忍者ブログ
金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
[480]  [479]  [478]  [477]  [476]  [475]  [474]  [473]  [472]  [471]  [470
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

5月30日に駐日英国大使館・政策研究大学院大学共催のシンポジウム「緊急事態における科学者の情報受発信 ~フクシマからの教訓~」というのが開催されたそうで,そこで英国主席科学顧問のジョン・ベディントン卿が基調講演をされたという話題がサイエンスポータルに掲載されていました.

記事ではシンポジウムでの講演内容が紹介されているわけではなく,卿が事故発生直後に得た情報をもとに駐日英国大使と交わした会話での適切な判断に関して注目しています.同じ頃,当事国である日本で適切な情報提供や,事実に基づく説明などがなされていたかというと,必ずしもそうではないと.国の科学界を代表する人物を国家機関に助言する立場に置くような仕組みが必要ではないかということが論旨のようです.

ただ,日本でも多くの専門家がテレビに出演し様々なコメントを発していたと思います.そうした方々の解説やコメントと英国主席科学顧問の判断のどちらが正しいといえるのか,正直わかりません.また,万一英国で同様の事故が起きた時に主席科学顧問のコメントは絶対的に正しいことなのかもわかりません.そうした意味で,主席科学顧問が与えられた情報から適切に情報判断でき,最善の助言を必ずできるかわかりませんし,非常に高い有用性があるとは言えないのではないかとも思います.

とはいえ,現在の日本では科学者の意見や助言が重用されないというのは,その通りかもしれません.そこには,「意見は科学者が言っても,責任を取るのは行政」という形ができてしまっているのも一つの原因ではないかと思います.何かが起きた時に,それに関連する発言をした科学者が責任をどう取ることができるのかはわかりませんが,少なくとも自分の発言には結果を大きく変える可能性があるということを科学者が自覚すれば,好き勝手な意見を言いっぱなしにするということは減るように思いますし,そのように考える科学者を確かな判断が求められる機関の顧問とすることにはある程度の有用性があると思います.

3月以降,科学者・研究者に何ができるのかという話題も多くなりましたが,主席科学顧問のような存在もその中でしっかりと議論されるべきことは間違いないと思います.
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
ブログ内検索
最新コメント
[11/23 fake bvlgari womens watch]
[11/12 fake love cartier Bangles]
[08/04 bvlgari diamond ring]
最新トラックバック
アクセス解析
プロフィール
HN:
角間で働く准教授
性別:
男性
准教授のいるところ

だいたいこの辺 ↑ です.

(ズーム・写真切替可)
geotargeting

ジオターゲティング
地球の名言


presented by 地球の名言
お天気情報
バーコード
Copyright © 角間で働く准教授のブログ(仮) All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog / ブログテンプレート by naminorito
忍者ブログ [PR]