忍者ブログ
金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
[29]  [30]  [31]  [32]  [33]  [34]  [35]  [36]  [37]  [38]  [39
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

日本学術会議・エネルギー政策の選択肢分科会による「エネルギー政策の選択肢にかかわる調査報告書」に関する話題.サイエンスポータルにて(こちら).

報告書は79頁に上るもので,様々な発電技術とその内容まで有る程度くわしく説明されています.記事では,報告書にまとめられている6つの将来のエネルギーシナリオの概要とその際に負担すことになるコストが簡単に紹介されていますが,あくまでざっくりしたものなので,興味がある人にとっては報告書を読む方がしっかり理解できて良いのではないかと思います(ページ数は多いですが,わかりやすい感じでした).

報告書では国民が意思決定すべきとしているようですが,どうやったら国民がエネルギーシナリオを選択できるのでしょうか.国民投票を実施するということでしょうか.日本でどのように国民投票が実現されるのかよくわかりませんが,そうでもしない限り,政府や産業界などによって決められることになるのではないかと思います.それが最善の選択ではないとは言いませんが,国民に問うということにはならないのでしょう.

誰かが何となく最善の方法を選んでくれるだろうと思って人任せにして,うまくいかなかったら批判をするというのがこれまでの日本の姿だったように思いますが,これからはそうしないようにするのであれば,制度と,そして一人一人の心の持ちようが変わる必要があるのではないかと思います.
PR
「原発災害をめぐる科学者の社会的責任-科学と科学を超えるもの-」というシンポジウムに関するサイエンスポータルの記事(こちら).

日本学術会議哲学委員会主催とのことですが,パネリストには理系の研究者も含まれているようでした.様々な分野の方が集まったということで,意見も様々なようですが,避難区域や食品中の放射性物質の暫定基準設定のよりどころとされている国際放射線防護委員会(ICRP)の基準自体には複数の方が疑問を持たれているとのこと.

記事の中ではICRPの基準をもとにした勧告の妥当性について言及した日本学術会議会長と,それを痛烈に批判する日本学術会議議員の話題に触れ,科学者間において「合意した声」を出すことが求められるものの,その難しさを述べていました.

原発に限らず,様々な問題において異なる立場の人々の意見をまとめるというのは難しいと思います.明確な科学的根拠に基づき,解がひとつに集約される問題ならば良いですが,現実社会の問題は往々にしてそうなりません.それらは科学的に理解が十分でない場合と,自然科学ではなく人間の価値観に依存するような場合,あるいは両者が関係する場合にわけられそうです.

いずれにせよ何らかの決断をする必要がある場合,科学的に理解が十分でない場合にはどうするべきなのか.そうしたケースにも科学者の意見が求められると思いますが,理解が十分でないことについて合理的な合意された解を出すことは不可能です.原発の問題とはそういうことなのかなと思います.

このように,未知のことについて(というか,未知のことだからこそ,かもしれませんが)何らかの意見を求められるという場面が科学者にはあるでしょう.そうした時に,どうしたら良いのか.もちろん問題ごとに取るべき態度や回答は異なりますが,何かしらの基準のようなものは持つべきなのかもしれません.
BLOGOSを訪れたところ,私の通っていた高校がタイトルに入った記事がありまして,しかも「○○高等学校の悲劇」なんてタイトルなものですから,愛校心がないわけでもない私としては,なんじゃなんじゃ何が起こった,と気になったわけです.

で,記事を読んでみると,がんばって高校で勉強してきた学生が大学に進学した後に,提供される講義内容に不満を抱き,母校に愚痴りに来ているとのことでした.
悲劇なんて書かれているから,学校の存続に関わったりするようなことかと思っていたのですが,そこまで深刻ではないようでちょっと安心しました.

しかし,せっかく希望を抱いて大学に進学したにもかかわらず,そこでの教育にがっかりしてしてしまうというのは大学で働く私としては他人事ではありません.記事では中堅私大に進学した学生にその傾向が強く,国立大学に進学した学生からはそうした声は少ないと書かれていました.これでまたちょっとほっとしたわけですが,それでも大学ごとに差はあるはずですから,手放しでは喜べません.我が母校に限らず,希望を抱いて大学進学を果たした学生のモチベーションを維持するために,我々教員も精進せねばなりません.

