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既にニュースなどで報道されているかもしれませんが,「2050年までに世界の国々において50%のCO2排出量削減を」「先進国においては80%以上の削減を」といったことが話し合われたそうですが,その達成のためにはいつをピークとすべきか,削減の基準となる年はいつか,ということはあいまいなまま閉会したそうです.
その中で,オバマ大統領が果たした役割は大きいと述べています.京都議定書から一度抜けたアメリカが,再度議論の場についたことは国際的努力に勢いをつけると考えられているようです.
一方で中国やインドは自国におけるCO2削減努力に消極的です.インドのシン首相は自国の経済成長を制約するような政策を受諾することはできないと繰り返し述べたそうです.ロシアも基本的に気候保護(climate-protection)に賛成だが,経済成長を犠牲にすることはないだろうとのことです.
以前,Natureの記事で科学者が政治家の温暖化に対するアクションの遅さを批判していると紹介しましたが,サミットのような政治の場ではまだ環境よりも経済を優先という態度が通用するのをみると,世界が変わるにはまだ時間がかかるのかもしれないなぁと思います.
しかし,今後も経済成長するのは良いことだとして,そのことがCO2排出削減と相反しない方法はないんでしょうかね.今後は環境ビジネスが伸びるといったことをテレビで耳にすることもありますが,これから成長しようという国々がそこに力を注いで経済的な力をつけるというのは難しいのでしょうか.今までのスタイルの工業などの方がてっとり早く儲かるのかもしれませんが,ちょっと長期的に見て考え方を変えるっていうわけにはいかないのかなぁと思ったりします.
国立環境研究所が都道府県別の自動車CO2排出量マップを作成.
国立環境研究所は6日、自動車の二酸化炭素(CO2)排出量が市区町村ごとにひと目でわかるマップをつくったと発表した。共通した都市機能を持つはずの県庁所在地同士で比べると、最多の水戸市の排出量は奈良市の2倍以上もあり、公共交通機関の使い勝手や市域の広さなどに起因した差が大きく出ているという。(asahi.comより)
データは平成17年のものを使っているようで,他の年はどうなっているのか,といったことはわかりませんが,ちょっと見てみる分には面白いです(国立環境研究所 環境GIS「自動車CO2排出量マップ」はこちら).
試しに人口がやたらと大きい東京都と我らが石川県の一人当たり年間排出量を比較してみると,圧倒的に石川県の方が排出量が大きかったです.総排出量でみてみると,石川県の方が少ないようでした.
総排出量が少ない方が環境への負荷は小さいと思いますが,それなら一人当たり排出量が大きくても許されるというわけではないと思います.もちろん,公共交通が十分でなく,自家用車に頼らざるを得ない現状では,すぐさまどうこうできるわけではありませんが.
こうした分析結果を個人が知って出来ることというのは限られていると思います.それよりも,地域の行政を担う人々が現状を認識し,何をするか考えなければいけません.どうにかしたくても,何もできない地域もあるとは思いますが,すぐにあきらめずに,まずは問題意識を持って考えて欲しいと思います.間違っても「うちは総排出量少ないから問題ないな」と考えることだけはあって欲しくありません.
なかには,「考える材料などいらないから解決策を示せ」という人もいるかもしれません.しかし,地域の問題は多様であってどこでも同じ解決策が適用できるわけではありません.今回のような研究成果を生かすことができるのも,最終的には地域のことを理解した人たちしかいないと思います.
情報化社会と言われて久しいですが,社会的に有用なデータがわかりやすく,容易に得られていたかというとそうでもないと思います(個人レベルでは謳歌していたと思いますが).今回の研究成果は一般の人々に社会的データをわかりやすく伝える良い例だと思います.インターネットの普及などこの10年くらいで急激に進み,情報の見せ方,伝え方も今後工夫され,良くなっていくと思います.一方,情報を発信する側は必ずしもその見方,考え方が常に正しいとは限りません.やはり受け取り手がしっかりと理解し考え,そこから問題などをみつけ解決策を考えるしかないと思います.これまでそうした技術のようなものがあったのかわかりませんが,今後はそのような能力が重要となるかもしれません.
