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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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明日は国公立大学の入学試験ですね.今頃受験生の皆さんは試験に備えてしっかり体と頭を休めていることと思います.
我が金沢大学を受験する学生の皆さんもたくさんいらっしゃることと思いますが,我々が何を目標に,どのように行動して行こうとしているか,それを表明したアクションプランが最近公開されました(こちら).

アクションプランでは教育・研究・地域連携・運営の4つの項目に関して基本方針と基本計画が示されています.基本方針に関してはいずれもそれなりのように思いますが,基本計画については研究と地域連携の項目がやや弱いように思います.というか,総論的な内容で,具体的な内容に乏しいといいましょうか.

もっとも研究に関しては学科(学類)が多岐にわたるため,そのひとつひとつに具体的な項目を挙げていてはきりがないと思うので止むを得ないかもしれません.地域連携のためにはその地域の自治体や民間企業との連携が不可欠と思いますが,そうした民-学の連携も比較的新しいものであり,確固たる地盤はまだできていないのかもしれません.

そう考えると,こうしたアクションプランは必ずしも外向きのものではなく,金沢大学で働く我々教職員に向けられたものであると捉えるべきものなのかもしれません.実際,このアクションプランが公開されるまではその内容すらあまり声高に伝わっては着ませんでしたし.
なので,このアクションプランを教職員が理解し,頭の片隅にでもおいておきながら日々の業務や研究に取り組むことでその実現に近づくのではないかと思います.

ちょっと前にも似たようなことを書いたように思いますが,大学を良くするにその方向性や目標を一度くらい目にしておいて,無意識にそれらに沿うように取り組んでいくというのが自然な形での成長につながるのかもしれません(自然まかせの成長ばかりでなく,がんばって成長することも必要だと思いますが).
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サイエンスポータルにて,大学院進学時に,元々在籍していた大学・高専と別の機関を選んだ時の移動の効果に関する記事が掲載されていました(こちら).

調査対象となったのは全国の12大学の理工系大学院の修士2年生ということで,サンプルとしては限られているように思いますし,対象となった大学も一般的といってよいのかどうか気になるところでしたが,まぁ参考にはなるのかもしれません.

結果としては,大学院進学時に移動した学生の方が博士課程への進学予定者の割合が高いということと,大学院の教育・研究をより肯定的に評価する傾向があったそうです.慣れた大学,研究室をわざわざ離れるくらいですから,意欲の高い学生が多いうということなのでしょう.

私も学部から大学院に進学するときに研究室を変わりましたが,結果として良かったと思います.土木という広い知識が要求される分野では特にそうかなと思いますし,研究内容だけでなく異なる研究スタイル・環境にふれることや,多くの人との出会いは学問的な成長に加えて人としても成長の機会を得られるのではないかと思います.

記事は最後に「調査結果は東大を頂点とする大学の序列化がはっきりしている日本の場合,上の序列への方方向の移動となりがちで,各地に有力大学がある米国のようには学生の流動化が進んでいない」としており,この点はやや問題というか残念な気がします.
地方大学では成長した学生が他の大学へ進学してしまい,他大からの優秀な学生はあまり来ないというのでは地方大学は疲弊する一方ですから.

優秀な学生が来たくなるように大学が努力すべきだという意見ももっともです.そのためには優秀な教員・研究者に対して良好な研究環境を提供することも必要ではないかと思います.となると,大学だけではなく文科省の協力も重要なはずです.
現在の日本の大学のあり方を文科省がどう考えているのかわかりませんが,各地に優れた研究能力をもった大学を確立し,切磋琢磨し研究者や学生の流動を促進し,刺激を与えつつさらに成長するようにしたいと考えるなら,地方大学重視な視点もあっても良いのかなと思いました.
「地域大学サミット2010」というのが1月14日に開催されたそうで,その中での山形大学の結城学長による基調講演がサイエンスポータルに紹介されていました(記事はこちら).

運営費交付金が減額され,法人化に伴い経営権が大学に任され,経営実績や成果が厳しく評価されるようになった中で,どのように大学経営にはどのような方向性があるのか.内容は決して目新しいものではありませんが,裏を返せば今までも言われて来たことが実現されていないから,依然として同じことが言われるということかもしれません.結城学長も,学長や理事レベルの執行部の意識は変わったものの,一人一人の教員や職員レベルでは十分な意識改革がなされていないと述べています.

私が学生からスタッフのとして大学に関わるようになったのは法人化後だったので,働き方が変わったかどうかはわかりませんが,自分が学生だった頃と現在とで大きく変わったと感じることは今のところありません.「法人化してこう変わった」(望むらくは「こう『良くなった』」ですが)ということは,まだ言えないように思います.
法人化前から確固たるアイデンティティを持っていた大学はそれでも良いかもしれませんが,記事にあるように少子化,全入時代が現実のものになるかもしれないことを考えると,地方の大学は自由に経営できることを最大限に生かして特色と魅力を持っていく必要があるのかもしれません.

