社会のための科学

研究や科学技術を取り巻く状況について，東京工業大学・中島秀人教授の記事．サイエンスポータルにて．

記事の中では，「科学には『知識』『平和』『開発』のための科学に加えて，社会のための科学がある」といったことや，「科学技術が受け入れられないことについて『社会が無理解だ』とばかり考えるべきではない」ということなど，様々なことが書かれていますが，（記事のタイトルにもなっているように）予算配分の工夫ということが主要な主張です．

現在，研究予算の配分では独自性や新規性などが重視され（もちろん実現可能性もですが），成果の評価には発表論文数が重視されます．
しかし，中島教授が指摘しているように，社会に有用な科学の中には既往の知見や技術の組み合わせによって生まれるものもあり，こうした活動は現在の予算配分・評価手法にはそぐわない可能性もあります．

最近は，産学連携を推進するような予算や，社会実装を目指す研究助成なども増えていますが，募集の際にテーマが限定的なものが多いようにも思います．多くの分野で社会に役立つ科学を推進するには，科研費のような予算でも，社会実装の可能性といった点を加味した評価も必要なのかもしれません．

さて，私の研究はというと，社会のための科学なのかどうか．
とりあえずは，そうした点を顧みることも大切，ということを忘れずにいましょう．

特に何もありませんが

前回の記事から2ヶ月が過ぎてしまいました．
今年度から始まった講義があったり，卒論・修論が詰めの時期に来ていたりと，バタバタでしたが，ぼちぼち更新再開しようかしらと考えております．

だからといって，本日は特に書くこともないのですが，とにかく更新しておこうかなと思ってみました．

今までもそうでしたが，がんばらず，ささっと更新を目指したいと思います．

2012 AGU Fall Meeting 3日目

サンフランシスコは朝からあいにくの雨模様．
ちょっと昨日・一昨日と天気は良かったんですけどね．自

分の発表は終えたので，あとは興味のある話を聴くくらいですが，こういうのは往々にして時間がかぶるものでして．どれを優先するか悩ましいですが，案外発表というのはざっくりしているものだったりするので，もし詳しく勉強しようと思ったら後ほどしっかり論文などを読まなければならないので，そういう意味では自分がよく知らなかったり面白いのかどうか良くわからない方を聴いてみるのが得策なのかもしれません．
自分にとって必要な話題はいずれ勉強しなくてはならなくなりますから．

で，午前中はもっぱらポスターを眺めて終わってしまいました．
いくつか気になるポスターもあったものの，発表者の方がいなかったり「午後来ます」と書いてあったり（午後行けば良いのですが，それはそれで他に聴きたいものがあったりするわけです）．

午後は先ほどの方針に従って，良くわからないものを優先するということで発表を聴きました．良くわからないので理解は十分にできませんが昨日と同様自分にとっては全く新しいことなので，ほうほう，と面白く聴くことができました．この先は自分で学んだら，今度は色々疑問が生じてこなくてはならないわけですな．夜

は，昨日従兄に教わった味千ラーメンへ．
サンフランシスコには6回目くらいですが，味千ラーメンがあるとは知りませんでした．海外で日本食を食べることはあまりないのですが，熊本出身の従兄が「これが熊本ラーメンよ」とお墨付きを与えるくらいですから，味は本物です．味千ラーメンと餃子を頂きましたが，どちらもおいしかったです．
バンクーバーに行ったときに日本にあるラーメン屋があったので入ったのですが，そちらは正直おいしくありませんでした．サンフランシスコの味千ラーメンは大丈夫ですよ．
アメリカですから当然アメリカ人の集団がラーメン屋でだべってたりするわけですが，なんか変な感じですねぇ．日本人もどこかではそんなふうに思われているのかもしれませんが．

