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金沢大学角間キャンパスで働く准教授のブログです.大学や金沢での生活や,その他もろもろです.
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2006年度から今年度までの第3期科学技術基本計画期間における政府の科学技術関連予算が目標額の86.4%にとどまる見通しとのこと.サイエンスポータルより.

この結果を,よく努力されたと評価するのか,あるいはその程度にとどまったと批判的にみるべきなのか,よくわかりませんが,大事なのは投資に対して成果が得られたのかということだと思うので,単に予算額を云々するのではなく,この期間に達成されたことを合わせてみる必要があるかと思います.

それとあわせて,目標通りに投資がされていれば,さらなる成果が期待できたのか,あるいは逆にこの期間における日本の科学界の活動度からすると,この程度が適正であったといったことを議論することになるのかと思います.もっとも,多くの研究者が決して潤沢とはいえない予算状況で研究に取り組んでいることを考えれば,後者のような評価がなされることはないのではないかと思いますが.

その一方,大型の予算を受けている研究課題に厳しい評価がなされるということも実際にあるわけで(こちら),苦しい台所事情でがんばっている人もいるのですから,厚い補助を得ている研究者は少しでも良い成果を出すべく努力しなければいけないと思います.

来年度からは第4期科学技術基本計画期間となるわけですが,他人事と思わず,そこに国の方向性や人々のニーズを見出して研究に取り組むことも考えたいものです.
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サイエンスポータルにて,理化学研究所・研究顧問の和田昭允氏による科学と技術に関する提言が掲載されています(こちら).

氏の提言では,自然科学と人工物科学(技術)は相乗作用をもつ,すなわち科学的知見が技術を現実のものとし,技術的課題が自然科学の発展をもたらすことを背景に,両者を区別すべきではなく,協力する意識をもたねばならないと述べています.

このことは,最近サイエンスポータルで公開された東京大学・西成教授の数学を交通渋滞に応用し,優れた成果を出していることにもつながると思いますし,科学と技術の協調によって社会問題のブレークスルーがもたらされるとともに,研究者にとっては,今まで必ずしも両者をつなげてこなかった分,新たな分野を拓ける可能性にもつながるのではないかと思います.

上記の協調とともに氏が述べているのは,基礎科学があっての技術ではなく,技術的課題が基礎科学の発展をもたらしたことに目を向け,さも学理が技術より上のような考えはやめるべきだということです.「本質」を求めて基礎科学に向かうばかりでなく,技術をつきつめることで科学の発展に貢献することも視野にいれる必要があるのです.

恥ずかしながら,私もサイエンスに負い目を感じてなくもありません.が,技術の向上を目指す研究にも結局は基礎科学が必要だということを,最近感じ始めていました.したがって,技術を追い求めることは必ずしも実益主義とかいうわけではなく,そのことは自ずとコトの本質を求めることにつながるということを自覚して,胸を張って工学の道を進む者としてがんばっていこうと思います.
サイエンスポータルにて,科学報道のありかたに対する記事(こちら).

先日発表された日本人研究者によるノーベル化学賞受賞で,科学報道も賑わいをみせていますが,その一方でニュース性の強い世界的な成果ばかり記事となっても,多くの研究者がどのようなことに取り組んでいるのかが一般の人々に伝わらなければ,本当の意味での科学リテラシー向上にはつながらないのではないか,というのが記事の趣旨.

ノーベル賞を受賞したり,Natureに掲載されていない研究成果,活動の中にも産業や生活に関わりのあるものは多いので,それらを取り上げることで科学への関心が高まる,ということで,実際に山形新聞に科学研究に関する記事が掲載された経緯を紹介しています.
なかなか全国紙では,必ずしもニュース性が高いとは言えない研究活動を紹介するのは難しいかもしれませんが,地元紙は特色を出せるところかもしれませんし,期待できるのではないかと述べています.そういう意味では,我らが北國新聞は金沢大学の研究活動も多く記事にしてくださっているようですし,ありがたい限りです.

記事の最後では,科学報道が当たり前のようになされるには,取材側だけではなく発表する側にも積極的できめ細かい情報提供が必要とも述べられています.この点は研究者だけでは難しいところもありますし,大学であれば広報室のようなところが積極的に動くことが必要だと思います.その意味では,一般の事務職員とは違った,多少科学に詳しいスタッフも必要とされると思いますし,そうした職能を育てることが必要と思います.
サイエンスコミュニケーターなんていいう人達がいますが,大学にもそうした人が何人かいるべきだろうなぁと思う次第です.
東京大学先端科学研究センター教授・西成活裕氏のインタビュー記事がサイエンスポータルにて公開中.サービス業でのイノベーションをもたらすにはサイエンスがどのように貢献すべきか,といったことがテーマのようですが,第一回は数学に関するお話し(こちら).

細かなことは記事をお読み頂ければと思うので省きますが,記事の中で西成教授が述べているのは,抽象化・一般化された数学を個別の具体的な事象に適用することで問題解決につながることがあるということ.これだけだと「まぁそうだろう」的な感じですが,ここでの数学というのは中学や高校レベルのものではなく,最新の数学です.おそらく専門の人にしか理解は難しいようなものだと思います.そのような数学はすぐさま実社会に役立つものではなさそう,というイメージがありますが,そうではないということを西成教授は述べています.

しかし,最新の数学が実問題に適用されないというのが現状で,それには技術者が数学を知らないということが一因になっているとのことです.かといって,日々の研究開発に追われる技術者にじっくり数学を学べということは難しいので,その点は大学の人間の役割だとしています.逆に大学の研究者は現場での問題に疎いところがあるとも.今後,実問題と研究を結び付ける役割が重要となるのかもしれません.

誠に恥ずかしい限りですが,私も数学は苦手なので,もっとできれば違った方向から研究を展開することもできるのかもしれません.たぶん今からでも勉強するのは遅くないでしょう.がんばってみようかな.学生の時にしっかり勉強しておけば良かったと猛省.
サイエンスポータルにて,研究費助成で高い評価を得ているエリート若手研究者による総合科学技術会議による施策の優先度判定で,一般の人々よりも厳しい評価が出されたとの記事(こちら).

一般の方々による意見では「このまま推進すべき」と評価された事業でも,若手研究者の意見には「このまま推進すべき」が全くなかったそうです.

この結果についての意見は特に述べられていませんが,個人的には良かったのではないかと思います.全てが自分の専門と直接関係した分野でないにせよ,研究目的や方法の妥当性,整合性を判断することはできる施策もあると思いますし,そうした視点は普段研究に取り組んでいる中で養われていると思いますし,それなりに意味があるのではないかと思います.

また,「研究活動」というだけで擁護するような結果でなかったことも,若手の人々の姿勢が表れていると思います.自分の研究活動も,目的や方法の妥当性が適切でなければ改善・見直しも止む無しということを理解し,自らに厳しく向き合っているのではないかと思います.

一方で,約1000人に意見を求めた結果,184人からしか回答がなかったというのは残念です.時間があれば研究に取り組みたい気持ちはわかりますが,国から研究費を与えられていることや,事業仕分けを通して科学者の説明責任が求められていることがさらに明らかになったことを考えれば,社会貢献にも多少の努力を払うべきではないかと思います.
だからといって,意見の応募を義務化することは必ずしも賛成できません.エリート研究者と呼ぶのはどうかと思いますが,それなりに評価されている人は,意識を高く持って欲しいと思います.
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