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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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ちょっと前に「第4回今後の治水対策の有り方に関する有識者会議」の議事録が公開されましたと書いて,実はまだ読んでいないうちに第5回の議事録が公開されました(こちら).

今回は4人の委員の方からの発表と議論ということでしたが,相変わらずのレコーダー丸起こしでちょっと読みづらかったです.
が,今回は議論がかなり具体的な部分にも及んでいたり,委員の方々の白熱した雰囲気も伝わって来るもので読みごたえもなかなかでした.

議論のポイントは数多くありますが,「水害を受容する」ということをどう考えるか,「最重要地域をどう守るか」ということが大きなところではなかったかと思います.
議事録の中では地域が特定されないよう伏せてありますが,我が国の中枢地域で最悪の水害が起きた時には経済損失は34兆円,死者2,600人と想定されており,さらには社会インフラへの打撃も考えると致命的であるとのことでした.こうした地域を他の地域と同レベルで議論して良いのかということが述べられていました.

逆に,住民の方々には影響は大きいかもしれませんが,社会的影響が比較的小さい場合にはある程度の受容と補償を組み合わせられないかということもありました.こうした点は,河川あるいは流域のランク付けが必要であるということが述べられていました.ごく当たり前のように感じましたが,そうした点がきちんと議論されないままに一律の安全度を求めて河川整備をしてきた結果が,今日の行政批判につながっているわけですから,今回の議事録にある議論がなされることは意義深いと言えます.

また,公共事業をめぐる様々な思惑も排除し,本来の目的(治水)を達成するという観点から必要な方策を検討することが必要ということも改めて議論されていました.地域の雇用を創出するための公共事業への批判ですが,こうしたことが真っ向から議論されることは良いことだと思います.最終的な政治判断をする方々にも,ぜひ正論で臨んで欲しいと思います.

議論は今後,一般論から各流域での検討にまで至るのではないかといったことを感じさせるものでした.河川は本来ひとつひとつ特性の異なるものですから,その地域での治水対策はどうあるべきかは個別に議論・検討されなければなりません.そうした意味では,良い方向に進むことが期待されます.

ダムをどうするかという点に関しては,委員の間でも意見が様々なように感じました.ただ,政治や世論に流されず,各河川で正しいと考えられる結論が出るよう議論をして頂きたいと思います.
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