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本日,私が所属する理工学域のFDシンポジウムというのが開催されました.
FDというのはFuculty Developmentの略で,日本語に訳すと教育改善ということのようです.
何人かの先生方からの報告や紹介などがあり,中でも日本と海外のFDに関するアンケート結果が興味深かったです.広島大学の有本先生の研究結果が紹介されていて
・学士課程教育がうまくいっている:日本11%,米国52%
・改善や活性化の必要性を感じる割合:日本91%,米国10%
・FDにより教員の資質・能力が高まった:日本9%,米国46%
などなどです.私は米国の大学で教育を受けたことがないのでわかりませんが,それほど日本と差があるのでしょうか.もしそうだとしたら,ちょっとまずいように思いますが,現状はそう悲観するほどのものではないように思います.改善や活性化の必要性を感じるのは,日本の大学教員の問題意識や目標のレベルが高く,現状に満足できないためではないのかなぁとも思います.資質や能力の高まりを容易に感じないのも,そういう原因もあるのではないかと思います.米国で自己評価が高いのは,自分たちの成果を積極的にアピールするという文化も多少影響を与えているのではないかと思います.
とはいえ,私も今学期担当した講義を振り返って,やはり講義の内容ややり方を工夫しなければと痛感したので,まだまだ教育の質を上げていかなければいけないと思っています.
会の終わりの挨拶で,教育の質と効果の向上は大事だが,講義内容を減らし,わかりやすくして理解度をあげることは望ましくないといったお言葉がありました.どれだけ学生に背を向けながら伝えられるかが大事であるかとのことでした.
確かに,講義などでわからないからこそ自分から問題に向き合い,考え,探究するのであって,すべてわかったら自ら学ぶモチベーションは起こりません.結局はうまく動機付けができるかどうか,その動機によって学習・研究意欲が湧いたかどうかが大事なところでしょう.
まったくわからなかったらやる気が起きませんし,わかりすぎるとがんばって学ばなくても大丈夫と思ってしまうかもしれません.その辺が難しいところです.
また,大学に入りたての頃の学生の目は輝いているのに,それが少しずつ失われてしまうことがあるのは教員の側にも責任があるとのお話もありました(目が輝いているのは学問への期待だけではないかもしれませんが).
私も大学に入った当初は学習意欲があったように思いますが,学部の4年間はろくに勉強もしませんでした.その原因のひとつは講義がよーわからん,ということがあったかもしれません.常に喜びを持ち続けて大学で学んでもらえるように教員として努力を怠らないようにしたいと思います.
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