忍者ブログ
金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
[348]  [347]  [346]  [345]  [344]  [343]  [342]  [341]  [340]  [339]  [338
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の活動に関しては,これまでも話題にしてきましたが,その中間とりまとめ案の公開に関する新聞記事が昨日出ました.asahi.comより.
ダムに頼ってきた治水のあり方の見直しを検討してきた国土交通省の有識者会議(座長=中川博次京大名誉教授)は13日、提言をまとめた。ダムありきではなく、それ以外の治水対策の組み合わせと、ダムを建設する場合とで安全性やコストを必ず比較。関係住民の意見も聴いて判断する。水没する上流の山村だけに犠牲を強いるのではなく、下流域の都市住民も含めた流域全体で治水対策を分担する手法で、従来の考え方を抜本的に見直す。(asahi.comより)
いずれニュースにはなるだろうとは思っていたのですが,新聞をみたら一面にデカデカと見出しがあったのでちょっとびっくりしました.それだけ社会的な影響や意味合いも大きいということかと思います.

記事によれば現在本体工事着工前の全国84か所のダムに適用するとのことですが,今後新たな治水事業を実施する時には同様の手法で検討と事前評価がなされることになるのだと思います.
国だけではなく,道府県の事業も対象となるので,国交省だけではなく地方自治体の土木行政に関わる方々もどのように治水を進めていくかということを考えることになると思います.国交省職員だけでは人手が足りませんし,公務員削減となればなおのことなので,今まで以上に地方の役割が重視されるかもしれません.最近の地方分権という動きとも重なりそうです.

記事では「流域全体での分担」を新たな治水理念として,今後の考え方の基本にするというように書かれていますが,それ自体は決して新しい考え方ではなく,ただ十分真剣に考慮されてこなかったり,諸々の障害で実現が困難だったわけで,少なくとも今後はこれまで以上に流域治水の考え方がきちんと議論されるのだろうと思います.

単に「ダムはだめ」ということから今回のような治水手法の見直しに至ったわけではなく,人口減少や財政状況を踏まえた上でのことなので,治水だけで閉じる話ではなく,国土計画と絡めた議論がなされるべきだと思います.

作業は9月からとのことですが,どんなことになるのか,非常に興味深いです.新しい治水理念に基づく治水事業,国土づくりが展開されていくことになるのか,あるいは結局いままでとさほど変わらないのか.新しいものが良いとは限らないので,どちらにすべきという意見はありませんが,少なくとも議論は今までよりも深まることを期待したいと思います.
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
ブログ内検索
最新コメント
[11/23 fake bvlgari womens watch]
[11/12 fake love cartier Bangles]
[08/04 bvlgari diamond ring]
最新トラックバック
アクセス解析
プロフィール
HN:
角間で働く准教授
性別:
男性
准教授のいるところ

だいたいこの辺 ↑ です.

(ズーム・写真切替可)
geotargeting

ジオターゲティング
地球の名言


presented by 地球の名言
お天気情報
バーコード
Copyright © 角間で働く准教授のブログ(仮) All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog / ブログテンプレート by naminorito
忍者ブログ [PR]