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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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JRA25+NCEP FNLで作成した初期値・境界条件でWRFを動かすことには成功したものの,再現性という意味ではさっぱりでして.
とりあえず雲微物理と積雲対流スキームを様々に組み合わせて一か月分のRunを繰り返しては確認し,ということをしてみたものの,海洋上の降水が全然発生しないわけです.

海面水温の与え方か?と確認したところ,初期値のままで更新されず,比較的長期のランにも関わらず更新されないのはいかんだろう,と更新されるようにしたものの,今度は海洋上の降水が異常に過大評価となりまして.「???」という感じで詳しくみたところ,もともと初期値作成の際に使っているJRA25の海面水温(wtmpsfc)がどうやらおかしいようで.日周変化が非常に大きく,毎日12UTCには太平洋の海面水温が320Kを超えるような感じでして.明らかにおかしいと思いますが,これは気象庁の方とかご存知なのかしら.もし既知のことであれば,JRA25のウェブサイトに注意書きとか欲しいところです.

JRA25では海面水温を計算していないので,入力データだろうと高をくくっていたのが裏目に出ました.よくわかりませんが,謎の値が入っているようです.放射や気温などから推定しているのかな?詳しくみていませんが,最初に与えていた海面水温ももしかすると過小評価で,そのせいで対流が立たなかったりしたのかも.

ということで,海面水温は他のデータを用いなければなりません.データを取得して,処理スクリプトの作り直しっす.
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昨年から取り組んでいる温暖化実験結果のWRFによる力学的ダウンスケーリングですが,色々と考えるところがあって,まずはJRA25を用いての現在気候のダウンスケーリングから行うことに.
WRFはNCEP FNLを初期値・境界条件に使えば比較的容易に動くのですが,対象がアジア域なので,ちょっとでも良さそうなJRA25を使います.前に試しにJRA25でWRFを走らせたのですが,今回は諸々の制約条件でデータの前処理を別の方法で行わねばなりません.

これまでの温暖化実験データでWRFを走らせた経験が大いに役立ちましたが,なかなか一筋縄ではいかず.今回は土壌水分と土壌温度の予測も行う必要があり,WRFで使えるモデルを動かすためにはJRA25による陸面データではダメで,NCEP FNLの陸面データとマージさせます.あんまり考えなければ,他の方が解説されているようなWRF標準のWPSを用いる方法で動かせるのですが,後で温暖化実験データも組み合わせる予定で,その段階ではお手製の処理が必要で,各種ツールや自前のプログラムで処理.

ちょっとずつデータを作っていって,入力データ作成の最終段階でどうもうまくいきませんで.それはもう色々と試してみましたが,なかなかダメで.
他にも取り組んでいることがあるので,明日以降にしようかなぁと思ったりしましたが,しつこく確認していたら,ようやくミスを発見.プログラム中の二重ループで使っている変数が逆だったんですねー.あまりにも初歩的なミスでしたが,まぁ解決したので良しです.もしかするとややこしいデータ処理をしなくてはいけないかなぁと思っていたのに比べればなんてことはありません.

ということでWRF+JRA25+NCEP FNLでのダウンスケーリングもとりあえず動きました.けっこうマニアックなWRFの使い方もできる感じになってきました.まだ結果の確認はしていないので,計算結果が妥当かどうかわかりませんが,それは明日に.きちんと動いていれば良いんだけど.
「今後の治水対策のあり方」への一般の方々からの意見が国交省から公開されました(こちら).

記述式の意見募集だったため,まとめて集計しグラフ化されたものなどではなく,意見を送った方々の文章そのままがPDF化されたもので,意見の数も400を超えるということで,ちょっとみるというわけにはいきませんでしたが,最初の数十の意見を読んでみました.

意見を送った方々のバックグラウンドも多様であれば,視点も様々ですし,同じ視点でも意見は様々でした.それこそ一人一人の生活に基づいた意見も多く,住んでいる地域や置かれている現状ごとに全く異なる治水観,環境観を持っていて,これを読み,全てに応える対策は不可能であろうと思いました.

というより,これらの意見から,河川行政は河川・流域・地域ごとに異なって然るべきであるということを再認識した感じでした.全国一律の方策ではなく,それぞれの特性を考慮することが,一般の方々からも求められていることであり,行政はそれに応えなければならないと思います.

その実現のためには,議論はもちろん不可欠ですが,議論の結果を実際の行政に反映させるための仕組みが必要となります.場合によっては省庁間,自治体間の連携・協働が必要となることも十分考えられ,それを可能とする法制度の整備などが必要となってきます.最初にあらゆるケースを想定して,それが可能となる仕組みを作るのは難しいでしょうから,必要に応じてその都度迅速に制度整備を進めるか,あるいは非常にゆるい枠組みとするなど,大胆な変革が必要かもしれません.

