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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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先週,26の学会の会長声明として「科学技術による力強い日本の構築」が発表されました(こちら).けっこうな長文なので詳細は省きますが,「研究教育予算・投資の改善」,「研究資金の過度の集中の是正」,「女性・若手支援の充実」といった項目に関して述べられています.

それをうけて,サイエンスポータルにて,「研究費配分における多様性確保とは」というタイトルの記事が公開されました(こちら).
ここでは,研究予算の過度の集中によって,意外なところから生まれる発見の芽を摘むことになっているということや,優れた研究を生み出すための苗床である研究活動のうち,そこそこの研究ができる程度の予算を支給されているのは25%に過ぎず,成果が期待される研究として大規模予算の支給を受けているのは1%に過ぎないということで,さらなる投資が必要であるという意見が紹介されています.

ただし最後には,予算が必要であるという表現では不十分であると結ばれています.投資の考え方として,強いところを伸ばすのか,あるいは広く配分して芽を育てて将来の成長を期待するのか,それを研究コミュニティも考えるべきではないかと.
どちらの考え方も正しいと思いますし,両方を満たすことができれば最善ですが,そのためには今以上の研究予算が必要ですし,現在の世界的な経済状況の停滞をみると実現は難しいと思います.

間をとって,どちらもぼちぼちで,というのもあるかもしれませんが,これは結局どっちつかずで,今とさほど変わらないでしょう.到底改善とか変革と呼べるものではありません.
研究によっては必ずしも多くの予算を必要としないものもあるかもしれませんし,そうした研究に取り組む方からは「広く薄く配分して欲しい」となるかもしれません.芽を摘まないことにはなるかもしれませんが,比較的容易に予算を取ることができるとなると,競争意識が希薄になって本来伸びる研究も伸びないということにならないか,という気もします.

集中も「過度」であるから問題なのであって,適切な範囲であれば有効なはずです.「選択と集中」ということがちょっと前にいわれたように思いますが,その考え方ももっともですし.

個人的に考えるだけでも,どうするのが良さそうかはすぐに決めかねます.これが研究コミュニティ全体の将来を鑑みて考えねばならないとなれば,ますます難しいと思います.
そうしたことは偉い先生方に考えてもらって,我々若手はその議論の過程とゆくえから出来る限り多くを学び,なおかつ恩恵に預かるのが良いのかと思う次第であります.
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