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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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2010年版「科学技術白書」が閣議決定され,その中で若手人材をめぐる厳しい現状について触れられているとのこと.asahi.comより.
2010年版の「科学技術白書」(科学技術の振興に関する年次報告)が15日、閣議決定され、若手人材をめぐる厳しい現状に警鐘を鳴らした。

 白書によると、自然科学系の博士課程への進学者数(09年は約1万1千人)が03年以降、減っている。米国で博士号を取得する日本人研究者の数も中国や韓国、インドに大きく水をあけられている。博士号取得者の進路調査で約2割が「不明」となるなど、厳しい状況にも触れ「博士の知恵を社会全体で享受できる未来社会のため、大学・産業界・行政を含めて総掛かりで取り組む必要がある」とした。 (asahi.comより)

博士課程進学者の減少は,大学を研究の場とする私たちにとっても戦力不足となるため痛手ですが,それ以上に博士号取得者約2割の進路が不明というのは深刻だと思います.

博士課程修了後は,専門性の高い職に就くことが考えられますが,そこを選択する人々が減少しているということは,専門性の高い職に就くということに魅力がないからなのでしょうか.私は研究という仕事を面白いと思っていますが,面白そうだからというだけではなかなか将来は決められないという意見もわかります.一生を左右しかねない選択ですから,職業として安定しているのか,収入は十分に得られるのかという現実的な観点も必要です.最近何かの記事で読んだのですが,バスの運転手の年収が1500万円という時期もあったらしく,地方公務員の平均年収は,色々な手当てを含めると1000万円位になるとか,そんなことを聞くとがんばって勉強して研究者になるのもバカバカしくなる気持ちもわかります.

一般の方々にとっては大きな問題ではないかもしれませんが,もし国が科学技術の発展によって世界との競争力を高めていこうと考えているのであれば,優秀な人材を研究者として育てていくことが不可欠ですし,そのためには,職業としての魅力を高める必要があります.「好きなことをしてお金をもらえるのだから,収入は低くても良いだろう」という状況では,もっと稼げる職業を選ぶという優秀な人材も少なくないはずです.
もちろん研究者の給与を一律上げるなんてこともバカな話で,能力に応じた報酬が得られるという制度をしっかりと確立する必要がありますが.

まぁ現在は博士号をとった後に職があるかどうか,なんてことが言われているくらいなので,給料を高くしろなんてことは二の次かもしれませんが.また,独法化後,大学の運営費が減らされ,事業仕分けでも科学技術関連予算が減らされようとしている時期に給与が上がるなんてことはまずないとは思いますし.それでも,いずれはそうしたことも視野に入れるべきではないかと思います.
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