意見の中には,「それは実現できないなぁ」「ちょっと的外れでは」というものもありましたが,多くの意見は知識や考え方もしっかりしたものという印象を受けました.そうした方々の要望に迅速に応えられるように,行政だけでなく立法府にいる方々にも努力してもらいたいものです.
今年度新たに観測機器を導入予定でありまして,能登半島は珠洲にある「里山里海自然学校」に設置を予定しております.機器の選定やメーカーとの打ち合わせは進めているものの,実は現地を確認しておりませんで.既に金沢大学のグループでは多くの観測機材を設置しているので,そちらの方々に間借りさせて頂くことになって,本日は集中観測をしているということでそのついでに現地をみせて頂きました.

金沢に越してきてから1年半ちょっと経つものの能登のほうには行ったことがなかったので,どんなところか見当もつかなかったですが,正直びっくりしました.金沢から穴水というところまでは能登有料道路で,金沢を出て少しの間は海沿いを走って,その後は山の中を行きますが,想像以上に豊かな表情を見せてくれました.途中から眺める景色は,一面森が広がった樹海のようであったり,里山という言葉がぴったりの人と自然の共生を感じさせるものであったり,集落は昔ながらの立派な家屋が多かったり,クルマで走るだけでも楽しいものでした.

肝心の観測地点は能登半島の端っこにある珠洲の小泊というところで,廃校になった小学校を改装したものです.一階は里山里海自然学校の事務局で,2階は能登里山マイスターという事業の事務局,3階が観測作業に割り当てられていました.
今まで何度か現地観測の経験はあるものの,どこも仮小屋のようなもので,今回はかなり立派な施設という感じです.ここを大気観測のスーパーサイトとして整備中ということで,これからも多くの研究者の利用があれば,ちょっとしたメッカになってもおかしくないのではと思いました.

本日は天候も良く,係留気球によるエアロゾル観測を行っていて,NHKと地元のテレビ局が取材に来ていました.いつ放映かはわかりませんが(既に終わっているかも),活動が広く紹介されるのは喜ばしいですね.私の観測もいずれ仲間にいれてもらえればと思いますが.

帰りは能登半島の北側をぐるっとまわって輪島を通って.こちらは終始海沿いを走りますが,天気も良かったのですばらしい景色を満喫できました.途中,夕暮れ時の千枚田をみることもでき,日本の風景を見たような気がします.こちらの道は「奥能登絶景街道」と銘打ってあるのですが,その名に違わぬ景色を楽しむことができました.

金沢も良いところですが,能登も素晴らしいところです.ただ,それはあくまで通り過ぎる者の視点によるものでしかありませんから,途中の集落では過疎や農村・漁村の荒廃を思わせるものもありましたし,実際に暮らす人々は多くの課題を抱えているだろうと思います.今の姿を保って欲しいと思う反面,そのためには誰かがしっかりと努力する必要があるということもまぎれもない事実であろうと思います.
我らが金沢大学で開発された観測装置がJAXAの衛星に搭載され打ち上げられとのこと.ふるさとメディア・北國新聞より.
金大理工学域の宇宙物理学研究室が開発した観測装置が18日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の人工衛星に搭載され、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットで打ち上げられる。宇宙で最大の爆発とされる「ガンマ線バースト」の光の振動方向を世界で初めて本格的に測定する。ガンマ線バースト発生のメカニズムは宇宙の起源を解く手掛かりになるとされ、金大発の装置が「目」となり、謎に迫る。(北國新聞より)
搭載される衛星はIKAROSという太陽光圧を推進力にする世界初の人工衛星だそうです.詳しいことは良く分かりませんが,ガンマ線バーストの仕組みがわかると宇宙誕生のなぞの解明に一歩近づくそうです.

最近はまいど1号とか,その後継センサの打ち上げなどが話題となっていましたが,とうとう金沢大学も宇宙へ飛び出します.まぁ衛星自体ではなく,間借りしてセンサーを載せるということにはなりますが,かなり本格的な観測装置のようですし.これを機にそちらの分野が強くなったりするかもしれませんねぇ.
今月10日には「フレスコ壁画研究センター」というのも解説されましたし(関連記事),金沢大学の看板が増えることは喜ばしいです.こうした活動が広く知られるようになって,全国区の大学としての地位確立につながればと思います.

打ち上げは18日で,観測は6月下旬からとのこと.無事打ちあがって,正常な動作によって素晴らしい成果をもたらしてくれることを期待しましょう.
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