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地球環境への関心が高まり,マスメディアでもエコという言葉が飛び交う中で,結局は経済優先の選択をしていくというのはナンセンスに思えて仕方ありません.技術力が低く環境を考慮したくてもできないとか,ともあれ生活レベル向上が緊急課題,ということなら多少理解できなくもありませんが,今日の日本では別の選択肢もあって然るべきだと思います.仮に先進国を自負するならば,途上国の手本となる道を切り拓き歩むのが役割ではないかと思います.たとえそれがいくばくかの苦労を背負うことになろうとしても,努力を続けることでいずれ報われることがあると思います.斉藤鉄夫環境相は12日の閣議後会見で、日本が2020年までにどの程度の温室効果ガス削減を目指すかという中期目標について、経団連の御手洗冨士夫会長が11日に日本経済に最も負担の少ない「4%増加」を支持したことを受け、「(4%増では)世界の笑いものになる」と反論した。さらに、「低炭素社会の先頭をいく技術を持った日本がまったく後ろ向きの目標を出すことは、日本の地位をおとしめる」との考えを改めて強調した。(MSN産経ニュースより)
大幅削減は家計や経済活動への負担が大きすぎるとのことですが,それは生活に今以上の利便性や快適性をもとめようとすればこそで,多少の我慢をしながら暮らすのであれば,なんとかなるのではないかと思います.餓死者が出るほど我慢しなければならないとなれば問題ですが,暑いとか寒いとか歩くのがめんどくさいとか,そのくらいの不便はどうにでもなると思います.私は中学校から大学まで,生活の半分をグラウンドで過ごしたようなものなので,夏は「暑い~」冬は「寒い~」と言いながら育ってきましたが,それが健全で人間らしいように思います.ひとと出会っては「暑いですねぇ」と口々にいいながら暮らすのも趣があるのではないかと思います.
経団連会長の言葉というのがどのくらいの影響力を持つのか知りませんが,これまでの人間活動が地球環境に大きな影響を与え,新たな方向へ向かう必要があるのではないかという時期に,ひとつの世界をリードし得る人が今までと変わらぬ考えではいかがなものかと思います.
そういう意味では,今の環境大臣がどのような方なのか存じ上げませんが,昨年からの経済状況などから,環境政策よりも経済優先をという考えも強いのではないかという中,政治家という人気商売にありながら,短期的に支持してくれる人が多そうな意見になびくことなく将来を見据えて考え,発言できる人がいるというのは嬉しく感じます.
こうした話題は新聞やテレビニュースのトップにはならないかもしれませんが,少しでも多くの人の目に触れ,何かを考えるきっかけになればと思います.
今号のNatureに気候変化特集が組まれていました(リンクはこちら).
Natureでは生物や化学の記事が多く,気候や気象の話題はあまり多くない感じでしたが,最近は温暖化が社会の動きに影響を与える場面も増えてきて,Natureもそちら方面の記事を増やしてきているのでしょう.
"The Road to Copenhagen" というタイトルで,今年12月のコペンハーゲンでのCOP15に向けて様々な記事が紹介されています.気候の専門誌ではないので,詳しい研究論文はあまりないようですが,社会の動きや科学コミュニティの動きを勉強するには良いように思います.
まだ私も全然読めていませんが,暇を見て読もうと思います.
ちょっと前くらいからBluerayディスクのCMをテレビでも頻繁に見かけるようになって,DVDも次第に使うことが少なくなっていくのかと思っていたら,早くも次世代の技術が開発されているそうです.
その名も「マイクロホログラフィック・ストレージ」.どのくらい一般の方々に知れ渡っているのかわかりませんが,私は今日知りました.Nikkei.netによると,GEが開発した技術で現行DVDと同じサイズのディスクに500GBのデータを保存できるそうです(記事はこちら).
私の研究分野では,衛星データや温暖化実験のデータなど容量の大きなデータを使ったり,数値モデルから大量のデータを出力することも多く,私も数テラのRAIDを使用したりしています.RAIDは当然普通のHDDを使っていて,装置自体もそこそこ大きくて重かったりしますが,それがこの技術であれば薄いディスク10数枚で実現できるとは.すごいです.びっくりです.
