忍者ブログ
金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
[88]  [87]  [86]  [85]  [84]  [83]  [82]  [81]  [80]  [79]  [78
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

MSN産経ニュースの科学欄のRSSより,朝永振一郎氏の次の言葉が紹介されていました.
「科学を進めるもっとも基本的なものは、人間のいわば知的な好奇心といえるかと思うのであります」(MSN産経ニュースより)
私は工学部にいることもあり,純粋な知的好奇心だけでなく,技術を社会のために役立てるという雰囲気の中で学んできましたが,知的好奇心だけで科学研究に取り組むことができれば,今とは違う研究になっていたかもしれません.研究を行うには予算が必要で,予算獲得のためにはがんばって申請書を書いたりしますが,そこではやはり研究の意義や社会への波及効果などが問われます.そうした点を満たしながら取り組む研究というのは,完全に自由な発想よりは枠が狭くならざるを得ません.だからといって今の研究に不満があるわけではありませんが,中には苦労している友人もいたりします.

私の友人は植物の研究に取り組んでいますが,基礎的な研究ですぐに社会貢献への道筋がみえない分野のようで,予算がつきにくく常に行き場に困っています(5月から九州へ行く可能性があるそうですが,4月の所属は未定だそうです).

知的好奇心だけで研究に取り組むというのは現代では難しいのかもしれませんが,それこそ好奇心から始めたクラゲの発光の研究が医学に大いに貢献することもあるわけで,社会はそういう可能性もあることを理解して研究コミュニティをみてくれればと思います.

とはいえ,やはり大学などは甘いとみられるようで,先日会った後輩に「大学の研究は非効率だ」と言われました.彼は一般企業に就職し,再度大学に戻って来たためか,企業での仕事に比べて「ぬるさ」を感じているようでした.次々と成果を出すことも大事ではありますが,企業とは違う空気や時間の流れの中だからこそできることがあると考えてもらえればと思います.

だからといって「研究は時間をかけていいんだ」と開き直るつもりはありません.日本と欧米の研究機関の比較の際には,常に日本はがんばりが足りないといった結果が示されますし,海外を知る人に話を聞いても,それを実感せざるを得ません.

好奇心で研究に取り組むことは間違いではありませんし,それを失ったら研究なんてやっていられません.好奇心を力に変えて,前に前に進んでいきましょう.


あ,それと全然関係ありませんが,同じくMSN産経ニュースの科学面のRSSで地震関連の記事があったのですが,それを書いているのが学生時代にセミナーを聴いたことのある先生でした.その先生はかなり好奇心重視な感じの方で,モデルシミュレーションに取り組む一方,お寺の古文書などから昔の地震の研究をするなど,聞くだけでも面白そうなことをやっている方でした.関心があればこちらをどうぞ.
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
ブログ内検索
最新コメント
[11/23 fake bvlgari womens watch]
[11/12 fake love cartier Bangles]
[08/04 bvlgari diamond ring]
最新トラックバック
アクセス解析
プロフィール
HN:
角間で働く准教授
性別:
男性
准教授のいるところ

だいたいこの辺 ↑ です.

(ズーム・写真切替可)
geotargeting

ジオターゲティング
地球の名言


presented by 地球の名言
お天気情報
バーコード
Copyright © 角間で働く准教授のブログ(仮) All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog / ブログテンプレート by naminorito
忍者ブログ [PR]