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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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18日の閣議で新成長戦略というのが決定されたらしく,その中では科学に関しても触れられているとのこと(サイエンスポータルより).

サイエンスポータルに掲載されているのはまとめ記事だと思うので,詳細は首相官邸から出されているプレスリリースを読んだ方が良いのだと思いますが,「科学・技術・情報通信立国」という項で,「特定分野で世界トップ50に入る研究・教育拠点を100以上構築」「優れた外国人研究者数を3倍」「海外長期派遣日本人研究者数を2倍」などが2020年までの目標とされているとのこと.

「世界トップ50に入る」と言っているのは誰だか知りませんが,実際に研究に取り組むのは個々の研究者やグループなので,結局その人達の成長や優れた研究環境の有無にかかってくるように思います.言ってるだけでは達成できませんから.となると,どうやって研究者を成長させ,研究環境の充実を図るかというところまで落としこまないといけないですね.新成長戦略にはそこまで書かれているのかな.

外国人研究者や海外派遣の増加はその達成のためのひとつの手段かもしれませんね.私は海外での研究経験がないので,この戦略にのっけてもらって長期滞在する機会が頂けたりすると良いなぁなんて思ったりもするわけですが.2020年までであれば,そんなに年寄りにもなっていないし(さほど若くもありませんが),まだ成長する可能性もあると思いますんで.

まぁ研究者を取り巻く環境が変わっても,そういうのはなかなか直接関わってくることはないかなぁという感じもしますし,ふーんくらいに思っていた方が良いでしょうね.
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東大にてCRESTの研究グループ打ち合わせ.
私がメンバーとなっているのは東大の古米先生が代表の研究課題で,その中では私のような地球環境系の研究者から水に関する心理プロセスに取り組んでいる方までいて,水利用をかなり広範にカバーしています(参考:H21CREST採択課題ウェブサイト).
その課題の中で,私は流域水資源グループにわけられていて,今日はそのグループと地下水利用グループとの打ち合わせ.

昨年10月からのプロジェクトで,これから本格始動するにあたりグループごとの連携をどうするかということを議論しました.流域水資源Gでは私が温暖化実験結果のダウンスケーリングを進め,それによって河川流量がどう変化するか,水資源への影響はどうなるか,ということで表流水を扱い,地下水は文字通り地下水の変動等を扱います.これらがどうつながるか,どう連携するかを模索し議論したのですが,基本的には地下水というのは単年度的な大雨や渇水のメモリーを記憶しないそうで,たとえば両者をモデルでつなぐようなことをしてもすぐさま応答がみえるかは難しいとのこと.

また,対象流域の特性から,地表面に降った降水がどこでも涵養に効果をもつわけではなく,台地から平地につながる扇状地の部分が効く可能性があり,そうした地域での降水や水フラックスを調べるのは意味があるかもということ.
あとは,両者の物理的な側面に焦点をあてるのではなく,水利用デザインの面から両者の関係を論じてはどうかということに.

流域水資源Gでの打ち合わせでは,私のダウンスケーリング結果をどのようにグループ内で共有するかということと,それに基づく水文モデル,湖沼モデルのモデリングや研究方針について議論.まだ議論したに過ぎませんが,作業というか動きの具体像がイメージできると研究がうまくいくんじゃないかという気になってきますな.もちろんそう簡単にはいかないところもありますが.

グループとはいえ今まで実際の協働がなかったものが,これからは実際の作業やデータのやり取り,議論を通じて本物になっていきそうな感じです.まだこれから5年近く続くプロジェクトですんで,どこまで深まり何が出てくるか,楽しみです.
 

我らが金沢大学のウェブサイトのトップページのお知らせに「自然科学研究科HPビデオChnnelをリニューアルしました」とあったのでアクセスしてみると,各専攻の教員による研究紹介などがみられるようになっていました(!)

リニューアル前のものを知らないので,サイトのデザインだけ変わったのか,あるいは内容も新しいものなのかわかりませんが,大学でどんなことを研究しているのか,あるいは勉強できるのかを知りたい方々には多少は役に立つのかなぁと思います.

