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今年は雪が多い年となっていますが,もともとは「暖冬傾向で少雪」との予測がされていました.結果として予測がはずれたわけですが,そんな雪の予測に関する記事.ふるさとメディア・北國新聞より.
北極振動が起きるメカニズムはわかっていないと以前書きましたが,記事でも同様のことが述べられています.記事の中で気象台のコメントとして「大気の流れの予測は難しい」とありますが,実際その通りで,予報と実際の天気に差があるということは一般の方々も日々の生活の中で重々承知されていることと思います.そんな中で気象台には「どこが暖冬だ」といった電話が寄せられたそうで,なんだかかわいそうになります.
もちろん気象予報を業務としているわけですから,責任ある情報提供を目指すべきですが,現在の気象学は全ての気象メカニズムを理解するレベルには到底ありませんし,予報は完ぺきでないということをある程度受け入れて頂かなければならないと思います.暖冬を見込んで何らかの事業を進めていた方々がいたとすれば,確かに腹が立つのも理解できますが.
気象予報に限らず,どんな科学技術にも適用範囲に限界があります.その適用範囲が少しでも広がるように努力すべきですが,技術を活用する人々も,ある程度その限界というものを理解しておく必要があるのかもしれません.治水でいえば,頑丈な堤防も全ての洪水被害を防ぐことはできないということです.あまり技術を過信せず,自分たちでも考え,対応することを忘れてはいけないのではと思います.
記事では,各地の累積降雪量についてと,予想外の大雪の原因についても触れられています.大雪の原因に関しては,ちょっと前に朝日新聞に掲載された記事と同じく「北極振動」との関連について書かれています.「暖冬傾向で少雪」と金沢地方気象台が予想した石川県内の今冬は、七尾や加賀市栢野の累積降雪量が平年の2倍となるなど「予想外」の結果になっている。金沢でも25日までの最深積雪は37センチで「平成18年豪雪」以降最も多い記録となり、暖冬や少雪とは感じらない。「なぜ予想が外れた」との苦情電話も寄せられている同気象台では「強い寒気が予測以上に北陸に流入した」と釈明している。(北國新聞より)
北極振動が起きるメカニズムはわかっていないと以前書きましたが,記事でも同様のことが述べられています.記事の中で気象台のコメントとして「大気の流れの予測は難しい」とありますが,実際その通りで,予報と実際の天気に差があるということは一般の方々も日々の生活の中で重々承知されていることと思います.そんな中で気象台には「どこが暖冬だ」といった電話が寄せられたそうで,なんだかかわいそうになります.
もちろん気象予報を業務としているわけですから,責任ある情報提供を目指すべきですが,現在の気象学は全ての気象メカニズムを理解するレベルには到底ありませんし,予報は完ぺきでないということをある程度受け入れて頂かなければならないと思います.暖冬を見込んで何らかの事業を進めていた方々がいたとすれば,確かに腹が立つのも理解できますが.
気象予報に限らず,どんな科学技術にも適用範囲に限界があります.その適用範囲が少しでも広がるように努力すべきですが,技術を活用する人々も,ある程度その限界というものを理解しておく必要があるのかもしれません.治水でいえば,頑丈な堤防も全ての洪水被害を防ぐことはできないということです.あまり技術を過信せず,自分たちでも考え,対応することを忘れてはいけないのではと思います.
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昨年は過去2番目の暖かさだったとの報告がNASAから発表されたとのこと.MSN産経ニュースより.
ちょっと気になったので,気象庁のウェブサイトから金沢の過去の気象データの年平均と7月の月平均の気温を確認してみましたが,もっと気温の高い年もいくつかあったので,少なくとも金沢では過去2番目ではなかったようです.
あくまで世界の平均での議論ですし,上げ足をとるつもりも全然ありませんが,自然現象が世界のどこでも一様に起こっているわけではないということは忘れないでおかないと.
温暖化の影響評価に関する研究体勢がこの1,2年で色々と整いつつあり,地域毎の影響評価に関する研究も進もうとしていますが,これまでの全球的な議論からより詳しい研究成果が出てくると,それぞれの地域の人達がその影響をより身近なものと感じ,環境を考慮した活動へのシフトが期待されるかも.
私もちょろっと気候変化をテーマにしているので,現象を理解するだけでなく,社会への情報発信とその影響という視点も頭の片隅において取り組みたいと思う次第であります.
昨年末からの寒気の流入と大雪のインパクトが大きかったので,昨年一年間は暖かかったっけなぁと記憶もあいまいですが.米航空宇宙局(NASA)は21日、2009年の世界の平均気温について、観測データがある1880年以降では2007年と並んで2番目に高かったと発表した。(MSN産経ニュースより)
ちょっと気になったので,気象庁のウェブサイトから金沢の過去の気象データの年平均と7月の月平均の気温を確認してみましたが,もっと気温の高い年もいくつかあったので,少なくとも金沢では過去2番目ではなかったようです.
あくまで世界の平均での議論ですし,上げ足をとるつもりも全然ありませんが,自然現象が世界のどこでも一様に起こっているわけではないということは忘れないでおかないと.
