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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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昨日はNatureの記事で,アジアでの水不足への対応が必要になってくるという話題を紹介しましたが,"Satellite-based estimates of groundwater depletion in India"というタイトルの関連する話題が同じくNatureの記事にありました(こちら).

ざっとかいつまむと,NASAとドイツのDLRという衛星機関で実施されているGRACEという衛星観測計画で観測される重力情報から陸域の貯水量を推定するという手法から,インドの地下水に関して調べたところ減少傾向であるということがわかったということです.

また,AGUというアメリカの地球物理学連合のニュースレターでも水不足を再考するというタイトルの記事がありました.こちらはこれまでの水資源の推定の方法ではあまり考慮されていなかった貯水量を含める必要があるとかいう話です.

資源としての水というのはこれまでのところ私の研究テーマではないので,技術的なことを云々できませんが,水不足というのが懸念されているというのが世界の水問題の傾向です(以前も書いたような気がします).もちろんというか,温暖化という文脈で語られることも多々あります.

日本では豪雨にばかり目がいきがちですが,世界では渇水を問題視することが多く,食料問題に関連付けられることが大概です.となれば,多くの食料を輸入している日本にとっても決して他人事ではないわけで,何か考えないといけなかったりするかもしれません.とはいえ遠い土地で起きている渇水を解決するというのは簡単ではないように思います.となれば,食料問題を考えるのが正しい方向ではないかと.
最近のニュース番組で,日本の食料自給率が低いというのは農水省のデータの見せ方によるものだ,というような報告がされていましたが,自国の農産物・畜産物・水産物だけで食卓が成り立っていないのが実情ですし,世界の食料生産が落ち込んだり,何らかの理由で食糧が輸入できなくなったら,きっとマスコミでも「問題ですね」とかいって報道するでしょうし,やっぱり食料自給率を上げようというのは正しいように思います.

といっても自分に何ができるのやら.国産の食物を食べるようにすれば良いのかな?もっと農業をやりやすくする必要があるというのが良く聞かれることですが,そこにはコミットできそうにないし.最近は渋谷あたりのギャルが農業やったりするそうなので,これから何をしようか考え中の若い人たちが農業をやろうと思えるように,色々と環境を整えていってほしいです.そういえば金沢大学には農学部はないですね.農学部があったら,もしかしたら自分も何かしら貢献できたかなぁとも思いますが,結局は「たら・れば」ですから.日本の若者と農業従事者(農学の研究者含む)のみなさん,がんばってください.
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Natureより"Irrigation reform needed in Asia"という話題.今回の記事はPaid Contentといことで,Natureの購読契約をしている人しか読めないようですが,一応リンクはこちら

かいつまんで説明すると,1960年代から1970年代にGreen Revolutionとしてアジア地域で灌漑施設の整備が進み,食料生産力が強化されたものの,水質の悪化や生物多様性の減少などの悪影響もあり,にもかかわらず,灌漑施設に関する研究開発はさほど進まず,そうしたことも理由の一つとなって,表流水による灌漑から地下水を利用した灌漑がおこなわれるようになったそうです.

地下水による灌漑は,十分な管理のもとでは有効である一方,きちんと管理されなければ灌漑面積がどんどん増えていってしまうため,限りある水資源の枯渇を招くかもしれない,ということで,水をどんどんのではなく,効率的に使う灌漑システムの構築が必要と述べています.

アジア域の地下水供給量は急速に減少しているという研究もあり,「何もしないという選択はありえない」と言う研究者もいるそうです.その一方で,そうした危機を認識し,きちんとした政策のもと水利用を行えば30-40年の食糧供給は可能である,との楽観的な見方もあること.
いずれにせよ何らかの対応が必要ということで,あまり大変がらず,現状を認識すれば問題解決は必ずできる,というポジティブな考えなわけで.そういう態度でいてこそ人間の英知は発揮されると思うので,昨今の地球環境の変化に対して,危機をあおるだけでなく,現状認識としっかりした取り組みで問題はなんとかなるということを主張し,何かしよう,では何ができるか,ということを世界中で考えるようになればと思います.

その一方,読者のコメントで「各国にはそれぞれおかれた状況があり,直面している問題にも歴史的背景があり,ひとつの方法で解決がはかれるとは限らない」といったものもありました.そうかもしれませんが,であれば,その状況と問題が起きた背景を踏まえて何ができるかを考えるべきでしょう.「できない」というコメントではありませんでしたが,何においても建設的な考えを探る姿勢が大事だと思います.
テレビニュースでも報道されていたので,多くの方々がご存じのことと思いますが,日産が2010年に電気自動車を発売するとかで.

日産自動車は2日、平成22年後半に日本と米国市場で発売する新型電気自動車(EV)を発表した。名称は、英語で「葉」を意味する「リーフ」。車体の色は、宇宙をイメージした青色とした。車体価格や具体的な発売時期は未定。(MSN産経ニュースより)

東京にいるときには,自動車なんてお金持ちの乗り物でしたから,さほど関心もありませんでしたが,金沢に来てからは自動車に乗る機会もぐっと増えて,運転するのも楽しいものだなぁなんて感じることもあったりするので,ちょっと気になります.

ちょっと気になるといいながら,基本的にクルマは走れば良いと思っているので,電気自動車の性能やら何やらの細かいところは気になりません.そのかわり社会基盤的な視点からどうかということは気になるところです.記事によると一回の充電で160km以上の走行が可能とのことで,まち乗りには問題ないと思いますが,ちょっと遠出するときには充電スタンドが不可欠ですよね.電気自動車で遠出するなと言われればそれまでですが,きっとそうもいかなくなるので,やはりそれらの整備が必要となるわけです.

