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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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科学技術振興機構によるサイエンスニュースにて,国立大学への運営費交付金減額の影響を取材した動画が公開中(こちらから).
大学で働く者としては特段新しい話題ではありませんが,一般の方々に研究室の予算獲得の実状を少しでも知ってもらうにはわかりやすいと思いましたが,ちょっと方向性が気になる感じでした.

動画の中ではふたつの研究室が紹介されており,ひとつの研究室ではかなりカツカツの予算のようで,もう一方の研究室では現在は比較的余裕のある予算状況であるが,数年後にはまた予算獲得に向けて動かねばならないと述べられていました.

いずれも予算が潤沢でないため,ゆとりある環境で研究できないという感じの主張がなされていましたが,ちょっと甘えているんじゃないかとも思いました.
カツカツの方の研究室は確かに厳しいという印象を受けますが,そうなら外部資金獲得のための努力をすれば良いだけです.
数年後には新たな予算獲得の努力をしなければならないというのも,一般企業などからすれば,事業のために自分でお金を集めるのは当たり前で,そういった努力なしに研究予算を配分して欲しいというのはちょっと虫が良すぎる話です.

確かに,研究者は研究に専念できるに越したことはありませんが,大学では同時に研究者自身が予算獲得の努力をしなければならないことを自覚すべきだと思います.大学では,どこかの部署が外部資金を獲得して,それをもとに「研究せい」と予算をくれるわけではなく,個々の研究者が事業主みたいなものなのですから,時として資金繰りに奔走するのはやむを得ないはずです.

運営費交付金の減額が問題であるのは,個々の研究者の研究費が減少するからではなく,競争的資金では支出できない,事務や設備維持など大学の基盤を維持する費用が不足し,それによって個々の研究者へのシワ寄せが来ることです.そのことによる研究や教育以外の業務が増えていることに研究者は懸念を抱いているのです.

今回の動画は研究者が作成したものではなく,学生さんによる取材なので,論点がやや違うのは仕方ありませんが,JSTが監修しているのであれば,少なくとも研究費へのだけではなく,大学基盤の弱体化といった視点も盛り込んで欲しいと思いました,
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