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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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温暖化の影響が言われる昨今,日本ではもっぱら豪雨や豪雪といった「多い水」が話題となりますが,実は年降水量でみると減少傾向にあります.また,気候変化によって色々な現象の変動幅が大きくなることが予想されており,そういう意味では渇水被害の恐れがあることも忘れてはいけません.

そんな中,石川県の住宅メーカーが,雨水利用装置を契約した住宅の標準仕様として設置するとのニュースがありました.ふるさとメディア・北國新聞より.
ニューハウス工業(金沢市)は21日から、ニッコー(白山市)と共同開発した住宅の雨水利用システムを、契約した住宅すべてに標準仕様として設置する。タンクにためた雨水を屋根や玄関先にまく装置で、夏には体感温度を下げる効果が期待でき、冬の融雪に使える。ニューハウス工業はエコ住宅システムとして普及を進める。(北國新聞より)
記事に紹介されている雨水利用は,玄関への水まき・草花への水やり・洗車・融雪や屋根への散水による体感温度の低減効果といったものだそうです.
水を大事に使おうという姿勢は素晴らしいと思いますが,使い道がちょっと物足りない感じがします.紹介されているような使い方は,日常生活の中では「必須」とはいえないと思いますし,住まい方によっては必要ない方も多くいると思います.と考えると,節水の効果も大きなものは期待できないのではないか,と考えざるを得ません.

日常的に必ず使う水を雨水で代替,あるいは水道水との併用を実現してこそ節水につながるように思いますが,まだそこまでの技術には至っていないということでしょうか.
飲用や風呂・洗濯の水は雨水を直接利用することには抵抗があると思いますが,トイレなどは問題ないように思います.家庭で貯留した雨水を処理できる小さく簡便な装置が開発されれば,洗濯くらいに使えるようにはならないものでしょうかね.また,冷房も屋根に水をまくだけでなく,外壁の中を通すとかしたら効果はどうなのでしょう.水の熱容量は大きいので,温まりにくいのではないかと思いますが.

まぁ何もしていないくせに文句ばかり言うのも申し訳ないので,まずは雨水利用が標準仕様となった住宅が出てきたことをきちんと評価しましょう.今後は家庭内での使途を広げ,実効性のある節水につながるようなシステムがいつか出来上がることを期待しましょう.
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2000年前後の日本の宇宙開発においては,相次ぐロケット打ち上げ失敗など厳しい状況が続いていましたが,近年はロケット打ち上げ等の失敗もなく良い成果をおさめるようになっています.その背景にあるのが「システムズ・エンジニアリング」というものだそうです.MSNデジタルライフより.

相次ぐ失敗を経験し,宇宙航空研究開発機構(JAXA)は業務改革のひとつとしてシステムズ・エンジニアリングを積極的に取り入れたそうです.
システムズ・エンジニアリングとは英語ではSystems Engineering,略してSEだそうですが,よく耳にするIT関連の情報システムとは異なるものでだそうです.世界的なシステムズ・エンジニアリングの団体によるとシステムとは「多くの要素や部品が相互に絡み合って定義された目的を成し遂げるためのものであり,ハードウェア,ソフトウェア,人,情報,技術,設備,サービスおよびその他の要素を含む」と定義されるそうです.
この記事にある宇宙開発から発電,金融,行政などがシステムにあたります.
そのシステムを成功裏に実現させるための複数分野にまたがる手段がシステムズ・エンジニアリングだそうです.

大規模かつ複雑なシステムをつくる場合,色々な要素を調整しながら全体最適化を行いシステムを実現する必要があり,そのためにシステムズ・エンジニアリングが必要です.米国ではMITやスタンフォード大学をはじめとする80以上の研究教育機関で体系的,実践的に行われているそうです.

日本でも,慶應大学が2008年にシステムデザイン・マネジメント科を開設したそうです.対象は多岐にわたることと思いますが,膨大な技術や情報があふれる現代と未来においては,それらをまとめてひとつの目的を達成することが不可欠だと思います.そのためには,それらを以下にマネジメントするかが大事なわけですが,あるシステムがそれを統括する人の生まれ持っての素質に依存するというのでは,多様な問題には対処できないと思います.そうした意味で,システムズ・エンジニアリングを体系的に身につけることができるプログラムは今後重要になってくるのではないかと思います.

社会基盤は多様な要素の組み合わせによって国土を作る技術であり,まさにシステムズ・エンジニアリングが必要とされる分野です.土木分野でも,それを研究し教授する人が必要となってくるのではないでしょうか.
毎月(?)土木学会からふたつの論説が公開されていますが,今回はふたつの論説とも面白いと思ったので紹介.記事はこちらから.

