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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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「原発災害をめぐる科学者の社会的責任-科学と科学を超えるもの-」というシンポジウムに関するサイエンスポータルの記事(こちら).

日本学術会議哲学委員会主催とのことですが,パネリストには理系の研究者も含まれているようでした.様々な分野の方が集まったということで,意見も様々なようですが,避難区域や食品中の放射性物質の暫定基準設定のよりどころとされている国際放射線防護委員会(ICRP)の基準自体には複数の方が疑問を持たれているとのこと.

記事の中ではICRPの基準をもとにした勧告の妥当性について言及した日本学術会議会長と,それを痛烈に批判する日本学術会議議員の話題に触れ,科学者間において「合意した声」を出すことが求められるものの,その難しさを述べていました.

原発に限らず,様々な問題において異なる立場の人々の意見をまとめるというのは難しいと思います.明確な科学的根拠に基づき,解がひとつに集約される問題ならば良いですが,現実社会の問題は往々にしてそうなりません.それらは科学的に理解が十分でない場合と,自然科学ではなく人間の価値観に依存するような場合,あるいは両者が関係する場合にわけられそうです.

いずれにせよ何らかの決断をする必要がある場合,科学的に理解が十分でない場合にはどうするべきなのか.そうしたケースにも科学者の意見が求められると思いますが,理解が十分でないことについて合理的な合意された解を出すことは不可能です.原発の問題とはそういうことなのかなと思います.

このように,未知のことについて(というか,未知のことだからこそ,かもしれませんが)何らかの意見を求められるという場面が科学者にはあるでしょう.そうした時に,どうしたら良いのか.もちろん問題ごとに取るべき態度や回答は異なりますが,何かしらの基準のようなものは持つべきなのかもしれません.
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