学生の間ではどう評価されているのかわかりませんが,金沢大学はけっこうがんばっている方ではないかと思います.東京にある我が母校からはちょっと遠いですが,興味があればぜひぜひ進学して頂きたいものです.
日本学術会議による提言「持続可能社会における国土・地域の再生戦略」において,今後の日本社会のありかたに関して「順応的凝集(=スマートシュリンク)」という言葉が用いられているそうです.それに関する要約(?)がサイエンスポータルに紹介されていました(こちら).

今後100年で人口が半減することが予想される日本において,社会資本を拡大する動きが弱まるとともに,低密度な都市の現出が考えられるということで,人口に見合った市街地を形成し,寄り添って生きることで生活の質を高める必要がある,というのが要旨といえるでしょう.

今後はクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上を重視することが必要であるというのは,成長よりも成熟を目指すのが妥当ではないかなぁと思っている私としては腑に落ちる記述でした.
そのための抜本的方策がスマートシュリンクを実現するための土地利用改革なのかどうかはわかりませんが,人口が減少する中で必要な社会的機能を提供するために求められる動きのひとつであることは確かなことのように思います.

そのために地方分権化を進め自治体の地域管理能力を高めるための法整備等が必要,というのは私には良く分かりませんが,一般の人々に今後の日本における人口変化の予測を示すとともに,どのような生き方,住まい方をしていくかを考える必要があるかもしれない,と伝えることは不可欠なように思います.

個人的には,機能が凝集したところで生活パターンが今と変わらなければQOLの向上にはつながらないわけで,都市や集落の凝集とともにどんな暮らし方にしていきたいかということを考えることも欠かせないはずと思います.そこには新たな価値観が出てくることも間違いないでしょうし,その価値観に基づく生き方ができる社会ができあがることがいちばん大切なのではないかと思います.
現在,地球の周りにはたくさんの人工衛星が飛んでいて,中には役割を終えたものもそのまま飛んでいたりします.その中のひとつの衛星がもうじき地球に落ちてくるそうで,その破片が地面に落ちてくるかもしれないそうです.asahi.comより.

この秋、人工衛星の破片が空から降ってくるかもしれない。そして世界のだれかに当たる確率は3200分の1――米航空宇宙局(NASA)は9日、大気圏への落下が見込まれる人工衛星について「注意報」を発表した。

 1991年に打ち上げられた大気観測衛星「UARS」(約6トン)で、2005年に運用を終え、現在は高度約250キロ付近を漂っている。高度は徐々に下がっており、9月下旬から10月上旬にかけて、大気圏に突入する見通しだ。(asahi.comより)

記事によると,世界の誰かに当たる確率が3200分の1,自分に当たる確率を考えると21兆分の1になるそうです.どうやって確率を出しているのかわかりませんが,21兆分の1なら大丈夫ですかね.ただ,人には当たらなくても建物に当たるかもしれないとか,建物に当たってさらに破片が飛び散るかもしれないとか,そいういうことは考えていないんでしょうかね.

破片が落ちてくる可能性がある範囲は北緯57度から南緯57度の間だそうで,日本も間に入っているし,もし東京みたいな大都市に落ちたら影響も小さくはなさそうですが.試算では総重量532kg,26個の破片が落ちてくる可能性があるとのことなので,全部同じ大きさだと仮定すると一つの破片は20kgですかね.それが空の彼方から落ちてきたら相当なエネルギーを持つんじゃないでしょうか.海や砂漠の真ん中にでも落ちてくれることを祈りましょう.

しかし,任務を完了した衛星をどうするかは今後も課題となるのでしょうね.衛星観測データを使って研究しているものとしては,知らんぷりもしかねる話題です.
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
ブログ内検索
最新コメント
[11/23 fake bvlgari womens watch]
[11/12 fake love cartier Bangles]
[08/04 bvlgari diamond ring]
最新トラックバック
アクセス解析
プロフィール
HN:
角間で働く准教授
性別:
男性
准教授のいるところ

だいたいこの辺 ↑ です.

(ズーム・写真切替可)
geotargeting

ジオターゲティング
地球の名言


presented by 地球の名言
お天気情報
バーコード
Copyright © 角間で働く准教授のブログ(仮) All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog / ブログテンプレート by naminorito
忍者ブログ [PR]