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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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テレビのニュースか新聞か忘れましたが,文系より理系学生の方が収入が高いとの調査結果が出されたそうです.サイエンスポータルにも同様の話題が公開されました(こちら).

リンクのある京大のプレスリリース(こちら)のほうには,調査の目的などが詳しめに書いてあって,そもそもは「理系は文系より収入が低い」といった通説(?)を検証する目的だったとのこと.
年代別の平均収入の比較も公開されていて,結果としてはすべての年代で理系卒の人の収入が文系卒を上回っていました.

あくまで平均ではありますが,「理系は報われない」といったイメージは必ずしも正しくないということが言えるかもしれません.「会社で上に立つのは文系」という方もいるようですが,文系卒の誰もが上にいけるわけではないとすれば,進路を決める際に理系に進んだ方が高い収入が得られる可能性が高いともいえるかもしれません.そんな打算的な考え方は若者にふさわしくないかもしれませんが.

まぁ理系を選ぶというのも比較的ロマンティックというか夢見がちな妄想に基づく場合もありますから,それに少し現実的な憧れを加える要素があっても良いのではないかとも思います.その結果,今回の調査結果が進路を決める若い人たちに影響を与え,いずれ日本の科学界にもプラスになればと思います.
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私は知らなかったのですが,どうやら世の中には「科学裁判」という言葉があるようです.それに関するシンポジウムが開かれたそうですが,その中で,裁判官や司法関係者の多くが統計学を理解していないという指摘があったそうです.サイエンスポータルより.

具体的な例として,確立というものが理解できない結果「95%の確立で○○」という科学者の証言に対して,「残りの5%はどうなのか」ということが論点にされ,「5%」の方が勝つということが日本の法廷ではしばしばあるそうです.数字的には95%というと,何らかの事象が生じても(あるいは生じなくても)仕方がないように感じますが,残りの5%に賭ける裁判の当事者もいるわけですから,そこは数字の持つ意味だけでなく心情などがプラスされるために,純粋に数字として見ることができないのかもしれません.

そうした心情的なものはさておき,統計的な意味合いを理解できないということは,証拠を吟味する上では致命的なように思います.被告・原告の立場の方々はそれもやむを得ないかもしれませんが,司法関係者は事実を客観的に評価する立場にあるわけですから,「苦手」では済まされないように思います.

記事にあるように「司法関係者の多くに科学リテラシーの低下があるのでは」ということになると,客観的な証拠の提示も無意味なものになってしまうように思います.司法界に進む方というのは文系の方が多いのだろうと思いますが(私の大学の先輩は医学部を卒業して司法試験に受かった人がいましたが),難しい数学などはわからなくても,数字をどう受け止めたらよいか,場合によっては数字にだまされないように読む,そうした力は持っていた欲しいと思います.

公共交通機関に関する支援を強化する方針とか.聞こえは良いように感じますが,記事を読むとちょっと残念な幹事です.
国土交通省は19日、経営が厳しいバスやフェリーなどの公共交通機関を支援するため、2011年度概算要求で、今年度予算(193億円)の倍以上にあたる約400億円を要求する方針を固めた。

菅内閣が、高速道路の原則無料化方針でフェリー会社などの経営を圧迫しながら、地域交通支援の予算を増やすことで、バラマキ批判や、政策の矛盾を指摘する声が強まりそうだ。(YOMIURI ONLINEより)

記事にもありますが公共交通機関の経営悪化には高速道路料金割引などが影響を与えていると思われるわけですが,それを棚に挙げて補助金増額ってどうなんでしょう.車での移動の方が安いとなればそちらを選ぶのが消費者心理というものでしょうし,となれば結果は自ずと予想されそうなものですが.経営が傾いたときの対応まで考えたうえでの施策ならまだしも,この対応は「ちょっとなんとかしないとヤバそうだな」ってことで手を打つことにしたとしか思えません.

そんなビジョンを持たない内閣への苦言が猪瀬直樹氏のコラムに呈されれおりました(こちら).記事は菅総理の文民統制への理解に言及し,安全保障に関する国家戦略をきちんと持つべきという論調ですが,どの政治的課題に関しても戦略・長期ビジョンは不可欠なわけで,首相一人でそれを作り上げるのが難しいのであれば,それを担当する人材なりをきちんと確保して欲しいです.

しがない大学教員がこんなことを考えても仕方ないかもしれませんが,自分の暮らす国のありように関しては何らかの思いを抱くのが当たり前だと思いますし,迷走する政府の姿を日々目の当たりにしていたらそれも尚更のこと.政治家の方々はこうした市井の声を「外野がわいわい言うな」といわず,きちんと受け止めて職責を全うして頂きたいと思います.
科学技術振興機構の調査で,小学校教員を養成する大学・短大の学生の半数以上が理科を教える技能に自身がないと考えていることが明らかになったとの話題.サイエンスポータルより.

「理科専修を除く学生の半数以上」ということなので,理科の先生を目指す人には当てはまらないのだと思います.そう思いたいです.
ということであれば,理科は理科の先生に教えてもらえば良いし,その方が良い授業が受けられると思うので,問題はないのではないかなぁと思うのですが.はっきり覚えていませんが,小学2年生か3年生の時には理科の先生に実験を教わったりしているような気がします.自信がないと答えていても,低学年にであれば教えられるのではないかと思います.

物理の指導に関しては「嫌い」「大嫌い」と答えた学生が7割以上だそうです.大学に入ってからの物理はレベルが高くなったので,なかなか面白いと感じることは難しかったですが,高校の物理は面白かったし,好きでしたけどねぇ.そういう学生は理科専修を選択するのかもしれません.

小学校での理科教育がどうなっているのかわかりませんが,先生が「理科が嫌い」というオーラを出していては,子どもたちもそうなってしまうのではないかと思ったりもします.子供たちには「理科は楽しい・面白い」という雰囲気の中で理科を学ぶ環境を作ってあげて欲しいと思います.
アラスカの都市が水の輸出を検討しているという記事。National Geographicより。
人口が少なく、広大で深い湖に恵まれたアラスカ州は、世界の水不足を解消できるだろうか。大量の真水を船で運ぶことは輸送上の問題が多く容易ではないが、ある野心的なアメリカ企業は水資源の輸出が可能であると確信している。(National Geographicより)
使用されずに流下する分を輸出するので問題ない、という主張もなされているようですが人間が使わない水でも環境にとっては必要な場合もあると思いますが、影響はどうなんでしょう。日本では河川においては維持流量という概念があるので、取水の際にも一応環境への影響を考慮しているのですが。
記事によると輸出するのはダム湖の水で、その8%だそうなんで、影響は小さいのかもしれません。

それよりもビジネスとしてペイするのかというのが懸念されているらしいです。また、反対運動をする団体は、輸出によって水不足が深刻な地域の水問題は解決されないし、雨水の効率的な活用を促進するなどする必要があると述べているとのこと。確かにそちらが先決のように思いますね。

日本でも近頃水ビジネスが話題ですが、そこで考えられているインフラ輸出とは全然違いますわね。どちらが持続可能性が高いのか、環境に即した方策といえるのか。大量の水を持ってくるというのは力技のようにみえますし、最新技術を駆使したインフラ精微の方が人類の仕事として魅力的なように思うのですが、どうなんでしょ。
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