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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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M7クラスの首都直下地震の4年以内の発生確率が70%と試算されたとの話題.MSN産経ニュースより.

首都直下型などマグニチュード(M)7級の地震が南関東で4年以内に発生する確率は70%に高まった可能性があるとの試算を、東京大地震研究所がまとめたことが23日、分かった。南関東のM7級の確率を30年以内に70%としている政府の評価を大きく上回った。(MSN産経ニュースより)

4年以内で70%って,結構な確率だと思うのですが,どうなんでしょう.確率の問題だし,不確実性もあることではありますが,自然災害はいつ起こってもおかしくないということに関してある程度のリアリティを持って感じることのできる今,当然のことながら危機感を感じる人も少ないのではないかと思います.

個々人としての備えはそれぞれ取り組むしかないとして,首都圏に大きな地震が起きた際の国としての対策は万全なのでしょうか.国の中枢機能が集中する地域に大きな被害が生じた時のバックアップや代替機能は十分なのでしょうか.あるいは中枢機能が壊滅的に損なわれることはないだけの地震対策ができているのでしょうか.

少し前に災害時の代替首都のようなものを考えるといった動きもあったように思いますが,今もどこかで誰かがきちんと進めているのでしょうか.喫緊の課題に対応することはもちろん不可欠ですが,今回の記事を読むと,遠くない未来への備えはなされているのか気になります.
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今夏までに打ち上げられる予定の地球観測衛星「しずく」が完成したとの話題.MSN産経ニュースより

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日、水の循環を地球規模で調べる水循環変動観測衛星「しずく」の機体を筑波宇宙センター(茨城県)で公開した。今夏までに打ち上げる予定で、気象予報や地球温暖化対策などに役立てる。(MSN産経ニュースより)

「しずく」に登載されるマイクロ波放射計AMSR2は,その前身であるAMSR-Eの後継ですが,昨年10月にAMSR-Eが観測を終えたため,少しでも早く打ち上げて欲しいと思います.というのも,私の研究ではAMSR-Eによる観測データを使っておりまして,それが止まった時には正直なところ「え!?」と焦ったもので.
ただいま,地上からの観測を実施しておりますが,それとマッチアップさせるためのAMSR-Eのデータがないのは研究としてはかなり大きな痛手なので,AMSR2による観測が待ち遠しい次第です.

記事では地球温暖化や気候変動に関する研究への貢献がメインのように書かれていますが,日々の気象予報へ活用するための研究も進められていますし,不確実な遠い未来を議論するだけでなく,生活に近いところで活躍する可能性があります.そういう意味では,研究のための科学技術ではなく,人々のくらしに役立つ科学技術でもあります.

まだ活用技術は完全には確立されていない部分もありますが,幅広い可能性を秘めているはずで,私もかじっている身としては打ち上げの成功を強く願う次第でありますし,そのデータを使ってがんばって研究したいと思っております.ということで,万全の態勢での打ち上げ成功を期待しております.
原理はわかりませんが,人間が時を止めることに成功したという話題.

米国防高等研究計画局(DARPA)の支援を受けたコーネル大学の研究チームが、光を調節することで、40ピコ秒(1兆分の40秒)の間、時を止める=出来事を「消す」ことに成功した。(MSN産経ニュースより)

太古の中国では時を知ることは天を司ることに近づくとかいうことで,時計は皇帝の持ち物だったとかいうことを何かで読んだことがありますが,知るだけにとどまらず,それをコントロールできるとは.といっても,実際には時を止めるというよりは,「出来事を消す」だそうで,観察されずにある出来事を起こしたということのようですが.

あくまで今,あるいはこれからの時間を操作(?)することのようなので,過去をどうこうするということはできないようですが,いずれにせよ何だかすごいんでしょうね.頭の良い人は,きっと応用する方法を考え付くのでしょうが,私にはさっぱり思いつきません.これが,自然と人間を少しでも豊かにする方法ができると良いですな.
安定かつ十分な電力供給をいかに実現するかということに関して,清水建設が大胆な構想を練っているとの話題.毎日新聞より.

