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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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大学の運営交付金も事業仕分けの対象だったということを書きましたが,国立大学協会が予算充実をアピールとのことです.
国立大学協会(会長・濱田純一東京大学総長)は26日、2010年度予算編成について緊急アピールを川端達夫・文部科学相に提出した。
国立大学法人化後に既に720億円の運営費交付金が削減されていることなどから、これ以上の予算削減は、教育の質を低下させ、学問分野を問わず、基礎研究や萌芽的研究の芽をつぶすだけでなく、地域医療の最後のとりでとしての機能や一部国立大学の経営が破たんするなど、日本の高等教育・研究の基盤が根底から崩壊し、回復不能な事態に陥ると指摘している。そうならないために予算充実の必要を訴えている。(サイエンスポータルより)
こちらでは,予算の一層の拡充をもとめているようで,事業仕訳で指摘された経営の効率化に関しては触れられてはいません.既に予算は年々減らされており,さらに効率化とは,ということなのかもしれません.

経営の専門家がみれば効率化が図れる部分もあると思いますし,経済が振るわない中で予算を増やせというのはわがままな感じもします.選択と集中というのか,適材適所というのか,予算は厳しくても教育・研究の質も探る必要もあるのかもしれません.

その一方で,優れた成果には自由な発想と多少の余裕が不可欠だと思います(ここでの余裕は精神的なものです).つねに予算規模に縛られ,やりくりに心を割いているようではそれも難しいと思います.贅沢言うなといわれるかもしれませんが,研究にはそういう側面があるのも事実だと理解して頂きたいです.


連日こういったことを書いていると,さすがに滅入ってしまいますよね.ということでちょっと明るい話題.
金沢市は年明けにも、清川町の犀川左岸、桜橋詰で緑地整備に着手する。桜橋の名称と、桜並木が続く犀川河川敷やW坂の景観にちなみ、サクラの木をメーンに緑地に植栽する。年度内に完成する見通しで、市は「河川敷や周辺の坂のサクラと併せて、春には花のアーチを楽しめる市民の広場にしたい」(緑と花の課)としている。(北國新聞より)
来春に花をつけるような木が植えられるのかわかりませんが,温かい春が待ち遠しくなります.
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連日事業仕分けに関して書いていますが,国立大学にもその影響が及ぶかもしれません.仕分け対象になっていること自体びっくりしましたが,厳しい意見が出ているということで,なかなか悩ましいです.
来年度予算要求の無駄を洗い出す行政刷新会議の「事業仕分け」は25日、東京・市谷の国立印刷局市ケ谷センターで、後半戦2日目の作業に入った。文部科学省が所管する国立大学の運営費交付金(概算要求額1兆1707億円)については、「大学の経営改善の余地は大きい」として、「予算のあり方の見直し」を求めた。環境省が所管する地球温暖化対策の関連事業は、「廃止」の判断が相次いだ。(asahi.comより)
私のような下っ端は大学経営の実態とかはよくわかりませんが,独法化されてから年々予算が減る中で教職員も減り,かといって仕事は減るわけではなく,個々人の負担は増えているとは感じます.とはいえ経営改善の余地があるというのですから,その指摘をきちんと受け止めねばならないと思います.曲がりなりにも人を育てる者が,他人の意見を頭から否定してはいけませんから.

これまで国立大学には「経営」という概念はあまりなかったと思います.なので得意ではないと思いますが,それを言い訳にはできませんね.私立大学はその点はきちんと意識をもって経営しているはずですので.私立大学等のノウハウを取り込めば経営の効率化も図れるかもしれませんし.

となると,そのノウハウをもった人を雇う人件費がいりますが,まぁ一時的な出費でその後の効率化が図れるなら良いでしょう.もし文科省がそうした専門家を雇って,各大学にアドバイスを与えるような体制を作ってくれればなお良しですが.

それと,国の単年度会計も経営の効率化の足かせになっているのではないかとも思います.執行されなかった予算を翌年度以降に繰り越すことが可能であれば効率化につながると思います.ただ,ある年で繰越金が出たからといって「あまるなら翌年度は予算は少なくて良いね」といっては元も子もないので,必要な時には要求に応えて欲しいと思います.

そうした意味では,大学だけでどうこうするのではなく,やはり政治や行政も協力してくれないことにはどうにもなりません.「経営の効率化をしろ.やり方は自分で考えろ」では無責任ではないかとも思いますし.一応は「国」立大学なんですから,国としてどうするかくらいは意見を頂かないと,と思います.

まぁ結果として受験料や学費の上乗せにつながらなければ良いなと思います.
事業仕分けの話題が続きますが,石川県内,というか金沢大学にも直接的な影響が出ているようです.Yomiuri Onlineより.
谷本知事は20日、他の6道府県の知事と連名で、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で廃止となった「地域科学技術振興・産学官連携事業」の継続を求める緊急共同声明を発表した。産業や農業、医療など様々な分野で行っている産学官連携の事業で、廃止には研究現場から困惑の声が上がっている。声明では「科学技術立国こそ、日本の進むべき道。日本のあしたのために不可欠な同事業の予算確保を強く求める」としている。(Yomiuri Onlineより)
ニュースなどでは各方面からの反発に配慮して,政府が予算確保の方針を打ち出したりしている様子が報道されていますが,全国規模のプロジェクトだけでなく,地方発の科学技術にも影響があることも取材し,取り上げてくれれば,と思います.

