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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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もう火曜日のことになりますが,「第4回 今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」に関する議事録が公開されました(こちら).といいつつ,まだ読んでいないので何も書くことはないのですが…

内容には何もいえませんが,今回の議事録もかなりのボリュームかつ話し言葉をそのまま起こしたもので,読みごたえはありそうです.来週あたり読みたいと思います.


これでおしまいというのもイマイチな気がしたので,別の記事も紹介.
サイエンスポータルにて妹尾堅一郎・東京大学特任教授の講演.記事はこちら

まずは日本という国が高い技術力を有していながら,マネジメント力がないがために国際市場で勝つことができないということが述べ,これからは,技術をマネージする力,「知を使う知」の時代が到来していると主張しています.「良いものを作っていれば買ってくれる」という考えでは国際市場では取り残されるということだそうです.

ここで,技術力のマネジメントは,特許を取得し単に売り込むだけではなく,時に技術を専有せずオープンにし,そのことで市場を活性化し,自分たちの持つ技術へのつながりを広くし,結局は自らの利益を得るというビジネスモデルもあり得るとのこと.オープンソース化し,ユーザを増やすことが発展につながるということでしょうか.

また,技術の発展には,今あるモノを磨くだけでなく,「創新」=イノベーションが必要だということを強く主張しています.真空管を磨いても半導体はできない,黒電話を磨いても携帯電話はできない,とわかりやすい例をあげています.
機能はいまあるものの延長上にあるとしても,その実現には全く新しい技術を採用することでイノベーションが実現されると考えると,意外とイノベーションも実現できるんじゃないか,と思えてきます.

日本人は技術を取り込んで,それを改良することが得意と良くいわれますが,それだけでは十分ではなくなってきているということを認識し,技術開発・モノ作りに取り組めば,面白いものが出来てくるような気がします.
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国交省より,第3回「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の議事録が公開されました.リンクはこちら

40ページにも及ぶ議事録なので,読むのは大変ですが内容はおもしろいです.
おもしろいというか,議論が白熱している感じが伝わってきます.各委員が好き勝手言っていて,果たして収まりがつくのだろうかと思わないでもありませんが,十分な知識を持ち,それぞれの治水観のようなものを培って来た方々のやりとりですから,遠慮なく意見の応酬がなされているのではないかと思います.適当なところに落とし込めば良いだろうといった感じではなさそうで,ちょっと嬉しいです.

感想はさておき,内容はというと,前半は関東学院大学の宮村忠先生による情報提供で,こちらは資料なしで議事録だけ読むと正直つらいです.
後半はそれこそ思い思いのことを言っていますが,ケーススタディが必要ではないかというのは共通した意見のようです.ただし,実際の河川や流域でなくとも,とにかくひとつの対象についてとことん考える必要があるのではないかということのようです.
また,仮にひとつの治水計画を立てるとして,担当する行政の内部でも,あるいは提案するコンサルでも,多様な意見を持ち寄って議論をするべきとの意見もありました.治水方策は多様ですし,組み合わせも多様ですから,意見も多様で然るべきですから,ぜひそうなって欲しいと思います.事業を進める効率性は落ちるかもしれませんが,効率ばかりを求めた結果が今日の河川行政ですから.

あと,治水技術などに関してもっと研究すべきという意見もありました.最近は環境をテーマにした研究が多く,箱庭みたいなことをやっているという厳しい発言でしたが.背景として,社会が環境一辺倒であるとか,治水技術の研究をしても予算はとれないし,研究者としては評価されにくいといった土壌があるとも書かれていました.確かに重要なことはわかりますが,どこか古い臭いがするのは否めないと思います.こんなふうに(一応)若手研究者の私が思うのはいかんことかもしれませんが.研究とはいかなくても,せめて勉強くらいはしないといけないのかもしれません.

まぁ40ページを簡単にまとめられるわけもなく,ここに書いたのはほんの一部でしかないので,関心のある方には読んで頂きたいと思います.
ちなみに,話し言葉をそのままワープロ打ちした感じなのでかなり読みづらいですが.