温暖化の影響評価に関する研究体勢がこの1,2年で色々と整いつつあり,地域毎の影響評価に関する研究も進もうとしていますが,これまでの全球的な議論からより詳しい研究成果が出てくると,それぞれの地域の人達がその影響をより身近なものと感じ,環境を考慮した活動へのシフトが期待されるかも.
私もちょろっと気候変化をテーマにしているので,現象を理解するだけでなく,社会への情報発信とその影響という視点も頭の片隅において取り組みたいと思う次第であります.
ほぼ毎日チェックしているサイエンスポータルですが,そのトップページに科学技術振興機構が公開している「失敗知識データベース」というウェブサイトへのリンクがあります.今までみたことはなかったのですが,今日紹介されていた記事が橋の倒壊事故という土木に関係するものだったので,ちょっとみてみました.
果たして「失敗」といって良いのかどうかはわかりませんでしたが,被害が生じたことは確かですし,どう対処したか,事前に被害を食い止めるにはどうすべきだったかを考えることもできる事例なので,教訓として役に立たないことはないかもしれません.
せっかくなのでトップページにいってみると,色々な分野の失敗事例が紹介されていて,全部で1167件もありました.建設だけでも222件あって,数字を見ただけで読む気も失ったので,結局なにも読みませんでした.
こうしたデータベースがあるのは良いとして,どう活用したら良いのでしょうね.例えばこれからダムを作ろうと考えた時に,過去にどのような失敗があったかを調べて,注意すべき点を洗い出すとかでしょうか.専門の人であれば,そうした過去の失敗事例は何らかの形で知識として持っているように思いますが.そうでもないんでしょうか.あるいは,異なる分野での失敗を知ることも役に立つのかもしれませんが,1000件以上もあるとちょっと見てみるという気にはならないように思います.本気で学ぶなら別ですが.
失敗学という言葉はちょっと前から目にしていますが,具体的なものをみると,その知識をどう生かすのかというのがすぐには思いつきませんでした.
とはいえ記事は読みやすそうだし,門外漢にもとっつきやすそうなので,たまには読んでみるのも良いのかもしれません.
果たして「失敗」といって良いのかどうかはわかりませんでしたが,被害が生じたことは確かですし,どう対処したか,事前に被害を食い止めるにはどうすべきだったかを考えることもできる事例なので,教訓として役に立たないことはないかもしれません.
せっかくなのでトップページにいってみると,色々な分野の失敗事例が紹介されていて,全部で1167件もありました.建設だけでも222件あって,数字を見ただけで読む気も失ったので,結局なにも読みませんでした.
こうしたデータベースがあるのは良いとして,どう活用したら良いのでしょうね.例えばこれからダムを作ろうと考えた時に,過去にどのような失敗があったかを調べて,注意すべき点を洗い出すとかでしょうか.専門の人であれば,そうした過去の失敗事例は何らかの形で知識として持っているように思いますが.そうでもないんでしょうか.あるいは,異なる分野での失敗を知ることも役に立つのかもしれませんが,1000件以上もあるとちょっと見てみるという気にはならないように思います.本気で学ぶなら別ですが.
失敗学という言葉はちょっと前から目にしていますが,具体的なものをみると,その知識をどう生かすのかというのがすぐには思いつきませんでした.
とはいえ記事は読みやすそうだし,門外漢にもとっつきやすそうなので,たまには読んでみるのも良いのかもしれません.
先日,「技術のその先を考えよう」というタイトルの記事で土木技術の意味を考えることが大切ではないかということを述べましたが,サイエンスポータルにて「21世紀の科学技術は哲学と」という記事が公開されています.
研究者が各省庁による競争的資金を獲得して研究を進めるスタイルとなった現在,その活動には社会的説明責任が生じているとともに,科学技術の市民感覚による判断,シビリアンコントロールが重要になってきたと述べられています.
この点については,社会に迎合するような研究にばかりが進められ,なかなか社会に認知されないような基礎的な研究などが進展しなくなる可能性があるとか,そもそも研究分野によっては社会的価値とは縁遠いところにあるものもあるので,賛否両論あるのではないかと思います.
「科学技術が作りだしたものがどういう社会的影響を与えるかということについて時間を持つことが必要」とも述べられていますが,この点に関しては私も賛成です.私が身を置く土木の分野は,直接人々の生活に影響を与えるような周辺環境を大きく変えることもしばしばあるので,特に強く認識する必要があると思います.大きなプロジェクトの中のほんの一部を担うだけであっても,その全体像を意識し,その完成によって社会がどうなるのかを考えることは,全ての関係者にとって不可欠です.
大切なのは,負の側面というか,ネガティブな影響ばかり考えるのではなく,その事業の完成によってどう良くなるのかということを認識することだと思います.そうすることで自らの仕事に誇りと信念を持って臨むことができると思います.