今のガソリンスタンドに充電スタンドを追加することも可能と思いますが,どのくらいで充電が完了するのでしょう.ガソリンの給油であれば5分もあれば十分だと思いますが,さすがに充電は5分では無理ではないかと.となると充電待ちの行列ができてしまうか,あるいは今より広いスタンドが必要かもしれません.そんなものが都市部に作れるのかとわかりませんし,他の方法が考え出されるのでしょう.コインパーキングでも充電できるようになるかもしれません.さらにはスーパーやコンビニの駐車場でも.とにかく駐車場ならどこでも充電できる施設ができるかもしれません.まぁガソリンの取り扱いにくれべれば安全でしょうから,実現不可能ではないと思います.

となると,今までよりも電力消費量が増えるように思いますが,果たして今の日本の発電量で足りるのか.足りなければどうするのか.充電スタンドを設置するコンビニやスーパーやコインパーキングに太陽電池パネルが設置されるかもしれません.S〇ARPは新しい市場を開拓するかもしれませんね.天候に左右されていては安定供給が難しいとなれば,原子力発電所がより重要視されるかもしれません.果ては核融合の研究が進んだりするかも.あらゆるところに充電機能が配備されるようになったらスタンドはいらなくなってしまうかもしれません.ではスタンド跡地は何に使おうか?と.

一方で,電気が移動手段の命となった場合,送電線は今まで以上に死守されなければなりません.仮に大地震が起きても,ガソリン車であれば(スタンドが無事であれば)そこで給油して支援活動に周れますが,電力供給がストップして,輸送手段もないとなったらかなり厳しいのではないかと思います.電信柱を電線でつなぐのではなく,地震に強いチューブを開発して地下を這わせる方が強いかもしれません.街中に太陽光発電システムがあふれていればその必要もないかもしれませんが.

と,勢いで好き勝手書きましたが,ひとつの技術が社会の姿を変えてしまうかもしれないなぁと思うとちょっと楽しい一方で,まちを作る人たちは,そうした技術がどのような波及効果をもたらすか,考えることも必要なわけです.

私が大学生だった頃はレポートなどはフロッピーで提出,なんてこともありましたが,昨今の他のメディアの伸びを受けて,とうとうFDDメーカが生産撤退へ動き出しているそうです.

フロッピーディスク駆動装置(FDD)メーカー主要3社が生産撤退に動き始めた。ティアックは2010年4月に生産を終了する。ワイ・イー・データも終了の方向で供給先と協議に入った。ソニーは10年4月以降の計画は未定だが、他社と足並みをそろえる模様。記憶媒体が光ディスクなどに移行しフロッピーディスクの市場規模は09年にピーク時の30分の1以下にまで縮小。需要の減少が著しいため、生産を打ち切る。(日刊工業新聞より)

確かに,私もここ5年くらいでフロッピーディスクを使ったのは1度か2度くらいだと思います.しかもPCを起動させるのに止むなく使ったというかなり,かなりマニアックな使い方かつ消極的な理由です.普通のデータを持ち運ぶとか,誰かに渡すというときには100%使っていません.というかPowerPointのスライドですら2MBなんてちょっと超えてしまう今日,FDを使おうと思っても使えません.

少し前はかなり重宝がられたものが,あっさり他に取って代わられるのですから,使う方も追い付いていかないと.他からの記事によると,256GBのUSBメモリが発表されたとかで(Kingston Technologyより),いったいFD何枚分なのか,まったく想像もつきません.私のデスクトップPCのディスクと同じですよ.まだ半分くらい空きがあるというのに,こんなUSBでどんなデータを持ち運ぶのやら.

いずれもっと大容量のメディアも出てくるのだと思いますが,いったいどんな情報がそうしたメディアを必要とするのでしょうね.ちょっと前に温暖化実験のダウンスケーリング試験をした時は,一ヵ月ちょっとの期間のデータで100GBを超えたので,私としてはメディアがどんどん大容量になるのは嬉しいですが,ふつうの人は持て余すんじゃないかなぁと思います.

ビデオカメラで撮影した動画とかをには威力を発揮するように思いますし,テレビ局の保管庫みたいなところは省スペース化できて良いかもしれませんね.国立マンガ喫茶とか言われているメディアセンターも案外お金をかけずにできるんじゃないかと思ったりしないでもありません.

今日は日本の陸地で46年ぶりに皆既日食がみられるというところでちょっとしたお祭りでしたね.金沢大学もご多分にもれず,たくさんの人たちが屋外にでて空を見上げていました.残念ながらけっこう曇っていたので,見えなかったのではないかと思います.

私は「どうせみえないだろ」と冷めているつもりでしたが,やっぱり46年ぶりとなると気になるわけで,「ネットワークの発達した今日,きっとどこかで動画を配信しているはず」と,ちょっと調べたら案の定NHKで生中継がやっていました.

硫黄島からの生中継ということで,きれいな皆既日食がみられましたが,それに伴う様々な現象にびっくりしました.まず,日食の最中は本当に暗くなるというのにびっくりしました.解説委員の人によると,星まで見えたそうです.金沢ではそこまで暗くはならなかったように思います.次に,プロミネンスもはっきり見えて,感動しました.中学生のころ理科の授業で聞いたように思いますが,実際にこの目でみたのではないとはいえ,実際の現象をみるとすごいなぁと思います.ふだんの太陽では見えない紅い炎が本当にみえて,感心しきりでした.

次回日本で見られるのは2035年9月2日で,北陸や北関東でみえるそうです.26年後ということで,私は59歳です.たぶんまだ何かしら仕事に就いていると思うので,のんびり空を眺めるというわけにはいかないかと思います(土日を期待しましたが,月曜日でした).さらにその次はいつか,Googleで検索しましたが,みつかりませんでした.私が生きているうちには起こらないのかな.
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