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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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博士というと,モジャモジャ頭に瓶底眼鏡をかけ,白衣を着て試験管をくゆらせている,なんてイメージする人は最近はいないのかもしれませんが,博士の学位をもつ人にも様々いるわけで,当然生き方も様々です.

その学位取得者にとって難しいのが,働き口をみつけることです.そんな博士の現状に関する「博士漂流」という本が出版されているそうで,その書評がサイエンスポータルに掲載されました(こちら).

著者は科学に関する情報収集・発信をしている榎木英介氏という方.研究職として余りがちな博士に対して,著書の中では学術研究以外にも活躍の場があるなど,いわゆるオーバードクター問題への提言が述べられているそうです.
Amazonのレビュー評価も高く,若い研究者にとっては参考になったり刺激を受けられるのかもしれません.私も機会があれば読んでみたいです.

サイエンスポータルでの紹介の中に,学位取得者が政策秘書として働くという提案が書かれていましたが,おもしろそうな仕事かもしれないなと思いました.私は幸いなことに博士として大学での職を得ていますが,さほど強い気持ちで研究者になったわけではないので,他の仕事も楽しそうだなと思えるのかもしれません.中には「どうしても研究したいんだ」という博士の方もいるでしょうから,そういう人には本書は参考にならないのかもしれません.

しかし,博士の学位を取得するくらいの人は元々好奇心の強い人だと思いますし,魅力のある仕事で,しかも自分の力を生かせる場所があれば,それを選ぶ人もいるのではないかと思います.
残念ながら現在の日本ではそうした機会は多くないように思います.社会が博士を生かせば,使い方によっては非常に役立つと思いますし,働く本人も充実感を得られると思います.そうした仕組み作りが進めば,日本の学術界もより活発になるのではないかと思います.
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「あなたは何のために研究するのですか?」という,我々研究者にとって根元的というか刺激的なタイトルの記事がサイエンスポータルから公開されました(こちら).

記事は九州大学名誉教授・筒井哲夫氏によるもので,社会的な意義付けができない研究を進めるのが難しい昨今,ひとりひとりの研究者が自らがやりたいと感じることに取り組めず,理科離れが進み,いずれは国の発展を支える科学技術の土台が蝕まれていくのではないか,という内容です.

記事は,先に述べた研究の社会的意義づけから,米百票の精神による現状への忍耐と将来への投資や,ロシアでの科学技術の失速といった多岐に亘り,近視眼的な予算配分が,科学大国の輝きを失わせる可能性がると警鐘をならしています.

そうならないためにどうすべきか.氏は,「すべての研究者が心の底からやりたい研究テーマを主張し、国民に向けてその社会的、文化的な意義を丁寧に説明し、またライフワークとしての研究の楽しさを率直に表現する努力を今、始めるべきではなかろうか。」と,述べていますが,果たしてそれでうまくいくのか,私にはよくわかりません.

やりたいという気持ちは大事ですが,いくらがんばって主張しても,やはりスポンサーに理解されなければなりません.私は科学史などには詳しくありませんが,近代以前の科学者たちに研究資金を出していたパトロンも,自分にとって何らかの形で有益・有意義であると認めなければ資金提供は行っていなかったと思います.結局,判断基準は異なるとしても,資金を得るには提供者の審査を受けなければならないわけで,それは必ずしも官僚主義的というわけではないでしょう.「こんなにやりたいのに,なぜ支援してくれないのだ」というのは,独りよがりに過ぎないとも思います.

とはいえ,良く言われるように,短期的な成果が出そうなところにばかり投資するというのは科学研究においては賢明ではありませんから,その点については予算提供者は十分理解する必要があることは間違いありません.難しいこととは思いますが,長期的な視点で投資対象を評価して欲しいと思います.もしかすると,その成果は投資を決めた人は見ることができない場合もあるかもしれませんが,投資というのはそういう性格があることも止むを得ないでしょう.

意義あるテーマばかりでは心躍る研究ができなくなるのでは,と記事にありましたが,それは人により,テーマによるわけで,一概にいえないと思います.
一番良いのは,意義ある研究が研究者にとって魅力的であることです.そのことで研究活動が活発化し,成果を得て,さらに新たな興味の対象を発見するという正のスパイラルができることが最良だと思います.そういったことは難しいかというと,先に述べたようにそれは人によるわけで,あるひとつの意義ある研究に関心を持てる人は,そこで充実した研究活動に取り組める可能性があると思います.

