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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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ちょっと(だいぶ?)前に「分数ができない大学生」という本が話題になったことがありましたが,その編著者である西村和雄・京都大学経済研究所長のインタビュー記事がサイエンスポータルに連載されていたのですが,それが第4回をもって完結したので,紹介がてら何か書きます(記事はこちら).

内容は「ゆとり教育」が学力低下につながった原因というか理由を,要素をとりあげながら説明し,ではどうするべきなのかということを述べたもので,算数や数学,物理などの理科教育を選択性ではなく必修科目として教える必要があるというものです.だいぶ大雑把なまとめなので,関心のある方はしっかり記事を読んで頂きたいと思います.

第4回の記事では物理を履修する学生は10%程度ということが書かれていましたが,正直びっくりしました.私の通っていた高校は教養主義とかいって,文系の生徒も物理を途中までは学びましたし数3も必修でした.理系の生徒も高3になっても社会を2科目学ばされたりで,受験体制という意味ではかなり不利と言わざるを得ない教育で,卒業生の7割くらいは浪人して大学受験の準備をしていました.普通の高校では,そんな受験体制では評価も下がるということで文系では数学や理科を学ばないということなのだと思いますが,それでも半分くらいの学生は物理を勉強すると思っていましたが,まさか10%とは.

また,小学校の1,2年生では理科が無く,生活科というのがあるそうで,これもびっくりしました.今も理系の研究者として生活している私としては,せっかくの楽しい科目を教えないなんて,子どもたちがちょっとかわいそうではないかと思います.子供の判断基準は基本的に楽しいか楽しくないかだと思いますし,理科の楽しさを伝えることは将来理系に進みたいという気持ちの芽を育てる最初の一歩のように思うのですが.

理系教育の衰えは日本にとって危機的といった論調で,まぁ確かにそうかもしれませんが,子どもを持つ親たちにしてみると,自分の子供たちが基本的な算数の力や理科の知識を身につけていないことに不安を覚えるのではないかと思います.大きな目で国のことを憂えるのもそうですが,家族レベルでも,やはりきちんとした教育をして欲しいと思います.

弁護士として働いている友人と学生時代に話していて,司法試験の勉強するなんてすごいな,と言ったら,「法解釈は理系の方が得意なはず」と言われました.法解釈には論理的思考が要求されるので,理論にそって考える数学や物理が得意な人の方が向いているとのことでした.
理系の人間を育てるだけではなく,文系社会でも論理的思考の重要性は疑いのないことと思いますし,その基礎が算数・数学や理科教育にあるのだとすれば,幼いころからの教育でもそれらを重視すべきでしょう.
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