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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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3月10日~12日,コペンハーゲンで気候変動に関する国際会議が開催されたそうです(EICネットより).その時の出席者の方々の発言がNatureに紹介されていました(Natureより).

ドイツの方は「アメリカ科学アカデミーがCO2による温暖化への警鐘を鳴らしてから30年が経つというのに,政治家や一般の人々の間には緊急事態であるという意識が芽生えない」と発言し,イギリスの方も「政治家はどれだけの困難が生じるか理解しているのだろうか?私はそうは思わない」と発言されたようでした(私の英語力がひどくなければですが・・・).

いずれも研究コミュニティからの警鐘に対して,政治あるいは社会のアクションが遅いという批判です.日本では,レジ袋をもらわないとかテレビCMでも自然環境への配慮をアピールするものが増えて来て,少しずつではありますが,しっかりと人々の中に意識が根付いているように思いますが,抜本的な解決への変化をもたらし得る国レベルでの決定やアクションというのはみられません.環境を考慮した国づくりを行うとなれば,大きな構造の変化が伴うと思いますし,影響範囲も大きいので簡単にはあれこれ言えないと思いますが,果たして考えているのかどうかすら伝わってきません.政党同士が揚げ足取り合戦をしているようでは,期待は持てませんが.

研究コミュニティからの発言がさほど力を持たないというのも一つの問題かもしれません.以前,日本では研究者は言いっぱなしで責任を持たないから発言に重みがないという話を聞いたことがあります.言うだけいって,実際に動くのは行政となれば,意見を聴く方も「好き勝手おっしゃるのは簡単ですが」となるのも止むを得ないと思います.
その時に米国では研究者の発言は,それなりに影響力があるという話も聞きましたが,こと温暖化のことに関しては影響も大きく,及ぶ範囲も広いので,提言をすんなり政策などに反映できず,今回の記事のような発言につながったのでしょう,

とはいえ,研究者としては正しい意見は社会に反映して欲しいと願っているはずでしょうし,そうならないことはもどかしいと思います.自分の取り組んでいることが多少なりとも社会を良くすることに貢献する仕組みがしっかりできれば,研究者もより社会に向けて責任ある発言ができるのではないかと思います.

では,発言に従ったがゆえに何か起こった時,研究者は責任をどう取るのかと言われると,残念ながら答えは持ち合わせていません.問題が起こった後ではなく,発言を参考に何か行動が起こされようとしている時には,あらゆる可能性を検討して,課題解決のための最良の方法を考えていくことが研究者の責任といえるかもしれません.

正論を吐くというのは勇気のいることですが,信念を持って研究に取り組んでいる以上,そこは譲らない研究者になれればと思います.それによって社会が動こうとしている時に,自分の取り組むべき新たな課題が生じたとしても,それは喜ぶべきこととして捉え,立ち向かっていくまでです.
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