全ての研究者の関心を進めるというのは,資源に限りがある以上無理な話です.したがって,テーマによっては資金面では不遇な環境にいざるを得ないこともあると思います.研究者としては,色々なことに興味を持ち,その中で意義ある研究と認められそうなテーマを進めるという姿勢を持つことも必要なのではないかと思います.

予算配分については「選択と集中」という言われることがあります.こうした考え方がある以上,研究支援にもばらつきが生じるのは仕方ないことと思いますし,それに答えは,日本だけではなく他の国でも得られていないのではないかと思います.
理想的な社会と科学の関係とはどんなものなのか,ということを科学技術行政を担う人々や研究者自身が考え構築していかなければ,いつまでも問題は解決しなさそうです.
東京の水の供給源になっている水源林の買収を都が進めているとのころ.Yomiuri Onlineより.
東京都が「都民の水」の貴重な供給源になっている多摩川の豊かな水流を保全しようと、都と山梨県にまたがる上流の民有林買収計画を進めている。

 都が水源の民有林買収に乗り出すのは初めて。都は「おいしい東京の水の維持が狙い」と話している。(Yomiuri Onlineより)

買収計画の対象地はもともと東京都が水源林として有していた土地に囲まれているらしく,周辺を一体的に管理・保全しようということなんですかね.かなりの部分が都有地のようですが,民有林はちょうど多摩川にかかっているようです.となるとその地域の管理が不適切になったら水質への影響もあるということなのかな.すでに問題が生じているといったことは記事には書かれていませんでしたが,問題が起きる前に対応しようということなのか.
どのくらいの予算が使われるのかわかりませんが,今より良くなる,あるいは予防効果が重要ということを示すことも必要な気がしますが.どうなんでしょう.

ちょっと前に北海道などの水源地の土地購入を中国人が検討しているといった話題がありましたが,そういう動きも考慮しているのかな.ま,考え過ぎですね.
日本貿易会という貿易商社・団体でつくる社団法人があるそうですが,大学生・修士課程大学院生の採用選考活動を卒業・修了年の8月ごろ以降に始めることを表明したそうで,全産業界が同様の見直しをするよう日本経団連などにも提言しているとのこと.サイエンスポータルより.

就職活動の早期化が大学,大学院の教育を危うくしているという批判に応えたものということで,採用のための広報活動は春休み頃から,採用内定は10月1日以降,としているそうです.現状では,前年の10月くらいから就職活動を始めている学生もいるくらいですから,少なくとも半年は学業に専念できることになりそうです.大学で教育の一端を担っている身としては嬉しいです.

数日前の朝日新聞の天声人語でも,企業の採用活動の早さを取り上げていたので,問題への意識が高まっているんですかね.

理系では,就職活動が3年生のうちから始まることによって,4年生での研究室配属された後の研究活動を知らないまま進路を決める必要があり,そのことが大学院進学という選択可能性を減らしているということもあるらしいので,多少なりとも長く研究に取り組んで欲しいと願う身としても,採用活動の後ろ倒しには期待します.

ただ,私のところは公務員になる学生も多いため,案外影響が少ないかもなぁという気もしています.また,公務員との人材の獲得競争をせざるを得ない会社は,少なくとも公務員と同時期に採用活動を始めないと,先にとられてしまうかもしれません.
公務員も採用を後ろ倒ししてくれれば良いんですけど.
本日11月18日は「土木の日」だそうです.なぜかいうと,「土木の2文字を分解すると十一と十八になることと,土木学会の前身である『工学会』の創立が明治12年(1879)11月18日である」(土木学会HPより)からだそうです.うまい具合にふたつの理由がつけられる日があったものですねぇ.もともと工学会の創立が土木→十一十八を意識してしてたのかな.
さらに土木学会の創立が11月24日ということで,この1週間は「くらしと土木の週間」だそうです.こちらは狙ったのかな,偶然なのかな.

ということで,この時期さまざまな土木に関するイベントや活動が各地で行われているらしいです(こちら).といっても,さほど多いというわけではないようですし,既に終わっているものもありますが.

土木の仕事は,みなさんの日常生活に深く関わっているにもかかわらず普段はあまり気にされないものなので,こういう機会に色々知ってもらうと良いなぁと思います.そのためには技術やら研究やら難しいことはおいといて,面白いことや素敵な面をアピールして,まずは多くの人が目を向けてくれればと思います.
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