私のボスのビデオもあったのでちらっと見ましたが,なんか硬いなぁという印象でした.大学の事務局とかからそういう指示が出てたりするのかな.ビデオも講義というか講演を録画したものみたいな感じで,残念ながらあんまり魅力的ではないような・・・まぁ他の先生のビデオは見ていないので,なかには「面白そう!」と思えるものもあるのかもしれません.あると信じましょう.

ということで,金沢大学自然科学研究科に関心をお持ちの方は是非ご覧ください.
WRFによるダウンスケーリング,そろそろ目途がついたかと思っていましたが,結果を詳しくみてみると様々な課題が.

とりあえず30日ランを実施していますが,数日程度であれば悪くない大気場が再現されるものの,日を追うごとに東南アジアあたりが乾燥してきまして,最終的には東アジアが全体的に乾燥傾向に.どうやら熱帯からの水蒸気供給が少ないのと,その影響が上層ほど大きいというのが原因のよう.どうにか解決できるのかどうか.

対象地域はアジア,最終的には関東地方.今は7月を対象にしていて,実際の降水量には台風が効いているものの,シミュレーションでは必ずしも実際の経路とは異なるため,なかなかばっちりの再現にはいたらず.長めのランは難しいです.まぁその辺は結果の使い方や解釈を工夫することでどうにかすることになるでしょうなぁ.

いずれにせよ太平洋が広く乾燥傾向になってしまうのはまずいわけで.今は2000年を対象にしているので,他の年で実験してどうなるかみてみようかな.できればいずれの年でも問題なく高い再現性を得たいですが.
2010年版「科学技術白書」が閣議決定され,その中で若手人材をめぐる厳しい現状について触れられているとのこと.asahi.comより.
2010年版の「科学技術白書」(科学技術の振興に関する年次報告)が15日、閣議決定され、若手人材をめぐる厳しい現状に警鐘を鳴らした。

 白書によると、自然科学系の博士課程への進学者数(09年は約1万1千人)が03年以降、減っている。米国で博士号を取得する日本人研究者の数も中国や韓国、インドに大きく水をあけられている。博士号取得者の進路調査で約2割が「不明」となるなど、厳しい状況にも触れ「博士の知恵を社会全体で享受できる未来社会のため、大学・産業界・行政を含めて総掛かりで取り組む必要がある」とした。 (asahi.comより)

博士課程進学者の減少は,大学を研究の場とする私たちにとっても戦力不足となるため痛手ですが,それ以上に博士号取得者約2割の進路が不明というのは深刻だと思います.

博士課程修了後は,専門性の高い職に就くことが考えられますが,そこを選択する人々が減少しているということは,専門性の高い職に就くということに魅力がないからなのでしょうか.私は研究という仕事を面白いと思っていますが,面白そうだからというだけではなかなか将来は決められないという意見もわかります.一生を左右しかねない選択ですから,職業として安定しているのか,収入は十分に得られるのかという現実的な観点も必要です.最近何かの記事で読んだのですが,バスの運転手の年収が1500万円という時期もあったらしく,地方公務員の平均年収は,色々な手当てを含めると1000万円位になるとか,そんなことを聞くとがんばって勉強して研究者になるのもバカバカしくなる気持ちもわかります.

一般の方々にとっては大きな問題ではないかもしれませんが,もし国が科学技術の発展によって世界との競争力を高めていこうと考えているのであれば,優秀な人材を研究者として育てていくことが不可欠ですし,そのためには,職業としての魅力を高める必要があります.「好きなことをしてお金をもらえるのだから,収入は低くても良いだろう」という状況では,もっと稼げる職業を選ぶという優秀な人材も少なくないはずです.
もちろん研究者の給与を一律上げるなんてこともバカな話で,能力に応じた報酬が得られるという制度をしっかりと確立する必要がありますが.

まぁ現在は博士号をとった後に職があるかどうか,なんてことが言われているくらいなので,給料を高くしろなんてことは二の次かもしれませんが.また,独法化後,大学の運営費が減らされ,事業仕分けでも科学技術関連予算が減らされようとしている時期に給与が上がるなんてことはまずないとは思いますし.それでも,いずれはそうしたことも視野に入れるべきではないかと思います.
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