ということで3日目も終了．明日は帰国です．

2012 AGU Fall Meeting 2日目

AGU Fall Meeting 2日目．
昨夜は相当眠くて，すぐに眠りにつきましたが，逆に夜中に目が覚めまして．まぁ良いんですけど．

本日午後にポスター発表があったので，朝一でその準備に行って，その後，昨日と同じく海洋分野の発表を聴きに．
昨日は衛星データ活用の話題で，これまでの私の経験などが活かせるかなぁと思いながら聴いて，今日は海面上昇の話題．
気象と関連のある高潮の話題もあって，勉強になったのですが，ツバルとかの話題はちょっと自分には応用できないかなぁというのが正直なところでした．

午後はポスター発表．深いところまで説明するのはなかなかできず，私がどんなところで悩んでいて，それに対するコメントをいただいたりするのは難しいのですが，案外面白がってくれるとモチベーションがあがります．もちろん批判的な意見でもありがたいのですが，いずれにしても誰かにコメントをもらうという機会がないとダメだなと感じました．もっと身近なところでそいういう機会を増やすようにせねばなりませんな．

夜は，サバティカルでUC Berkeleyに滞在中の従兄と夕食へ．
従兄といっても生まれて初めて会う方で，お互いに面識はなかったのですが，せっかくの機会なので，といことで．
これまで海外に出ることは考えていなかったものの，色々とタイミングが良かったので思い切って来たとそうですが，とても楽しく過ごしているようでした．あまり深いこと考えなくても，機会があれば活用するべきだよ，と．私は，何のために海外に行くのかと考えてしまう方なのですが，気にせずとりあえず行くってことで良いようです．
初対面でしたが話しやすく，とても楽しく過ごせました．これをきっかけに交流が続き，日本でもお会いできればと思います．

ということで，2日目終了．色々考えるきっかけを得た一日だったかと思います．

2012 AGU Fall Meeting 1日目

今年もAGU Fall Meetingに参加．サンフランシスコへ．

東京経由で成田まで移動しましたが，今回初めて成田スカイアクセスというのを利用しました．どちらかというとマイナーな駅での乗り換えで，果たして大丈夫なのだろうかと思ったりもしましたが，問題なくいけました．移動時間も短くて，しかも運賃も安いので，これからはこちらを使おうかと思います．

成田空港につくと，おまわりさんがわらわらと集まっていまして，何事かと思っていると人払いをしてから立ち入り禁止のテープを張ったりと何やら不穏な空気．利用者には特に説明もありませんでしたが，あとから不審な荷物があるというアナウンスが流れていました．英語でのアナウンスがあったかどうかはわかりません．現場で下手に周知すると混乱を招いたりということもあったりするんでしょうか．良くわかりませんが，ちぃっとは説明があっても良いのではと感じました．

成田からサンフランシスコへはANAを利用しましたが，座席の間隔がだいぶゆったりな感じがしました．もちろんビジネスクラスなんかにはかないませんが，だいぶ過ごしやすかったです．

サンフランシスコは天気も良く，日本に比べると暖かかったです．
で，ホテルにチェックインを済ませて会場へ．
学会の詳細は来る前には既にウェブページで公開されていたようですが，11月中はバタバタでろくにチェックもできず，とりあえず着いてから，どこでどんな発表があるのかを調べる始末です．もっと事前準備をすれば，より有意義に過ごせるのだろうと思いますが，なかなか難しいです．正直言って．

私の所属している研究室は海岸分野を得意としているので，私もそちらに取り組んでみようかと考えておりまして，今回はその方面の発表を聴いてみようかと．
その分野ではどうなのかわかりませんが，門外漢の私には何でも新しいことなので，勉強になりました．ただ，いかんせん後追いになるので，多少なりとも新規性のある研究にできるのかということを考えねばなりませんな．

機内であまり眠れなかったせいか，時差のせいか，夕方にはすっかり眠くなって，発表を聴きながら相当舟をこいでいたはずです．普段はあまりそういうことはないのですが．

とりあえず初日は無事移動して，ちょっとは勉強にもなったのでよしということで．