ちょっと前にこれから始まる温暖化実験のデータアーカイブの仕事にちょっと関わっていると書いたかもしれませんが,つねにそこで議論となるのがデータをどう運ぶかということです.計算は地球シミュレータで行い,データは他のところに転送するわけですが,ネットワークにそれほどの速さを期待できず,HDDにコピーして輸送するにしても手間がかかりすぎる,といった感じで悩ましいところです.それが薄いディスクに大量のデータを保存できるようになればデータ輸送も相当楽ちんです.
当然最初は高いと思いますが,普及しだせば価格も下がるでしょう.一般の人たちはそんなに大量のデータを扱うこともないように思いますが,HDDレコーダーのような使い方など考えれば,普及するかもしれません.
繰り返し書き込めるのかとか,書き込み速度はどうなのか,とか気になりますが,そのうち使ってみたいです.
衛星を利用した新ビジネス創出につながればという期待と,災害・気象・農業といった従来から衛星利用がなされてきた分野での情報の充実ということを狙ったもののようです.超小型ということで比較的安価に制作できるということで,発展途上国への売り込みなども考えているということで,成功すれば日本の宇宙開発も飛躍するかもしれませんね.文部科学省と経済産業省は、超小型衛星を低軌道に計50~100基打ち上げる「衛星群」づくりに着手する。
災害や交通渋滞など、観測の目的ごとに機能を限定した衛星を何基も周回させることで、観測頻度を高め、詳細なデータを得ることが可能になる。(YomiuriOnlineより)
災害監視の役割も担わせようということのようなので,私にも使用できるデータがとれるセンサーが搭載されれば良いなぁと思いますが,私が使ってきたデータは大きなアンテナを必要とするもので,今回計画されている一辺50cmという衛星にはさすがに同じ機能は与えられなさそうです.
でも逆に,新たに打ち上げられる衛星によって取得されるデータをどのように活用できるか,ということを考えれば良いわけで,新しい研究が拓けるかもしれませんし,そんなにがっかりする必要はありません.
いつ頃実用化されるようになるのかわかりませんが,今後の動向から目を離さないようにしたいと思います.
ちょっと前に,各国政府の温暖化に対する行動が遅いことに科学者から批判的な意見が出ているといったNatureの記事を紹介しましたが,今度は「Tough Climate」というタイトルで,やや行き過ぎた動きがあるのではといった記事がありました(こちら).
記事によると米国議会が米国科学アカデミー(National Academy of Sciences: NAS)に対して,気候変化に対してどのようなアクションをとるべきかアドバイスを求めたということで,このことはNASに政治的な役割を求めるもので,NASを危険にさらしかねない,とのことでした.
おそらく,政治的な色合いを持ってしまうことによって私情を挟まない公平な発言が揺らいでしまうのではないかということだと思いますが,NASではさほど深刻に受け止めていないそうです.結局は長期的な立場からの意見を述べることになり,短期的な政治決断に直結するようなことはないだろうという見方からのようです(今回も私の英語力での理解なので,ぜひ原文を読んで頂きたいです).
NASが今後どうなるのかはさておき,政治家が科学に意見を求めるというのは,どの程度まで許されるのでしょう.前にも述べたように,正論を吐くのが科学の役割だと私は思っていますし,正論は必ずしも社会情勢に沿ったものではないと思うので,政治的判断はやはり政治家が責任を持って行うべきです.従って科学者に政治的な何らかの判断を仰ぐというのは,やはり行きすぎだと思います.科学者の意見は尊重して頂きたいと思いますが,それを免罪符とするようなことはあって欲しくありませんし,そうなったら政治家の役割とは何かということが問われるでしょう.
研究者の意見を社会に反映するのに決まった方法はないと思いますが,何らかの提言を実現するために政治や行政が企業に積極的に働きかけるというのが,すぐに思いつく効果的な手段の一つのように思います.政治家の意見を企業がすんなり受け入れるかはわかりませんが,社会企業を目指すような会社であれば,熱意しだいで動くかもしれません.ただし,一般企業はあくまで利益を追求するものなので,その辺りも考慮する必要はありますが.
いずれにせよ,社会の仕組み次第というような気がします.
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