昨年は、東日本大震災と原子力発電所の事故で、エネルギー問題を考え直す年になった。その一方で、将来にわたってエネルギー問題を一挙解決できるかもしれない夢の技術についても構想や開発が進んでいる。日本発の技術が世界のエネルギー問題の解決に大きく貢献する日が来るかもしれない。

一般家庭以外に、遊休地に太陽光パネルを敷き詰めるメガソーラーも広がりつつあるなか、巨大な太陽光発電所を月に建設するという構想がある。大手ゼネコンの清水建設が提唱する「ルナリング」構想だ。(毎日jpより)

今の技術では到底実現できることではありませんが,発電量の資産や施工に必要な資材や作業員の調達等についても細かに(?)検討されており,各課題をクリアしていくことで事業が実現できるのではないかとも思えてきます.清水建設のウェブサイトでは内容がより詳しく紹介されています.

今は夢物語かもしれませんが,それを追うことによって様々な技術が進歩していき,色々な分野への応用にもつながると思いますし,一見荒唐無稽と思われるアイディアでも,それを実現しようとする熱意を頭ごなしに否定するべきではないと思います.

日々の雑多な現実に対処していくとともに,すぐには実現できそうもない,大きく楽しい目標を常に抱きつつやっていきたいと思う年初でありました.
国立情報学研究所の「人口頭脳プロジェクト」のイベントに関する記事が朝日新聞にて紹介されていました.

コンピューターに東大入試を突破させよう――そんな研究プロジェクトを、国立情報学研究所が立ち上げた。人間の言葉を理解し、「常識」を併せ持つ人工知能の開発を目指した試み。東京都内で14日開いたシンポジウムで、10年後に「合格」という目標を掲げ、研究への参加を呼びかけた。(asahi.comより)

ということで,「ロボットは東大に入れるか.」というイベントの記事のです.プログラムは公開されているのですが,講演資料などは無いようでした.一般向けのイベントであれば,公表して良いものなのでしょうから,ウェブからも公開してくれれば良いのに.

どういった情報をどのように処理させることで,人が考えるようにコンピュータに問いを解かせるのか,非常に面白そうです.コンピュータはあくまで処理の方法を人が教えることで動くわけですが,入試問題を解くというのは処理の方法を考えるところも問われているわけですから,まずその選択が難しいのかもしれません.
でも,まずは科目を認識して,次にどの種の問題か(数学であれば図形,微分・積分,確率など)を判断して,適切な問題解法を選択するという流れを作れれば,案外できてしまうのでしょうか.

でも,記事にある通り文章から意図や状況を読み取るというのは難しそうですよね.単語はデータベースに格納できたとしても,それらが連続した時に意味することは,様々な場面で変わりそうですし.国語とか社会とかは苦手なのではないかと思います.

コンピュータが単に命令を処理するだけでなく,複数の情報の関連性やそれらの間にある論理性を考えて,何らかの出力(=意見や仮説?)を出すようになったらすごいですよねぇ.人間は頭を使うと疲れてしまったり,生きる上で様々なやるべきことがあって,ひとつのことをずっと考えていられませんが,コンピュータは電力が供給されて,機械部分が故障しなければずっとずっと考えていても大丈夫でしょうから,もし本当に人間のように考える力が実現されて,ずっと何か考えていろと動かされていたら,どんな結論を出すのかちょっと楽しみです.

10年後に東大合格を目指すという目標,入試問題を解くことに特化すれば実現できるかもしれませんが,それは必ずしも人間と同じように考えることにはならないでしょうし,人間のように考えられる人工知能ができるにはもっと時間がかかると思います.あるいは,もし実現できるとしても,実現しないほうが良いのかもしれません.でも,いずれにしても面白そうだし,うまく使えば役に立つ技術ができあがるように思います.

それにしても,上記の記事は朝日新聞デジタルの購読をしないとすべて読めないようで.私は朝日新聞を購読しているので,そうした購読者にはデジタル版も読めるようにIDとかくださいよ,と思うのですが.まぁ別途運営費用がかかるのだから,コストは負担するべきというのもわからないでもありませんが.
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