全国知事会が出先機関改革案の中で全一級河川の移管を要求するそうです.47ニュースより.
全国知事会プロジェクトチーム(PT)は22日、国の出先機関改革案を固めた。国土交通省地方整備局が管理している1級河川109水系に関し、すべての整備や管理の権限を都道府県など地方に移すよう要求。国の出先機関の事務は、半分以上を地方に移すべきだとした。事業の経費は交付金などで財源を確保するよう求める。(47ニュースより)
各都道府県が地元の一級河川の整備と管理を実現することができれば,すでに所管である河川と合わせて一元的な管理が可能となるでしょうし,流域管理という観点からも良いように思います.また,職員の異動の観点からしても,都道府県職員の方が一つの河川と長く付き合うことが可能でしょうから,それもまた河川管理の観点からは良いように思います.

あとは,権限が移管された時に実際に整備・管理を担う人材です.地域が主権を持った時に,何が理想的な河川整備・管理なのか,その実現には何が必要で,どうすればよいのか.そのために基本的な知識を身につけ,考える姿勢と力を持った人が必要になってくるはずです.主権が移管された時はわかりませんが,現時点では都道府県庁には各地域の大学を卒業した学生が就職するケースが多いと思いますし,彼らへの期待も高くなるのではないかと思います.

そのような中では,地方大学の土木系学科を卒業した学生へ求められることは自然と高まるはずです.河川行政に限らず,地域づくりにおいても,それら学問の基礎などを学んだ人材なしには主権が委譲されたところでその可能性を十分に発揮することは容易ではないと考えられます.
しかし残念ながら,現在のところ土木系学科の人気はさほど高くありませんし,土木系学科の無い大学もあります.また,さらには理系離れなんてことも言われています.そうした中で,多くの優秀な土木系学科卒の人材が,十分地域に供給されるのかが懸念されても良いように思います.

地方・地域が主権を持つことは良いことだと思います.しかしそれと併せて,将来必要となる人材をどのように育て,獲得していくのかという点についても考え,議論して欲しいと思います.
国交省による「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の第3回会合の資料が公開されました(こちら).

今回は関東学院大学の宮村忠先生を招いてのヒヤリングが開催され,利根川で発生した洪水時の水防活動の様子などが紹介されていました.
私は実際の水防活動を目にしたことはないので,写真であってもそのような資料を目にすることができるのは非常に参考になりました.水防活動中(被害を食い止めている時点)の様子なので,漏水の程度は大規模なものではありませんが,こうした活動がなければいずれ大規模な水害につながる可能性もあることを考えると,多くの人が参加することは重要なのだろうと思います.

参考資料として「今後の討議に向けての主な論点」というのがまとめられていましたが,非常に多くの論点が挙げられており,そのいずれもが無視できないものなので,今後もしっかりとした議論が続けられていく必要がありそうです.

論点は多いだけではなく,内容も多岐にわたっており,河川構造物から地域計画や温暖化の影響など,様々な分野の専門家による議論や検討が必要であろうと思います.それを実施するとなると,多くの人の参加が必要ですし,とりまとめもかなり大変だと思います.
これを,そんなに「大げさにやらなくても」と考えるか,「これを機会に時間と労力をかけて,長く参照できるしっかりと治水技術資料を作り上げる」と決意するかで,今後の治水行政も変わるかもしれません.
個人的には,大変とは思いますがしっかりとした議論を行い,その成果を後世に残して欲しいと思います.
国交省から「今後の治水対策のあり方に関する意見募集について」というお知らせが公開されました(こちら).今後の検討の参考とするとのことですが,どうなのでしょう.

広く国民の意見を聴くという意味では良いことのように思いますが,公開されている意見提出様式には「幅広い治水対策案の具体的提案」,「新たな評価軸の具体的提案」というふたつの欄があり,けっこう専門的な意見が求められているように思いますし,一般の方々にはちょっと重いのではと感じないでもありません.

と思いましたが,良く考えると現在設置されている有識者会議は専門家とはいえ限られた人数でしかありませんし,それに対して河川工学や水文学の研究者はそこそこたくさんいるので,有識者会議に入らない専門家からの貴重な意見の汲み上げが期待できるのかもしれません.そう考えると有意義ですね.はい.

もちろん有識者の方々からも貴重な意見が出されると思いますが,人数と同じく知識も限定的なものでしかありませんから.また,一般の方々からの意見も得ることができれば,国民が何を望んでいるのかを直接知ることができますし.今までこうしたプロセスがあったのかどうかわかりませんが,国民の声を直接国づくりに反映させることができる(かもしれない)良い試みなのかもしれません.
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