ひとつめは,リバーフロント整備センター理事長の竹村公太郎氏の「文明の頂点にて」というもの.
文明の盛衰を人口の変化と対応するものと考えると,今後人口減少が見込まれる日本は現在がその文明の頂点であると.ただ,これから下り坂ということを嘆くのではなく,そこにおいては過去を振り返ることと将来を見通すことの両方が可能であり,これからどうすべきかをしっかりと考え未来にむけた準備が必要であるとのことでした.具体的にどうすべきかということについても,いくつか述べられていました.それらに対しては色々な意見があるとは思いますが,いずれにせよ今を未来が見通せる時代として捉えるというのは大事な視点かと思います.

ふたつめは日経新聞論説委員の塩谷氏の「アカデミズムの存在理由」.
事業仕分けによって危機にさらされた科学者たちが,その必要性を一斉に声高に叫びだしたことは,これまでの説明不足を棚に上げた既得権益の擁護ではないか,と述べています.また近年,科学技術が国民の生活に近づき「公共事業化」の感を帯びてきたとも.そうした中で,これまでも社会に対する役割を果たすという使命を帯びながら研究に取り組んできた土木は,社会に対する説明を必要とされるようになった科学界の中でもひとつの指標となり得るのではと述べています.
常に社会の問題に取り組んできた土木は,今後の課題に対しても科学技術の必要性を明確にできる分野であるし,今の流れに乗って積極的な発信をしてはどうかというものでした.

ふたつめの話題に関しては,最近も研究者が情報発信しなくてはいけないのでは,とここにも書いたばかりだったのですが,特に土木系はその土壌があるということには気づかなかったので,「ああそうかもしれないな」と感じました.
その一方で,必要性がすぐさま主張できない学問分野が弱くなってしまうのでは,と思うところもあったりするので,全研究コミュニティとしてはそれだけではいけないのかなとも思ったりもします.

とはいえ,今回の論説はぜひご一読を.
たまにですが,私の窓から見えるキャンパス内の広場にたくさんのカラスがやってきて草をつついている姿をみかけます.角間の雪もだいぶ融けて,地面がみえるようになったせいか,今朝は久々にそんな光景を目にしました.餌になるようなものが落ちているとは思えないのですが,一体何をしているのでしょう.

それはさておき,たくさんのカラスを見ながら思ったのですが,生まれてから今日まで33年と半年,カラスの死骸というものを生で目にしたことが無いように思います.自分たちの死が人目につかないように,死期が迫るとどこか遠くに行くのでしょうか.
金沢は比較的自然環境が近いので,そうしたことが可能だと思いますが,東京のような場所だと人目につかないところまで飛ぶのはそこそこ大変なように思います.

カラスだけでなく,ハトにしろ雀にしろ,あまり死骸をみたことがありません.みたことがあっても,自然死ではなく事故が原因と思われるものばかりのように思います.

猫は死期が近付くと姿を消すといったことを聞いたことがあるように思いますが,他の動物たちもそうなのでしょうか.どうでも良いことかもしれませんが,気になったので.
冬休み気分も昨日までで,今日から大学生活の新しい一年のスタートですが,年度という枠の中で活動していると「新しい」という気分もあんまりありませんね.メールを確認すると「年度末に向けて…」「新年度からの…」といった文面のものも多く,結局区切りは別にあるわけですから.

そう考えると,お正月に「今年は…」みたいな抱負を立てたところで去年のことに引きずられてしまうわけですから,いちど全ての枠をとっぱらって,年度と暦の始まりを合わせてしまえないものですかね.そうすれば忘年会とか新年の心構え的なものも意味のあるものになるようにも思いますし.すでに平成22年になってはいますが,書類上は「平成21年度」となっていたりして,ややこしい上にやっぱり気分は新たな感じではありませんし.

話はかわりますが,年末年始は帰省して東京で過ごしており,大荒れの東北や北陸とは打って変わって晴天の日が続き,暖かい中で過ごしたので,昨日金沢に戻ったときにはさすがに参りました.バスを待つのも寒いし,夜は布団に入ってもあったかくないし.そのうち「金沢に戻ってきたなぁ」なんて,ちょっと楽しみながら実感できるようになったりするかもしれませんが.

またまた話は変わって,今日からお仕事は始まりですが,メールも少ないし,まだ来ない学生もいるし,なんとなくのんびりした感じです.とはいえ,こうした時期にこそ,忙しいときには後回しになりがちな,がんばらなくても処理できる業務は進めなくてはなりません.ちゃっちゃと仕事をして,いつくるか分からない忙しさの波に備えねばなりませんから.

そんな感じで新年初記事はまったくの雑文ですが,今年も色々やりたいことは山ほどあるので,がんばりたいと思う所存でございます.
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