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局地気象と銘打たれた勉強会ではありますが,私は必ずしも局地気象を専門にしているわけではなく,どうしようかと思ったりもしていたわけですが,参加者の方々も気象の専門家で関心も多岐にわたるということで,衛星データ同化の話をさせて頂きました.
が,衛星データ同化は,まず衛星リモートセンシングが必ずしも広く研究されているわけでもなく,したがって一般の方々にはちょっと馴染みがないのと,データ同化に関しても,気象予測の中では当然のように使われている技術にも関わらず,比較的難解で一般には浸透していないせいか,反応もいまひとつでした.
同じく講演者として参加された名大の上田先生も,勉強会後に話した時に「ちょっと難しいよね」とおっしゃっていたので専門の方にはウケが悪くても仕方ないかなぁと思いました.研究としても意外と取り組んでいる方は少ないのですが,けっこう面白いし,もっと浸透して多くの人が取り組んでくれれば良いなぁとおもったりもするわけですが.
勉強会後は懇親会ということで予報士のみなさんとお話する機会があったのですが,年代も背景も異なる方々がいてとても楽しかったです.私の話の内容はやはり「難しかった」という感想を頂きましたが…
発表準備も含めて今回は自分にとっても非常に勉強になりましたし,色々今後に生かせるかなぁとも思ったりもしたので,全体としては悪くなかっただろうということで.
本日はCRESTのH21年度成果報告会のため東京へ出張.
私の参加するチームの報告は午前に割り当てられたため昨夜の金沢発の夜行バスで移動.前回より楽に感じたので,使っているうちに慣れることもできたりするんじゃなかろうかと思ったり思わなかったり.
昨年度の成果報告ではありますが,採択決定が昨年の9月とかで実質的にプロジェクトが始まってから半年なので,まだ漠たる成果というかなんというか.特に我々のチームは私が温暖化実験のダウンスケーリングという理学的なテーマを扱う一方,水利用に関する人々の意識に関する調査という自分学的なところまでカバーしており,半年でそれらが統合的にまとまるわけもなく,今のところバラバラしているという印象があったのではないかと思います.
そういう意味では他のチームは構成グループも比較的小さく,目的も明確な気がします.まぁ,何だかモヤっとしたものが最終的にひとつにまとまって確たるものになれば,それはそれで感動的というか,ちょっとすごい感じもするので,そうなるようにがんばりたいと思います.
多くのチームの発表は午後だったのですが,ずっと聴いているわけにもいかず途中で抜けてしまいましたが,本来なら勉強になるので参加できれば良かったなぁと思います.
前に関係していた別のCREST課題の時には,成果報告会ではスライドを使った口頭での報告以外に,ポスターの貼りだしなどもあったので,そういうのがあれば時間が無くてもざっとそれらをみて勉強することはできるのですが.もうそういうことはしないのかな.あるいは始まって半年ではポスターで色々成果を見せるほど進んでいないだろうという判断なのか.
いずれにせよ,次回は時間が許せば他のチームの報告も聴いて,できれば懇親会にも参加して,様々な研究者の方と色々話したいところです.
会合は午前中でしたが,前乗りはなかなかできませんし,金沢を夜発って東京朝着の移動ですが,ちょうど一週間前にJRのダイヤ改正に伴う寝台特急北陸の廃止で,今回初のバス移動.個室ではありませんし,シートもフルフラットというわけにはいきませんが,まぁ無理ではありません.とはいえやっぱり寝台列車の方が良かったなぁと感じます.肉体的な負担もありますが,なんとなく風情がありますよねぇ.ロマンチシズムっていうんですかね.残念ながら夜行バスにはそれがいまひとつありませんわ.
会合は,国交相が作成した気候変化への適応策検討のためのガイドライン骨子(案)に関する意見のやり取りと議論.限られた時間の中で多くの意見が出されたため,議論できたのはわずかな部分に過ぎず,やや残念.また,事前資料も前日に送られてきたので,忙しい委員の方々は十分目を通す時間がなかったのではないかと思います(私は比較的余裕があったので読んでから臨めましたが).
