,現在高層化と地下開発によって新たな空間を生み出そうとしているようで,この流れは止まらないのだなぁという印象を受けました.
森ビルの社長さんが出てきて,高層ビルを眺めながら「こういうのが立ち並ばないといけないんだよ」と言っていました.開発には反対意見もあると思いますが,昨日の番組ではそうしたことは紹介されていませんでした.東京に関しては,社長の意見は非難されるべきものではなく,多くの人々のニーズを捉えているものなのかもしれません.
環境への意識が高まっているとはいえ,東京に関してはそれ以上に開発の要望が高いというのが実情のように思いました.
一瞬画面に映った開発計画の模型では,高層ビルの横に街路樹が植えられ,自然を取り込んでいる印象を与えていましたが,面積や空間の割合からいえばごくわずかなもので,部屋にかざられた観葉植物程度の存在でしかないようにみえました.東京での開発に付随する自然環境の整備とは,多少なりとも安らぎを感じたいという人間のための自然であって,自然のための自然ではないのだと感じました.
自然共生型のまちづくりのようなことが言われたりしていますが,残念ながら東京ではその考えは成立しないように思います.
自然共生を実現するならば,これまでの開発やものづくりとは異なる価値観が必要になると思いますが,東京が持つ発展のベクトルからそれは生まれてこないでしょう.
東京を真の自然共生都市にするためには真逆,とまではいかないまでも大胆な方向転換が不可欠ですが,多くの人々は東京にそれを望んではいないように思います.
東京のベクトルは,もはや誰か或いは一部の人々によって計画され得るものではなくなっていると思います.東京のまちづくりにおいては,いくらかの広がりをもった地域に対して理想を論じることは難しいかもしれません.今後の東京の変容は要素の入れ替えによるマイナーチェンジによってしかなされ得ず,今の方向のままなるようになるのではないかと思います.
都市工学に携わる私の友人は地方に出たいと言っていました(彼は現在東京で働いています).
彼がなぜそのように言うのかわかりませんが,もしかすると東京のような大都市においては理念や理想を掲げたまちづくりは難しいということに気づいていたからなのかもしれません.
かといって東京が無計画に開発されて良いというものではありません.高層化,地下開発という高度化の方針を維持しつつ,多少なりとも環境への負荷がない開発を行うよう管理する必要はあるでしょう.
また,地域づくりではなく,国土づくりの上ではその機能は十分に考慮され,計画される必要があります.大都市以外での自然共生型都市づくりというものが進められるとすれば,それらの地域が持たない機能を東京が担うことが期待されます.そのときに求められるのは,さらなる高度利用かもしれません.
「沸騰都市」ではリニア新幹線の話も出てきましたが,国土において機能を分散しつつそれらを有機的に働かせるためには,そのつながりが密である必要があります.少なくとも時間的に近接している必要があるということです.そうしたインフラが整備されれば,仮に東京が映画「Fifth Element」のような都市になったとしても,短時間でアクセス可能な自然豊かな周辺地域が存在するという国土におけるバランスは保たれるということになるのかもしれません.
長くまとまりのない文章になりましたが,今日はこの辺で.
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