記事では生命科学における倫理が例として述べられていますが,あらゆる科学技術は社会に何らかの影響を持つわけですし,全ての技術者が常に自分の仕事が将来社会をどう変え得るのかを考える必要があると思います.携帯電話は非常に便利なものとして存在していますが,その技術が悪用される場面も多々あります.だからといって携帯電話を批判する気はありませんが,その開発者はあらゆる波及効果を考え,負の影響が生じる可能性については,可能であればそれを回避する対策まで考える必要があると思います.
科学技術は人々の想像を超えて進歩していくことも多々ありますが,だからといって野放しにせず,研究を進めるとともに監視していくことが研究者・技術者自身に必要なことなのかもしれません.
研究者が各省庁による競争的資金を獲得して研究を進めるスタイルとなった現在,その活動には社会的説明責任が生じているとともに,科学技術の市民感覚による判断,シビリアンコントロールが重要になってきたと述べられています.
この点については,社会に迎合するような研究にばかりが進められ,なかなか社会に認知されないような基礎的な研究などが進展しなくなる可能性があるとか,そもそも研究分野によっては社会的価値とは縁遠いところにあるものもあるので,賛否両論あるのではないかと思います.
「科学技術が作りだしたものがどういう社会的影響を与えるかということについて時間を持つことが必要」とも述べられていますが,この点に関しては私も賛成です.私が身を置く土木の分野は,直接人々の生活に影響を与えるような周辺環境を大きく変えることもしばしばあるので,特に強く認識する必要があると思います.大きなプロジェクトの中のほんの一部を担うだけであっても,その全体像を意識し,その完成によって社会がどうなるのかを考えることは,全ての関係者にとって不可欠です.
大切なのは,負の側面というか,ネガティブな影響ばかり考えるのではなく,その事業の完成によってどう良くなるのかということを認識することだと思います.そうすることで自らの仕事に誇りと信念を持って臨むことができると思います.
記事では生命科学における倫理が例として述べられていますが,あらゆる科学技術は社会に何らかの影響を持つわけですし,全ての技術者が常に自分の仕事が将来社会をどう変え得るのかを考える必要があると思います.携帯電話は非常に便利なものとして存在していますが,その技術が悪用される場面も多々あります.だからといって携帯電話を批判する気はありませんが,その開発者はあらゆる波及効果を考え,負の影響が生じる可能性については,可能であればそれを回避する対策まで考える必要があると思います.
科学技術は人々の想像を超えて進歩していくことも多々ありますが,だからといって野放しにせず,研究を進めるとともに監視していくことが研究者・技術者自身に必要なことなのかもしれません.
昨日の朝日新聞に東大名誉教授の高橋裕先生のインタビュー記事が掲載されていました.ダムに頼らない治水を目指すという,昨今の治水行政の動きに対して,以前からそうした考えをもっておられた先生の意見が述べられていたので紹介しようと思ったのですが,ウェブからは公開されていないようでした.朝日新聞をご購読の方は是非ともご一読を.
で,他の話題ですが,ここ最近の気候の話題.
では何故か,といわれると私には原因はわかりませんが,それを研究するのが科学ですから.
気候研究においては,これまで一つの現象と別の現象の関連性があることなどが示されてきてはいますが,どのようなメカニズムでつながっているのかは十分に説明されていないな,というのが私の感覚です.これまでは十分なデータや計算機資源がなかったので仕方ないとは思いますが,近年はそれらの問題点がクリアされつつあるので,そのことを言い訳にはできません.それでも,次第に現象のメカニズムを説明するような研究がされはじめているなと感じさせる論文など出てきているので,変わりつつあるとは思います.
これからは「関連がある」から「このようなプロセスで現象同士がつながっている」と説明できるような研究がもっと増えていかねばならんのではないかと思う次第であります.
で,他の話題ですが,ここ最近の気候の話題.
エルニーニョが長く続くとかいうのはまぁ良いのですが,記事の中に「エルニーニョ時に高温となるはずの欧州西部や米国北部などは大雪に見舞われ,気温も低かったという」とありました.エルニーニョと世界各地の気候との関連は色々研究されていますが,「エルニーニョの時は…」というのは100%そうなるというわけではなく,あくまでそうした場合が多いということなので,今回の大雪をもって気候システムの異常な振る舞いとしてしまうのはあまり良くないのではないかと思います.気象庁は12日、南米ペルー沖で海面水温が上がり、異常気象の原因となる「エルニーニョ現象」が依然継続中で、春まで続く可能性が高いとの監視速報を発表した。(MSN産経ニュースより)
では何故か,といわれると私には原因はわかりませんが,それを研究するのが科学ですから.
気候研究においては,これまで一つの現象と別の現象の関連性があることなどが示されてきてはいますが,どのようなメカニズムでつながっているのかは十分に説明されていないな,というのが私の感覚です.これまでは十分なデータや計算機資源がなかったので仕方ないとは思いますが,近年はそれらの問題点がクリアされつつあるので,そのことを言い訳にはできません.それでも,次第に現象のメカニズムを説明するような研究がされはじめているなと感じさせる論文など出てきているので,変わりつつあるとは思います.
これからは「関連がある」から「このようなプロセスで現象同士がつながっている」と説明できるような研究がもっと増えていかねばならんのではないかと思う次第であります.
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