温暖化への適応策検討は日本も今後試行錯誤しながら進めて行くものなので,具体的な事例紹介などは十分ではないかもしれませんが,基本的な考え方や議論の深まりはアジアの中では進んでいる方なので,それが伝わる内容であれば良いかと思います.また,日本において過去に実現したものや既に取り組んでいるものだけでなく,日本国内でも「こうありたい」という理想があるのであれば,それも盛り込んで頂きたいと思います.「国際貢献」と外向けな題目が付いていますが,日本でもこれからの課題ですから,国内においてもより良い方向に議論が進むような資料として活用されればと思います.
会合は午前中で終了し,午後はたまたま日程が重なった気象協会主催の講演会「激化する気象現象と災害」に参加.比較的一般向けの内容ではありましたが,いくつか勉強というか,参考になる考え方もありました.
夜は友人と会って,翌日金沢へ帰りましたが,3連休の初日ということで新幹線も「はくたか」も指定席がとれず,結局富山まで立ちっぱなし.寝台バスと立ちっぱなしの電車で,結構しんどい出張でした.
本日はGEOSS-APのSide EventであるAsian Water Cycle Initiativeのミーティング.午前中はこれまでの活動のサマリーと,干ばつ・氷河(雪)・洪水といった3つの水災害テーマからの報告などがありました.
3つのテーマからは,いずれもダウンスケーリングによるGCM出力の詳細化が話題としてあげられ,国連大学のヘーラト先生もOne of Top Priorityであるとお話されていました.
どのようなGCM出力かは特定されていませんでしたが,長期的な水管理には温暖化実験出力の活用も考慮されているはずですし,その技術の確立についてのニーズも高いだろうなと思います.
色々な研究者が温暖化実験出力のダウンスケーリングに取り組んでいますし,私もWRFを利用してCMIP3データのダウンスケーリングはしているので,技術的には可能ですが,どのモデルを初期値・境界条件として使用するか,様々なパラメタリゼーションのいずれを適用するか,バイアス補正をどのように行うか,という点についてはまだ研究が必要で,結果を今すぐ公開し,水管理に使ってもらうというわけにはいかないと思います.
ダウンスケーリングに必要な前処理用のスクリプトなどを公開し,多くの研究者がそれを使って様々な検証や検討をしてくれれば研究の速度も上がるし,全体としては良いことなのかもしれませんが,十分理解されていない方が使用して,不十分な検証で温暖化等の影響を声高に言われたりするのも不安なので,簡単にはできないでしょうね.気候モデラーの方々もCMIP3などが利用される際のそうした点を懸念されていますし.
豪雨等の極端事象に関連するデータの提供なども話題になりましたがなかなか難しいとのこと.ダウンスケーリング結果に関してなのか,あるいは観測データに関してなのかちょっと聴き逃しましたが,いずれにせよ水循環研究あるいは実際の水管理に有用なデータへのニーズが高い.
午後は干ばつ,雪・氷河,洪水の3つの水害のグループにわかれてそれぞれの分野で今後の活動をどのように進めていくかといった戦略とタイムラインなどが議論されました.各国のおかれた現状が違う中で,進め方は当然異なるわけですが,お互いの活動を知ることが重要だということみたいです.たぶん.
その後はAWCIでアーカイブされる観測データの品質管理システムやICHARMで開発された(?)分布型流出モデルのチュートリアルがあって,色々とトラブルはありましたが,単なる議論だけではなくて,実際のデータが出てきたりソフトが動いたりと,活動が目に見える形になったというのは大きな進展だと思います.実際の成果が出てくれば,参加する各国のモチベーションの向上や活動も加速するのではないかと思いますし,大きな意味があるのではないかと思います.
ということでバリ島への出張も終わりです.そろそろ空港に向かい,夜中の便で日本に向かいます.
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