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「あなたは何のために研究するのですか?」という,我々研究者にとって根元的というか刺激的なタイトルの記事がサイエンスポータルから公開されました(こちら).
記事は九州大学名誉教授・筒井哲夫氏によるもので,社会的な意義付けができない研究を進めるのが難しい昨今,ひとりひとりの研究者が自らがやりたいと感じることに取り組めず,理科離れが進み,いずれは国の発展を支える科学技術の土台が蝕まれていくのではないか,という内容です.
記事は,先に述べた研究の社会的意義づけから,米百票の精神による現状への忍耐と将来への投資や,ロシアでの科学技術の失速といった多岐に亘り,近視眼的な予算配分が,科学大国の輝きを失わせる可能性がると警鐘をならしています.
そうならないためにどうすべきか.氏は,「すべての研究者が心の底からやりたい研究テーマを主張し、国民に向けてその社会的、文化的な意義を丁寧に説明し、またライフワークとしての研究の楽しさを率直に表現する努力を今、始めるべきではなかろうか。」と,述べていますが,果たしてそれでうまくいくのか,私にはよくわかりません.
やりたいという気持ちは大事ですが,いくらがんばって主張しても,やはりスポンサーに理解されなければなりません.私は科学史などには詳しくありませんが,近代以前の科学者たちに研究資金を出していたパトロンも,自分にとって何らかの形で有益・有意義であると認めなければ資金提供は行っていなかったと思います.結局,判断基準は異なるとしても,資金を得るには提供者の審査を受けなければならないわけで,それは必ずしも官僚主義的というわけではないでしょう.「こんなにやりたいのに,なぜ支援してくれないのだ」というのは,独りよがりに過ぎないとも思います.
とはいえ,良く言われるように,短期的な成果が出そうなところにばかり投資するというのは科学研究においては賢明ではありませんから,その点については予算提供者は十分理解する必要があることは間違いありません.難しいこととは思いますが,長期的な視点で投資対象を評価して欲しいと思います.もしかすると,その成果は投資を決めた人は見ることができない場合もあるかもしれませんが,投資というのはそういう性格があることも止むを得ないでしょう.
意義あるテーマばかりでは心躍る研究ができなくなるのでは,と記事にありましたが,それは人により,テーマによるわけで,一概にいえないと思います.
一番良いのは,意義ある研究が研究者にとって魅力的であることです.そのことで研究活動が活発化し,成果を得て,さらに新たな興味の対象を発見するという正のスパイラルができることが最良だと思います.そういったことは難しいかというと,先に述べたようにそれは人によるわけで,あるひとつの意義ある研究に関心を持てる人は,そこで充実した研究活動に取り組める可能性があると思います.
全ての研究者の関心を進めるというのは,資源に限りがある以上無理な話です.したがって,テーマによっては資金面では不遇な環境にいざるを得ないこともあると思います.研究者としては,色々なことに興味を持ち,その中で意義ある研究と認められそうなテーマを進めるという姿勢を持つことも必要なのではないかと思います.
予算配分については「選択と集中」という言われることがあります.こうした考え方がある以上,研究支援にもばらつきが生じるのは仕方ないことと思いますし,それに答えは,日本だけではなく他の国でも得られていないのではないかと思います.
理想的な社会と科学の関係とはどんなものなのか,ということを科学技術行政を担う人々や研究者自身が考え構築していかなければ,いつまでも問題は解決しなさそうです.
記事は九州大学名誉教授・筒井哲夫氏によるもので,社会的な意義付けができない研究を進めるのが難しい昨今,ひとりひとりの研究者が自らがやりたいと感じることに取り組めず,理科離れが進み,いずれは国の発展を支える科学技術の土台が蝕まれていくのではないか,という内容です.
記事は,先に述べた研究の社会的意義づけから,米百票の精神による現状への忍耐と将来への投資や,ロシアでの科学技術の失速といった多岐に亘り,近視眼的な予算配分が,科学大国の輝きを失わせる可能性がると警鐘をならしています.
そうならないためにどうすべきか.氏は,「すべての研究者が心の底からやりたい研究テーマを主張し、国民に向けてその社会的、文化的な意義を丁寧に説明し、またライフワークとしての研究の楽しさを率直に表現する努力を今、始めるべきではなかろうか。」と,述べていますが,果たしてそれでうまくいくのか,私にはよくわかりません.
やりたいという気持ちは大事ですが,いくらがんばって主張しても,やはりスポンサーに理解されなければなりません.私は科学史などには詳しくありませんが,近代以前の科学者たちに研究資金を出していたパトロンも,自分にとって何らかの形で有益・有意義であると認めなければ資金提供は行っていなかったと思います.結局,判断基準は異なるとしても,資金を得るには提供者の審査を受けなければならないわけで,それは必ずしも官僚主義的というわけではないでしょう.「こんなにやりたいのに,なぜ支援してくれないのだ」というのは,独りよがりに過ぎないとも思います.
とはいえ,良く言われるように,短期的な成果が出そうなところにばかり投資するというのは科学研究においては賢明ではありませんから,その点については予算提供者は十分理解する必要があることは間違いありません.難しいこととは思いますが,長期的な視点で投資対象を評価して欲しいと思います.もしかすると,その成果は投資を決めた人は見ることができない場合もあるかもしれませんが,投資というのはそういう性格があることも止むを得ないでしょう.
意義あるテーマばかりでは心躍る研究ができなくなるのでは,と記事にありましたが,それは人により,テーマによるわけで,一概にいえないと思います.
一番良いのは,意義ある研究が研究者にとって魅力的であることです.そのことで研究活動が活発化し,成果を得て,さらに新たな興味の対象を発見するという正のスパイラルができることが最良だと思います.そういったことは難しいかというと,先に述べたようにそれは人によるわけで,あるひとつの意義ある研究に関心を持てる人は,そこで充実した研究活動に取り組める可能性があると思います.
全ての研究者の関心を進めるというのは,資源に限りがある以上無理な話です.したがって,テーマによっては資金面では不遇な環境にいざるを得ないこともあると思います.研究者としては,色々なことに興味を持ち,その中で意義ある研究と認められそうなテーマを進めるという姿勢を持つことも必要なのではないかと思います.
予算配分については「選択と集中」という言われることがあります.こうした考え方がある以上,研究支援にもばらつきが生じるのは仕方ないことと思いますし,それに答えは,日本だけではなく他の国でも得られていないのではないかと思います.
理想的な社会と科学の関係とはどんなものなのか,ということを科学技術行政を担う人々や研究者自身が考え構築していかなければ,いつまでも問題は解決しなさそうです.
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