イギリス気象局は国防省(MOD)からの予算で気候研究に取り組んできたようですが,MODによると「アフガニスタンでの活動など他を優先した」とのことです.
イギリス気象局によるとそれほどの脅威ではないそうですが,他の政府組織に支援要請をしているらしく,やはり予算削減は痛いというのが本音ではないかと思います.今回の削減で気象局は気候研究予算の4分の1を失うことになるらしく,NASAの研究者も「もし他から補填ができなければ重大な危機に直面するのではないか」とコメントしていました.
気候研究より国防省の活動を優先したとのことで,これに関しては価値観によって是非が異なると思いますが,まぁ元々国防省から出される予算であったのであれば仕方ないのかなぁと思います(もっと上位の機関から国防省と気象局への予算配分がなされるのであれば別ですが).
イギリス気象局での気候研究活動が縮小されたとしても,それ以外の世界の他の機関では変わらず研究が続けられるので,問題はないのではないかという意見もあるかと思いますが,複数の機関で研究されていることで競争が生まれて研究が進んだり,温暖化予測の幅を考える時の大事な資料になったりと,メリットもあるわけで,それらが失われなければ良いと思います.
日本では今のところそうした話は聞きませんが,経済状況の悪化などで,研究より他に予算を,という声もあがってくるかもしれません.そうした時に,研究の重要性を声高に叫ぶのか,あるいは仕方ないと我慢して,限られた中で工夫してやっていくのか.どちらが良いのか,私にはちょっとわかりません.
これからの雨の多い季節に,asahi.comにて以下のような記事がありました.
開発されるレーダーの観測範囲は狭いようですが,1分おきに観測できるものを目指すらしいです.レーダーが開発されても,すぐに実用というよりは最初は研究に利用されるのだと思いますが,1分おきのデータを解析するというのは結構大変ではないかと思います.もちろん研究対象となるような豪雨イベントはそうそう頻繁に起こらないと思いますし,数少ない事例を深く掘り下げるのだと思いますが.どういった成果が得られるのか興味深いです.豪雨をもたらす積乱雲が発生する段階から探知するレーダーの開発に文部科学省が着手する。局所的に起きる「ゲリラ豪雨」や航空機事故につながる乱気流の発生予測に役立つという。総額50億円を見込み、来年度の概算要求に開発費を盛り込む方針だ。(asahi.comより)
実利用の段階では気象予測に使われるのだと思います.得られるデータは水蒸気情報のようですが,それをデータ同化という技術で気象モデルの初期値改善に使うのでしょう.私も衛星データを用いた水蒸気情報のデータ同化に取り組んでいるので,そうした研究成果が出てくると参考になるだろうなぁと思いますが,まだちょっと先のことでしょうね.その間に自分で勉強して研究しましょう.
asahi.comにて,温暖化が進むとアジアのコメ生産量が最大9.9%減少するとの話題.
私がずっと前に大学の講義で聞いたのは「日本のコメは水不足で生産量が減ることはない.日照不足の方が問題だ」ということでした.今回の記事では,温度が上昇するとコメの生産量が減るということで,それが水不足に起因するのか日照不足に起因するのかまでは書かれていませんでした.地球温暖化が進めば、2080年代にはアジア地域のコメ生産量が1990年代に比べ最大10%程度も下がるという推計結果を、国立環境研究所などのチームが国際専門誌に発表した。 (asahi.comより)
様々なシナリオで検討しているようで,気温上昇が抑えられれば10%ほどの減産にはならないそうです.とはいえ未来がどうなるかは正確にはわかりませんから,様々な可能性を検討した上でオプションを準備しておく必要がありそうです.また,そうしたオプションは研究者や農政に携わる人々だけが知っていれば良い話ではありませんから,農業に携わる人はもちろん,一般の人々にも情報として広く発信すべきではないかと思います.一発の記事で終わらずに,研究者は知識の普及にも一役買わないといけないですねぇ.
まったく話は変わりますが,石川県でオタマジャクシが降っていくるという異常気象(?)の話題がありました(こちら).原因はわからないとのことですが,誰か研究したりするようなら結果を聞きたいです.
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