特に記事で取り上げられているのは民間企業との連携研究ですし,新たな技術開発によって産業が活性化する可能性も秘めているので,経済への影響という観点から考えても良いのではないかと思います.

今日は事業仕分けに対して旧帝大を含む9大学の総長らの声明も出される(こちら)など,科学をめぐる動きが活発ですが,こうした社会の動きが将来の発展につながる方向にいってくれれば良いと思います.

ここまで話題になれば,学校に通う子供たちもさすがに目にするでしょうし,その子供たちが日本の科学技術に希望を持てるような国をつくろうとしていることを示して欲しいと思います.間違っても「日本の科学はこれから伸びなさそうだな」なんて思わせるような結果にはならないでほしいです.
一昨日科学技術に対する事業仕分けについて書きましたが,スパコンの事業仕分け結果には科学者からの反対意見が相次いでいるようですね.科学技術政策に関する戦略がない事業仕訳であるともいわれたりしているようですし(関連記事1関連記事2).

まぁ当然といえば当然でしょうね.スパコンは今までもそれなりの実績を積み上げてきているわけですし,将来性が読めないどころか,今後もその成果が他の科学分野にも大きな影響をあたえるのですから.文部科学大臣も予算は確保すると言ってるくらいですし(こちら).事業仕分けで評価を下した方々は立つ瀬がないでしょうね.

とはいえまだどうなるかはわかりません.最終的には首相か,まぁ政権の上の方の判断なのでしょう.今の政権は反対されると意固地になるような感じもありますから,もしかすると逆に押し切って本当に予算縮減してしまうかもしれません.長期的視点から物事を考えられる人がいることを願います.

今回の件で,科学者の声が国の施策に影響を与えるかもしれないと感じられたのはとても嬉しく感じます(まだ結果がどうなるかわかりませんが).科学技術政策そのものへの意見も出されたようですし(こちら),スパコンに限らず科学技術行政が専門家の意見を重用してくれるようになると,我々もますますがんばろうという気になりますし,社会への貢献を意識するようになると思います.

とはいいながら意見が一蹴されようものならどうなるでしょうね.それこそ研究者コミュニティからは総スカンですかね.国民には耳触りの良いことを言うけれども,科学者は敵に回しても怖くないと思っていたりしますかね.もしそうなったとしたら科学者もなめられたものです.そうならないことを期待しますが.
このところ連日のように新政権による事業仕分けのニュースがありましたが,そこそこ科学研究を生業としているものとしては,やはり科学技術に関する事業は気になるところでした.

ニュースでもGXロケット開発予算が大幅に削減されたことなどは結構話題になっていました.サイエンスポータルでも関連の話題が掲載されていて,そちらでは若手研究者向けの予算が縮減となったことに関連して,「驚いたのは,これらの事業をポスドクの雇用対策であるという認識を示したことだ.」とありました.本当にそのような意見が出されたとしたらびっくりです.

そうした研究予算は,それこそ研究者が知恵とアイディアを絞って必死に申請書を書いて,なおかつ採択率が20%とか場合によってはそれ以下の非常に厳しい競争のもと得られるもので,雇用対策などという甘いものではありません.上記のような意見を出した方が現状を理解されているのかどうか.

次世代スパコンも「2位ではダメなのか」といった意見が出されたとのことです(関連記事1関連記事2).今や計算機技術は地球環境からバイオまで,あらゆる科学研究に欠かせないものであり,DNA解析などにはハイスペックのコンピュータは欠かせません.計算機科学の重要性に関する認識を欠くものとしか思えません.

確かに世界一の計算機があらゆる分野で世界一の成果を出すとは限りませんが,大事なのはその点ではなくて,「一番を目指して競争に勝とうとする努力を否定した」というところです.他の研究者や機関よりも良いものを作ろうという熱意と努力で科学技術が進歩してきたものを,「そんなにがんばらなくても良いでしょ」と否定したことに他なりません.

国費を投入するわけですから,社会に有益な研究を進めなければならないのは確かですが,ちょっとやればすぐ成果が得られるほど研究は甘くありません.もちろん研究計画をつくるときはしっかりと見通しを立てますが,失敗だってありますし,すべて計画通りいくものではありません.確立した技術を適用するだけではなく,新たな技術開発であればなおさらです.

そういう意味で研究予算には投資的な側面もあるわけで,すぐに成果が出ないからといって切るのはどうかと思います.親が子に投資するように,国にも科学技術を育てる役割があるはずです.今回の事業仕分けに関する報道をみる限り,そうした視点を持たない人が多いように思えてなりません.

経済的にも落ち込んでおり,その一方で他に優先する事業があるから,やむなく予算縮減というのも理解できますが,テレビで見る委員の方々をみると,真っ向から科学技術を否定しているようにみえます.「重要性はわかるが,国家予算的に縮減せざるを得ない」という感じでいってくれれば,まだ納得できるのですが.

そんな中で高速道路無料化に6000億円必要だとかいってますし.本当に高速道路無料化は望まれていることなのか,正直疑問です.その分を多少なりとも科学の発展に投資してくれたら良いのに.今の政権では無理ですかね.
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