結城氏が学長を務める山形大学では学生が主役となる大学づくりと,教養教育の充実を基本方針として改革に取り組んでいるそうです.学生が学びたい学問を大学が提供するとともに,最低限の教養を備えた人物を育成するという明確な目標のもとに,カリキュラムを組んでいるとのことで,講義を担当する教員は大変だと思いますが,そうすることで大学の将来を切り開かねばならないと決意して取り組めば,「芯」のようなものができて,それを特色とした大学ができてくるのかもしれません.

私のような下っ端はなかなか具体案を挙げて改革を進めるということは難しいですが,それでも大学が地域の中でどうあるべきか,そのために何が必要かということを普段から考えておくことは決して無駄ではないと思います.普段から何となく気にしていることによって,改善のための努力が当たり前のことになると思いますし,結局はそれが少しずつ大学を良くし,成長につながるのではないかと思います.
日々の活動に追われて次々仕事をこなしていくばかりでなく,じっくり考えて取り組む姿勢も大切にしたいものです.
大学入試センター試験も終えて,国公立大学への入学を希望している学生の皆さんは2次試験のための出願準備をしている頃かと思いますが,金沢大学では出願状況を公開しております.

ということで確認してみましたが,理工学域ではどの学類もまだ出願者が0でした.ずっとこのままなんてことはあり得ないわけで,どこの大学を受験するかまだ検討中の学生さんが多いということでしょうか.

他の大学はどんな感じなのかちょこっとみたところ,神戸大学とか千葉大学ではちらちらと願書が届いているようでした.東京大学はどんなもんなのかみたところ,結構な数の願書が届いているようでした.東大を受験する人は最初から決めていて,願書提出も早いんでしょうか.京大は出願状況の公開はしていないようでした.

大学をランク付けしたくはありませんが,東大を希望する学生は,一番の大学ということで迷いなく選んでいるのでしょう.偏差値でみると金沢大学と同等の国公立大学は多くあるでしょうから,学生にとっても選択肢が多いのかもしれません.となると,入学できそうな大学の中で,自分が学びたいことがある大学,やりたいことができそうな大学を探すということになって,すぐには決められないのかもしれません.

競合校が多くある大学としては(ほんとにそうかわかりませんが),迷っている学生の決め手になるような魅力ある教育・研究をアピールする必要がありますね.東大のように「一番」という看板がない以上,他の看板が必要というか,内容が問われるということでしょうか.それは受験生の方に大学を良く知ってもらえる機会にもなるかもしれないので,悪いことではないようにも感じますが.大学としても広報の方が色々やっているようなので,それが学生さんに伝わればと思います.

まぁ大学の方がどうするかはおいておき,出願締め切りまでそう時間があるわけではありませんが,受験生のみなさんには色々な大学の情報から,学びたいこと,やりたいことをみつけて頂きたいですね.

我が金沢大学では,奥能登地域にて地域振興活動を開始することとなったそうです.asahi.comより.

金沢大学は29日、奥能登地域の2市2町などと連携した地域振興プロジェクト「里山里海アクティビティ」を始めると発表した。奥能登に協働ディレクター1人を配置して、豊かな自然を生かした新規事業を創出し、今後3年間に1千人の若者らを呼び込んで里山・里海の研究を進める。(asahi.comより)

プロジェクトは三井物産や地元市町からの支援で運営されるとのこと.東京農大や長野大学と連携して,今後3年間で学生・研究者延べ1000人を受け入れて研究活動や里山保全活動をするそうです.この活動が全国的に知られるようになって,「里山里海研究といったら能登」という風に,全国各地から研究者が集まる地域になると嬉しいですな.

同じ記事がYomiuri Onlineにも紹介されていたのですが,こちらはややトーンが異なっていて,見出しも「里山里海でビジネス創出」と,研究よりも経済の活性化による地域振興を押し出しています.

金沢大は、三井物産環境基金の支援を受けて奥能登地域を中心に3年間、里山里海を活用して地域ビジネスなどを生み出し、地域の持続可能な発展を目指す活動「里山里海アクティビティ」に取り組む。珠洲商工会議所で29日、記者発表するとともに、シンポジウムを開いた。(Yomiuri Onlineより)

ひとつのシンポジウムの記事なのにだいぶ見方が違うもんです.どちらが重視された活動なのかで参加する人達の顔ぶれも変わるように思いますし,どちらかの記事を読んで関心を持った人は,他方の記事を読んで「あれ?」と感じるのではないかと思いますが,果たしてそれで良いのでしょうか.

両方の活動が同じくらいの比重で取り組まれるのか,記者の受け取り方の違いでどちらかが過大に話題とされているのかわかりませんが,いずれにせよ正しく伝えるというのは大切だということですね.

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